劇場公開日 2017年9月15日

  • 予告編を見る

「こんな映画、クストリッツァにしか作れない」オン・ザ・ミルキー・ロード ローチさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0こんな映画、クストリッツァにしか作れない

2017年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

宗教画のような厳粛さを持ちながら、スラップスティック・コメディが始まり、動物たちと人間が共存によるシュールな世界が展開する。戦争中の小さな村には悲壮感はなく、溢れんばかりの生のエネルギーが充満している。
舞台となる架空の村では、戦闘行為をしながら食事を準備し、銃弾の飛び交うなか雑談する。生活の中に戦争があり、戦闘行為がまるで人々の生活の一部であるかのようだ。
戦争終結をが宣言されてもヒロインの花嫁(モニカ・ベルッチ)は、終われ続け、終わったはずの戦争はずっと終わらない。遂には主人公と逃避行に出るが、どこまでも行っても戦争の影。
狂騒的な結婚式、迫力のウンザミュージック、笑いと涙と怒りが渾然一体となったクストリッツァらしい作品だ。

コメントする
杉本穂高