ラストレシピ 麒麟の舌の記憶

劇場公開日:

解説

人気料理番組「料理の鉄人」を手がけた演出家・田中経一のデビュー小説を、二宮和也主演、「おくりびと」の滝田洋二郎監督のメガホンで映画化。二宮扮する天才料理人が、歴史の闇に消えてしまった幻のレシピを探す過程で、思いがけない真実が明らかになっていくさまを描く。1930年代、日中戦争前の満州国にやってきた天皇の料理番・山形直太朗は、陸軍からの依頼で112品目から構成される伝説のフルコース「大日本帝国食菜全席」を考案する。しかし、そのお披露目の直前、とある陰謀によって「大日本帝国食菜全席」のレシピはいずこかへと失われ、歴史の闇に消えてしまった。それから70年後の現代、一度食べればどんな味でも再現できる絶対味覚「麒麟の舌」を持ちながら、料理への情熱を失ってしまった天才料理人・佐々木充は、中国料理界の重鎮である楊晴明という老人から、失われたレシピを探して欲しいと依頼される。二宮が主人公・佐々木を演じ、山形役の西島秀俊のほか、綾野剛、宮崎あおい、西畑大吾、竹野内豊らが脇を固める。企画に秋元康が名を連ね、「永遠の0」の林民夫が脚本を担当。

2017年製作/126分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2017年11月3日

スタッフ・キャスト

監督
原作
田中経一
脚本
林民夫
企画
秋元康
製作総指揮
早河洋
製作
亀山慶二
藤島ジュリーK.
吉崎圭一
市川南
見城徹
秋元伸介
木下直哉
沖中進
浅井賢二
二木清彦
樋泉実
荒波修
エグゼクティブプロデューサー
西新
コーエグゼクティブプロデューサー
佐々木基
阿比留一彦
上田太地
チーフプロデューサー
林雄一郎
プロデューサー
八木征志
高野渉
若林雄介
撮影監督
浜田毅
撮影
大嶋良教
照明
長田達也
録音
小野寺修
美術
部谷京子
装飾差配
小池直実
装飾
うてなまさたか
石田満美
衣装
西留由起子
ヘアメイク
内田結子
市川温子
音響効果
小島彩
編集
李英美
音楽
菅野祐悟
音楽プロデューサー
野口智
助監督
足立公良
料理監修
服部幸應
フードコーディネーター
結城摂子
特殊メイク造形統括
江川悦子
VFXスーパーバイザー
大萩真司
ポストプロダクションプロデューサー
篠田学
スクリプター
大西暁子
キャスティング
川村恵
ラインプロデューサー
山下秀治
田口雄介
製作担当
道上巧矢
全てのスタッフ・キャストを見る

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13

(C)2017 映画「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎

映画レビュー

3.0天才的な舌

2024年1月1日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
プライア

4.0西島秀俊の調理シーンの自然さには驚いた

2023年11月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
つとみ

3.5受け継がれるもの

2023年8月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

才能ある人は得だ。特に類稀なる才能だと素晴らしく幸せだ。幸せな筈だ。
また信念を持つ事は大事な事だ。適当に生きるより充実した人生を送れる筈だ。
ここに出て来る山形さんはどうだろう?
レシピは成し遂げたが、幸せと言えたかどうか。充実はしていたかもしれないが。
日中戦争に突入する盧溝橋事件勃発直前の満洲国に招き入れられた天才料理人の話。
時代が違えばとまた思ってしまう。

西島秀俊さんは真摯に役に取り組んでいた様子が窺える。中国語ロシア語を喋っていた。陰での努力の賜物だろう。
二宮和也さんはなぜ起用されたのであろう。
もっと真面目一筋な印象の俳優だった方が合っていた。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
りか

4.0時を越えて料理と戦う二人の天才

2023年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

本作は、対照的な二人の天才料理人の生き様を描いた物語。最近、複雑な展開の作品が多い中で、シンプルに二人に迫っていくので、外連味の無さが際立つ、完成度の高い良質な人間ドラマに仕上がっている。

理想の料理を求め挫折した若き天才料理人・佐々木充(二宮和也)は、生活のため、最後の料理として人生最期の料理を提供する仕事をしていた。彼は料理への情熱を失っていた。そんな彼のところに、1930年代に満州で天才料理人・山形直太朗(西島秀俊)が日本軍の要請で作った幻のレシピ“大日本帝国食彩全席”探しと再現の依頼が飛び込んでくる。佐々木は、山形を知る人々を辿り、レシピの行方を追い求め、山形の料理に賭ける生き様、歴史に隠された真実に迫っていく・・・。

物語の大半は、満州での山形のレシピ作りである。1930年代の満州と言えば、激動の昭和史の真只中にあった地であるが、そこには敢えて触れず、山形の料理に賭ける生き様にフォーカスしている。無駄のない洗練された庖丁さばき、美意識の高さを感じさせる料理の数々に目を奪われる。何より、山形を演じる西島秀俊の肉体派と呼べるような引き締まった体付き、キリっとした姿勢の良さ、そつのない身のこなしが素晴らしい。天才料理人としてのリアリティーに溢れている。妻・千鶴を演じる宮崎あおいの凛としたアシスト振りが奏功し、苦悩しながらも形振り構わず一心不乱に料理に打ち込む山形の姿が胸を打つ。

一方、現代に生きる佐々木を演じる二宮和也は、定評のある演技力で、料理に一切の妥協を許さない、鬱屈した孤高の天才料理人を好演している。本作は、彼の成長記にもなっているが、山形の料理人としての姿勢に触れ、次第に覚醒していく過程を気負いのない自然体の演技で表現しているのは流石。

佐々木の親友であり、同じ料理人でもある柳沢健を演じる綾野剛が芸達者振りを発揮している。直情型人間ではあるが、佐々木の良き理解者であり、率直に自分の気持ちを表現するところは佐々木とは正反対。特に体を張った筋肉剥き出しの肉体派の料理作りに説得力がある。これは、美味い料理を作ってくれるなと得心できる。肝心の香り、匂いが伝えられないので、映像で料理の美味さを表現するのは難しいが、二つの方法が考えられる。一つは料理の美しさ、もう一つは逞しい肉体が創り出す料理作り、であろう。本作では、両方を巧みに駆使しているので、料理の美味さが画面を通して伝わってくる。食欲が刺激される。

終盤で、歴史が顔を覗かせ、物語はリアルな展開となり、紆余曲折を経て結末を迎える。少々ベタではあるが納得の結末だったので、余韻に浸ることができた。

本作は、料理に賭ける男達の生き様、幻のレシピの行方を追う時代を超えた歴史ミステリー、友情、夫婦愛、親子愛、平和への想いなど、様々な要素を巧みにブレンドした、心癒されて素直な気持ちになれる人間ドラマである。

コメントする 1件)
共感した! 11件)
みかずき
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る