劇場公開日 2015年5月1日

  • 予告編を見る

「頑張る事、信じる事、諦めない事…それが、夢を叶える可能性」映画 ビリギャル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0頑張る事、信じる事、諦めない事…それが、夢を叶える可能性

2015年11月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

幸せ

萌える

「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」。
内容はベストセラーとなったこのタイトル通り。
話題の本に今旬の女優を起用した、ただのヒット便乗映画だろうと劇中の安田顕先生よろしくちょっと見下してたら、かなり面白かった!

笑えてホロリとさせて元気を貰える、ポジティブ・ムービー!
後味爽やか、素直に見て良かったと思える好編。
様々なメッセージや要素も巧く溶け込んでいる。

まず、学びの尊さ。
やっぱり、学ぶって大事。学業から離れて久しく経つと本当にそう思う。
学ぶ事によって知識・見解を深め、自分で考え答え、自信にも繋がっていく。
ああ、もっと勉強しておけば良かった…と思うようになる前に、学生の皆さんは学ぶ時期を大事に!
(TVなんかによく出るおバカタレントを見ると情けなくなってくる)

導いてくれる人の存在。
坪田先生、俗な言い方しか出来ないけど、何ていい先生なんだ!
主人公さやかだけじゃなく生徒のどんな小さな良い所を見つけ、褒め、一人一人真っ直ぐ向き合う。
生徒と話が合うように、ゲームやアニメやアイドルや生徒それぞれの趣味も勉強。
先生の名言が胸に響く。特に…
「ダメな生徒なんか居ない、ダメな先生が居るだけ」
生徒を信じる坪田先生を最もよく表した台詞だと思う。
生徒をやる気にさせる“坪田マジック”はまるで魔法、坪田先生はさながら現代の魔法使い!
伊藤淳史が好演!

家族愛。
最初ははっきり言って、崩壊寸前の家族。
父親は弟のプロ野球入りの事ばかりで、さやかとはほぼ絶縁状態。
弟は父親のプレッシャーに押し潰されそう。
唯一理解してくれるのは、優しい母親ああちゃん…なんだけど、個人的に、さやかの“ビリギャル”の原因は母親にもあったんじゃないかと思う。
「ワクワクする事だけやればいい」…その結果、勉強せず遊びまくり。
でもここで重要なのが、娘がそんな時でも決して見捨てず、娘を信じ続けた事。
塾に通う事も勧め、塾費の為に働き、常に味方、無償の愛。
さやかもああちゃんが自分の為に働いて稼いでくれたお金の重みを知る。
さやかの慶應合格は母との二人三脚。
そんなさやかの姿が崩壊寸前の家族の中で輝きを放つ。
プレッシャーに押し潰されそうだった弟を鼓舞し、父親とも…。
(問題だらけの家族の中で健気な下の妹にももうちょっとクローズアップして欲しかった)

さやかのギャル友たち。
勉強なんかいいから遊ぼう!…なんて言わず、応援し、後押ししてくれる友達こそ真の友。
皆、根はいい子。
表面上だけでクズの烙印を押す大人、劣等生は切り捨てる学校の体勢をチクリ。
(最近見た映画で全部ヤな役の安田顕だけど、こういう嫌みたっぷりの敵役居てこそ映画にメリハリつく)

そして何より、“可能性の原石”さやか。
多分、他の人が真似しても同じ事は出来ない。
何だ、結局夢物語か…と思うなかれ。
大き過ぎる夢でも、僅かでも可能性があるならば、それに向かって頑張る事。
勿論、挫ける時もある。
挫けたっていい。挫ける事も勉強だ。そこからまた頑張れる事が出来る。
決して諦めない事。
それらが可能性を叶える原動力、メッセージ。

直向きなさやかの魅力的な事!
言うまでもなく、有村架純が可愛い。
清純派の彼女の、金髪・ヘソ出し・生足全開のミニスカもしくはショートパンツ姿は必見!

実話とは言え、出来すぎで都合いい話かもしれない。
このサクセス・ストーリーの真偽を問うゴシップもあった。
だけど、これだけは言える。
可能性へ頑張る事、信じる事、諦めない事は本当だ。

近大