劇場公開日 2017年6月1日

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「X-MENシリーズを全く見たことがない人は、以下の4つを頭に入れて...」LOGAN ローガン だーやまさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5X-MENシリーズを全く見たことがない人は、以下の4つを頭に入れて...

2017年6月22日
iPhoneアプリから投稿

X-MENシリーズを全く見たことがない人は、以下の4つを頭に入れておくといいと思います。

1.シリーズの世界観
突然変異によって人間から進化し生まれた新たな種・ミュータントは、それぞれが多様な特殊能力を持ち、人間たちから差別を受けていた。押さえつけられたミュータントと人類は度々戦争の危機に見舞われていた。

2.X-MEN
人類・ミュータント間の争いを食い止め、両者の共存を目標とするミュータントのチーム。

3.ローガン/ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)
本名:ジェームズ・ハウレット。驚異的な治癒能力を持つミュータントで、両腕には出し入れ可能な大きな爪が入っている。彼を利用しようとした研究者により破壊不可能の特殊金属アダマンチウムで骨格(両腕の爪を含む)をコーティングされ、より強靭な肉体となった。その後X-MENのチームに加わり、世界の平和を守る一員として活躍した。

4.チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)
世界一のテレパスで人の心を読む・操る・記憶を操作するなどの能力を持ったミュータント。いろいろあって下半身不随。X-MENの創設者で、ローガンをチームに引き入れた。ミュータントのための学園も経営し、人類とミュータントの共存を目指して活動していた。周りからはプロフェッサーXと呼ばれていた。

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作中ではX-MENの活躍がコミックとして出版されている設定。いわゆるヒーロー漫画として英雄的な側面が強調されており、ローガンは『殆ど嘘っぱち』『タイツ着て人の命が守れるか!』などと突っ込んでいる。

これは、

「今までキャッキャ喜んで見てきたX-MEN映画、延いてはヒーロー映画も、現実の世界で同じことが起これば、もっと悲惨だ」

というメッセージと受け取れるわけで、観客にとっては今までの実写版X-MENシリーズが“虚構”であり、この作品が“現実”であることを突きつける。

アクションシーンの残虐性、とんでもなく悲しいストーリー展開は必然だ。

似たようなテーマの作品としては「キック・アス」や「スーパー」なんかも挙げられると思うけど、この「LOGAN」は前者のようなポップさは微塵もなく、ひたすら重い…。ヒーローそのものの悲劇を容赦なく徹底的に描いた挑戦的な作品だ。

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吹替ではダフネの声を鈴木梨央ちゃんが担当しているが、ハツラツとした彼女にローラという役はちと暗すぎる。悪くはないけど絶賛もできない。わざわざ子役にやらせなくても、大人の女性声優に任せるのがベストだったかも。

ヒューの吹き替え山路和弘さんは、ヒューとともに今回が最後になるわけで、いつも以上に大事に演じていたと思う。ウルヴァリン×山路和弘がもう見られないかと思うとホント寂しい…。

パトリックの吹き替えは大木民夫さんから代わって麦人さん。テレビ版からの人選だ。大木さんは現在89歳で、チャールズ役にもピッタリなだけに残念だけど、麦人さんの吹き替えもすごく良いので、ぜひ吹替版もチェックしてほしい。

他にも「チャッピー」の川島得愛や「ヒックとドラゴン」のヒック役・田谷隼らが吹替版に参戦している。

だーやま