劇場公開日 2017年11月3日

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「LOVE⇔REVENGE」ノクターナル・アニマルズ nagiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0LOVE⇔REVENGE

2017年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この復讐劇は、あまりに美しい。

エドワードは「ノクターナル・アニマルズ」をスーザンに捧げることで、彼女に何を伝えたかったのだろうか。

「ノクターナル・アニマルズ」は、復讐の残酷なまでの無価値さを描いている。我々は、信じることを恐れるべきではない。失ってから後悔してはあまりに遅すぎる。復讐は、ただ自分の身を滅ぼすだけである。

エドワードは確かに弱いかもしれない。しかし、彼には強い意志がある。それは何にも代えがたい彼の魅力であり、武器だ。エドワードの作品は彼の意志そのものである。それは気づきを与え、変化をもたらす。それは復讐による愛であり、愛による復讐である。復讐と愛は表裏一体・等価・同値なのだ。

彼女が「ノクターナル・アニマルズ」に惹かれ、彼を想う。彼を想うことで彼女はかつてのNocturnal Animalと変貌する。しかし、彼女は自らの物質主義的側面を捨てきれない。そうして彼の意志に気がついた時には、もう遅すぎる。愛は、物質主義の前では復讐同様に無価値なのである。

「ノクターナル・アニマルズ」は、物質主義においては何もかも無意味であるという彼の意志だ。

愛も復讐も、本来これほどに美しいものであるというのに。

nagi