劇場公開日 2018年1月19日

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「テイストの違うディザスター」ジオストーム MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5テイストの違うディザスター

2018年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ディザスター・ムービーを何作も観てきた人には「いつもの感じ」の作品になるだろう。そんな安定の作品だが、主軸が過去作と異なる路線を走っていたところには好感が持てる。普通のディザスタームービーは、迫力ある映像を大げさに表現し、ビジュアルの衝撃を強める。ただ根底には環境破壊を続ける人類への警鐘の意味も込められているというものだ。本作はそれもさることながら、欲に駆られ独裁・支配を求めようとする人間の愚かさがかなり大切なテーマになっているようだ。
よって人物描写がかなり多く、主軸はサスペンスとなっているのが他作品との相違点だろう。本作ではかなりの犠牲者がでるのだが、災害描写は意外と少なめ。本当に映像を楽しみたいならば「イントゥ・ザ・ストーム」や「2012」の方が良いと思われる。正直、ディザスター映画を楽しむには災害映像を長尺で見たいという気持ちが現れるため、本編109分の本作、120分にして災害描写を増やして欲しい気持ちもある。しかし期待以上に楽しめた作品であることに違いはない。しかしながらこの手の作品、やはり突っ込みどころは挙げだしたらキリがない。長文になるため表記はしないが、こういう作品は頭を使わず与えられた映像を観ているのがベストなのだろう。最後にCGについてだが、天候管理衛星「ダッジボーイ」や災害映像はなかなかリアル。それもそのはずで、CG製作は「2012」や「アバター」のハイドラックスだ。しかし主人公がダッジボーイへ向かう際に登場したシャトル他、日本に巨大な雹が降り注ぐシーンなどシーンによってCG丸出しな感じがしてならない。日本で雹の襲来を受け、大破したであろうチューニングされたニッサン・シルビアS15などはモロCG感がある。予算の都合なのかどうかは知らないが、ややこのギャップが不思議だった。
個人的に肯定、否定双方の感情が両極端に現れたが、2018年最初のハリウッドのおバカ超大作としてはまずまずだろう。

Mina