劇場公開日 2017年12月15日

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「キャリー・フィッシャーに捧ぐ…のおかげで評価アップ」スター・ウォーズ 最後のジェダイ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0キャリー・フィッシャーに捧ぐ…のおかげで評価アップ

2019年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は1977年版『スター・ウォーズepisode4』のリブート版のような気にさせられましたが、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、マーク・ハミルの登場でファンを喜ばせてくれました。もしや今作も?と不安な気持ちと楽しみとで複雑な心境を、ストーリーというより血縁関係を予想してみることでダークサイドに落ちないよう、前向きに鑑賞いたしました。

 今回はレジスタンスの劣勢が続きます。レイ(デイジー・リドリー)とチューバッカが惑星オクトーに到着して、伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)を連れ出そうと説得を試みる。ルークはジェダイはもう必要ないだとか、わけわかんない意地ばかりはって動こうとはしないが、ちょっとだけレイにジェダイの秘訣を教えてあげるのだ。しかし、ジェダイは俺で最後、もう十分といった感じで頑なに心を閉ざしている。

 レジスタンスは最高指導者スノーク率いるファースト・オーダーの攻撃に晒され、いまにも燃料切れになる寸前。どこへ逃げてもトラッカーに追いかけられることをフィン(ジョン・ボイエガ)が気づき、ローズ(ケリー・マリー・トラン)と共にコード破りの達人がいるカジノ、カント・バイトへと向かう。牢屋に入れられてしまうが、そこで本命じゃなかった達人DJ(ベニチオ・デル・トロ)と知り合い、主戦場へと戻るのだった。そこではレイア将軍(キャリー・フィッシャー)が倒れ、代わりの提督にホルド(ローラ・ダーン)が命ぜられる。

 152分の長尺ゆえ、ストーリーを思い出そうとしても、時系列的にわからなくなってしまいます。そんな中でもBB-8の活躍は凄まじいものがあり、どこにでも登場している印象があります。ミレニアムファルコンの中にもいたような誤った記憶も持ってしまいましたが、あれはボーグという鳥でした。チューバッカが食べようとしていたのに、仲良くなるなんて信じられません。食べようとされたのに仲良くなる物語といえば、『未来少年コナン』に出てくるジムシイと“うまそう”という豚の関係みたいです。

 レイとカイロ・レンが時空を超えて繋がっているシーンは面白く、やっぱりお前ら兄妹なんだろ!と、しつこく思い込んでもみましたが、どうもスノークが2人を操っていたようだ。そのスノークはかなり呆気なくレンに切り倒されてしまうし、カイロ・レンは完全にダークサイドに落ちてない雰囲気も残されているし、今後のファースト・オーダーが心配にさえなってきます。意外な伏線といえば、レイがしきりにカイロ・レンを味方に引き入れようとしていたことでしょうか・・・ここもあっさり逆に「一緒に銀河を支配しようぜ!」みたいに悪者の常套句が飛び出してきます。

 なんともストーリーがいっぱい詰め込まれた美味しい映画ではありますが、どうしてもマイナスポイントがあった。戦争映画ではありがちな自己犠牲精神。特攻隊のごとき、仲間を助けるために自殺行為に走る場面が2箇所(3箇所?)もあったことです。1つはホルド、もう1つはフィン。フィンの場合はそれをローズが諌めるかのように逆特攻となりましたが・・・。それはともかく、ルークの不死身ぶりには思わず歓声を上げてしまいたくなるほど勇ましく、フォースを使い果たしたかのような最後にはしびれてしまいました。

kossy