「苦しい戦時体験とカタルシスのバランス」ダンケルク ローチさんの映画レビュー(感想・評価)

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ダンケルク

劇場公開日 2017年9月9日
全542件中、100件目を表示
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苦しい戦時体験とカタルシスのバランス

クリストファー・ノーランは、戦争についてのイデオロギーは極力排し、観客に戦場を体感させることに主眼を置いた。英雄賛美も戦争反対の大きな声も手垢がつきすぎてしまった現代で戦争を語ることの困難さがこの映画には溢れている。
暗くどぎついことの連続である浜のシーンで、人は戦場の苦しさを嫌というほど体感するだろう。しかし、観客に与える苦しみは「サウルの息子」ほど徹底されず、救助の民間船のエピソードでは、希望やヒロイズムが謳われる。
戦場を体感させたい、しかし苦しみを強いるだけの鑑賞体験では観てもらえない。ノーランはそのジレンマに向き合った。
机上の空論を振りかざすことをやめ、生々しい戦場に向き合わなくてはならない。しかし、映画としてのカタルシスなくして、多くの人に訴える力があるのかどうか。
非常に難しいバランス感覚だが、見事にこの困難な戦時体験映画を商業映画として成り立たせ大ヒットに導いたノーランの手腕は見事だ。

ローチ
さん / 2017年9月30日 / PCから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  興奮 知的
  • 鑑賞方法:映画館
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