劇場公開日 2017年12月15日

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スター・ウォーズ 最後のジェダイ : インタビュー

2017年12月14日更新
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マーク・ハミルが故C・フィッシャーさんに気付かされたこととは?2人の“兄妹愛”を語る

全世界が待ち望む大人気SFシリーズ最新作「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」が、12月15日に公開される。前作「スター・ウォーズ フォースの覚醒」のラストシーンに登場し、32年ぶりに今シリーズに復帰したルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルが、「スター・ウォーズ」への愛と、2016年12月に死去し、今作が遺作となったレイア・オーガナ役のキャリー・フィッシャーさんとの思い出を語った。(取材・文・写真/編集部)

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今作は、主人公レイ(デイジー・リドリー)が、孤島に30年間姿を潜めていた伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを探す様子を綴った前作のその後を描いた物語。“ネタバレ厳禁”な今作のインタビューを受けるハミルは「内容を話せないのに!」とおどけてみせながらも、「みんなが愛してやまない『スター・ウォーズ』の要素が全部詰まっているよ。アクション、冒険、偉大なキャラクター、ロマンス、ユーモア、サスペンス、素晴らしい生き物たち、そしてエキゾチックな世界。次々に展開される感情の動きには圧倒されるよ。シリアスなのに面白くて、ダークな面もあるんだ」と期待をあおる。

しかし、初めて脚本に目を通したときは、「客観的になれなかった」と率直に明かす。「今作のルークはとてもダークな時期を過ごしている。これまで彼は登場人物のなかでもっとも楽観主義で、希望にあふれたキャラクターだった。それなのに今は『ジェダイは滅びる』なんて言っている。僕はルークがどう描かれるべきか知っているつもりだったから、とてもつらかった」「これまでルークがやってきたことを、全部ほかの誰かがやっているんだ。生意気なパイロットの役割はポー・ダメロン、敵の情報をかぎまわるのはフィンとローズ、ミステリアスなパワーを発見していく孤児はレイ。大勢の子どもたちが“僕の”おもちゃ箱をあさって、“僕の”おもちゃで遊んでるんだよ(笑)!」

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キャラクターへの執着心を身振り手振りを交えて茶目っ気たっぷりに話すハミルだが、今シリーズへの愛情を語る表情は、これ以上ないほどに穏やかだ。「新しいキャラクター全員のことも、(監督の)ライアン・ジョンソンのことも大好きだよ。もし『スター・ウォーズ』を作るのが楽しくないなんて人がいたら、その人は本当にどうかしている。たとえ物語が深刻でも、演じるのがカイロ・レンやダース・ベイダーや邪悪なスノークだったとしても楽しいんだ」

ハミルは、今シリーズの生みの親であるジョージ・ルーカスに「新3部作には関与しない」と告げられていたため、オファーを受けたときは「気絶しそうだった」というほど驚いたと話す。「ジョージが『もし出演する気がないなら、君たち抜きの物語にしようと思っている』って言ったときは、得意のポーカーフェイスで取り繕っていたけれど、内心は『何だって!?』って感じだった(笑)」

慎重に考える“ふり”をしていたハミルに対し、フィッシャーさんは「やるわ!」と即答した。条件交渉のチャンスを逃すと思ったハミルは、「そんなに出演を切望しているところを見せちゃダメだよ! ってエージェントみたいなことを言った」が、フィッシャーさんの言葉にはっとさせられたという。

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「『50歳を過ぎた女優が演じられる役がハリウッドにどれだけある?』って言われたんだ。僕も50歳を過ぎているけれど、そんな風に考えたことはなかった。キャリーは賢くて、いつも僕の5歩先を行っているんだ。だから『そうだね、君は正しい』って伝えたよ。女優がハリウッドで生き残るのは、男優よりもはるかに難しい。30代の主演男優には28歳の恋人役がいて、40代、50代、60代、70代の男優にも28歳の女優があてがわれるんだ。それじゃあ、年を重ねた女優はどうなる? こんな歪んだ人生観は恥じるべきだ。年を重ねた女性は美しいし、多くのものを与えてくれるのに。僕が考えもしなかったことを、キャリーは優れた見方で見ていたんだ」

さらに、フィッシャーさんを「いつも絶対的に正しい」と言い切り、2人ならではのエピソードを披露してくれた。

「僕がブロードウェイのミュージカルに出演したとき、キャリーはチラシを持ってきて、『“宇宙を舞台にした映画シリーズで知られる”マーク・ハミル、ですって? なぜスター・ウォーズとはっきり書かないの?』と聞いてきた。僕が『あんまり強調したくないんだよ……』ってモゴモゴ言うと、『あなたはルーク・スカイウォーカーで私はレイア姫なのよ! それを喜んで受け止めて、自分のものにして、殻を破りなさいよ!』って一喝さ。そのときは、若い頃に演じた役を紹介文に使うのはふさわしくないと思っていた。でもキャリーは、僕がルークを演じたことは、無視することもなかったことにもできないんだから、楽しみなさいって教えてくれたんだ。それを経て、今僕は人生最高のときを過ごしているよ」

そんなかけがえのない存在だったフィッシャーさんを偲び、「確かに僕たちは兄妹を“演じて”いたけれど、僕は本当に彼女を愛していた。本物の兄のようだったよ」と寂し気な目を見せる。「タフな人でひどいことも言うのに、とても傷つきやすい少女のような側面も持ち合わせている人だった」。フィッシャーさんが19歳の頃から知るハミルだからこそ理解できた姿だ。

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フィッシャーさんの話になると止まらないハミルは、最後に「キャリーと一緒に過ごすのはとにかく楽しかった。でも同時に本当に腹立たしいんだ(笑)! それでも彼女に怒り続けるのは不可能なんだよ」と可愛い妹を懐かしむ優しい兄の顔をのぞかせた。

「キャリーに『蝋人形館のマダム・タッソーにあるお互いの人形の前で写真を撮ってツイートしよう』って提案したことがあったんだ。でも何日してもキャリーから返事がないから、彼女のTwitterをのぞいてみると、なんとマダム・タッソーで僕の人形と撮った写真を投稿してたんだよ! 僕が『一緒にお互いの人形と写真を撮ろうって言ったじゃないか!』って怒っても、『まあ、それはいいアイデアね』ってひょうひょうとしてるんだ。だから、『もういいアイデアじゃないよ! 君がひとりでやっちゃったじゃないか!』って怒り狂ったんだけど、『あら、ダメだったの?』って一言。もう笑うしかないよ! 『そりゃダメだよ……。本当に君は僕を翻弄するんだから……』ってね(笑)。わかるだろ? キャリーに怒り続けるなんて、到底無理な話なのさ」

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