劇場公開日 2016年9月17日

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「私の映画」映画 聲の形 hhelibeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5私の映画

2016年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

聴覚障害、いじめ、自殺、恋愛…
いろんなテーマが折り重なっている作品だから、観た人それぞれの経験や興味によってどこをクローズアップするのかは変わってくるだろう。
私にとっては完全に、ディスコミュニケーションの映画だった。

主人公の将也が校内すべての人間の顔に×を付けたあたりで号泣。
その後はずっとダラダラ泣き続けた。
泣きすぎて吐きそうだった。
これは私の映画だ。
だから、客観的に、冷静に評価することなんてできない。

映画を観て泣いてたのは今の私じゃなくて、
学校内の全ての人間の顔に×を付けて、俯いて、見下して、
でも誰かに手を差し伸べてほしくてしょうがなかった、17歳の私だ。

あの頃の自分が見たら…、多分受け入れられないだろうな。
そんなにうまくいかねえよ、って言うと思う。
でも彼女に言いたい。
今いる世界が、世界のすべてじゃないってことを。
いろんな経験をして、自信をつけることで、世界はどんどん広がるってことを。

ポスターのキャッチコピーにもなっている「君に生きるのを手伝ってほしい」の台詞が素晴らしい。
本当に生きるのがギリギリな将也だからこそ、嘘くさくない重さが生まれる。

それにしても、将也のお母さんの髪型はあれでいいのか…?

hhelibe