劇場公開日 2017年7月29日

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「鑑賞後にマクドを食べる派?食べない派?」ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0鑑賞後にマクドを食べる派?食べない派?

2017年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

知的

ジョン・リー・ハンコックを、美談とされている実話を実直に撮る、いささか才気に欠けた監督だと思い込んでいた。ところが今回はまったくもって美談ではない。むしろ観客に嫌われて当然の男が善良な人を押しのける物語である。

こうなるとハンコック監督のオーソドックスで安定感のある演出が違う意味を帯びてくる。本作はレイ・クロックという男を徹頭徹尾フラットな視線で見つめており、普通の美談と同じテンションでクロックの波乱万丈伝を綴ることで、そのえげつなさがより際立って見える。感傷に頼らない演出がみごとだ。

本作を観てレイ・クロックに嫌悪感を催しマクドナルドをボイコットしたくなる人もいるだろう。自分の場合は逆に、レイ・クロックが象徴しているえげつない商業主義が支えている社会に自分たちが取り込まれている以上、今日もマクドナルドで自分が社会に隷属しているちっぽけさを噛みしめたいと思う。半ばマゾな悦びとともに。

村山章
Septicmovieさんのコメント
2017年9月5日

面白いレビューですね。私はこの映画を観た後ハンバーガーを食べたくなるかと思っていましたが、あまり食べたくはなりませんでした笑

Septicmovie