劇場公開日 2017年3月3日

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「エロ!変態!芸術!」お嬢さん 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5エロ!変態!芸術!

2017年7月23日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

知的

今年の3月に立て続けに公開された韓国3大サスペンスの一本。レンタルを待っていた!

日本統治下の朝鮮。
盗賊団に育てられた少女スッキは、“伯爵”を名乗る詐欺師からある仕事を手伝わされる。日本人華族の令嬢、秀子のメイドとなり、秀子が詐欺師と結婚するよう仕向け、結婚したら秀子を精神病で病院に入れ、財産を戴くというもの。が、秀子の美しさにスッキは次第に心惹かれていく…。

イギリスの小説を基に、鬼才パク・チャヌクが描くサスペンス。
韓国人がたどたどしい日本語で日本人を演じる不条理にさえ目を瞑れば(まあ皆、純日本人って役柄ではないんだけど)、エロと騙し合いと意表を付く笑いの、芸術的変態ムービー!

まずはエロだね、エロ。
スッキと秀子の淫靡な関係。ズバリ、同性愛。
視線、息遣い、局部の描写…最初は艶かしい雰囲気を漂わす。
詐欺師が秀子にアプローチすると、嫉妬。
スッキが飴を舐めた口で秀子にキスからの性愛シーン。
演じた二人に天晴れ!
男性の方は予め○いてから見る事をオススメします(笑)

バイオレンス描写は思ってたより控え目。
が、指切断の拷問シーンなど、痛い!と思わせる描写はこれぞ韓国サスペンス! “復讐三部作”で知られるパク・チャヌクならでは。

変態嗜好はもはやキチ○イレベル。
乳○、チ○ポ、マ○コ…淫語だらけの朗読会。
極めつけは、木の人形とのとあるショー。
秀子の叔父、上月。秀子に客人の前で官能書物を読ませ、姪である秀子との結婚を考えてる本作随一の変態さん!
ここまで来ると、何だかもう笑えてくる。

話の方も目が離せない。
騙されていたのは、学の無いスッキなのか。
騙していたのは、孤独で純真そうに見える秀子なのか。
踊らされていたのは、二人を手玉に取っていた詐欺師なのか。
第一部は、スッキの視点から。
第二部は、秀子の視点から。
第三部では、思いもよらない展開が…!
二転三転。
財産目当てから始まり、濃密な人間模様、ドロドロした作風は横溝ミステリーを彷彿!

先にも述べた通り、韓国人が演じる日本人。
韓国語と日本語が飛び交う台詞。
何だか異色の世界観。
和と英が融合した様式美。
美術・衣装、映像、音楽などの格調さが、本作をただの変態映画じゃない芸術作品に高めている。

面白かったという感想が合っているかはアレだけど、面白かった!
「哭声 コクソン」「アシュラ」にも期待!

近大