6才のボクが、大人になるまで。のレビュー・感想・評価
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12年後のボクへ‼️
この作品の主役はエラー・コルトレーンくん‼️世界で彼ほど幸せな人間は稀でしょう‼️なぜなら6才から18才までの人生の最も素晴らしい瞬間が、こんなにも素晴らしい名作映画として未来永劫残っていくのですから‼️この作品は6才の少年とその家族の変遷の物語を、同じキャストで12年間に亘り撮り続けた画期的な映画史上唯一無二な作品‼️決して衝撃的で超ドラマティックな展開があるわけではありません‼️人間誰しも経験するかもしれない様々な出来事を、12年分積み重ねただけです‼️両親の離婚、引越し、パパとのたまの面談、ママの再婚、義父の暴力、ママの再離婚、思春期、パパの再婚、ガールフレンドが出来たり、そして見つけたアート写真家という夢‼️これらを積み重ね、喜び、悲しみ、葛藤といった感情を挟み、一人の人間のパーソナリティの形成を完璧に、そして感動的に魅せてくれます‼️また、劇中に登場するイラク戦争やオバマ大統領の誕生、Xbox、ハリー・ポッター、コールドプレイといった出来事やカルチャーも時代の変遷を確実に伝えてくれてます‼️ホントにこの作品の存在自体がキセキ‼️でも主役のコルトレーンくん、カッコ良く成長したなぁ‼️ブサイクに成長しなくてよかった、作品が台無しになりますもんね‼️対するお母さん役のパトリシア・アークエットの変貌ぶりもリアリティ(?)があります‼️そんな先見の明もリチャード・リンクレイター監督は見事‼️この作品とリンクレイター監督には、是非アカデミー賞を獲得してほしかった・・・
家族の時間
子ども目線で考えれば大事件の連続。離婚、再婚、引越…DVまで。
でも、そこをあえてドラマティックに仕立てない。淡々となにげない日常場面を紡ぎ合わせていく。ゲームの場面、食事の場面、喧嘩の場面…。
家族って、そういう日常の積み重ね。血のつながりだけじゃない。戸籍の問題だけじゃない。
そして、事件が起こっても日常は続いていく。環境の変化(環境への適応)や大事件は、その人の人格形成に影響を及ぼしつつ、日常の中に埋没していく。
メイソンSrが、離婚(大事件)されても子ども達と別れられずにつかず離れられずしながら、再婚して(環境の変化)、少しずつ大人になっていったように。
メイソンJrが、そんな環境の中、周りに壁を作ってしまいつつ、周りの人々の影響を受けて自分の足で歩み出していったように。
そういう積み重ねを丹念に紡ぎ合わせた映画。
日常を淡々と紡いでいるドキュメンタリー?。是枝監督の『誰も知らない』のように設定だけを決めて、役者に自由に振舞ってもらった画を編集したのかと思った。
でも、パンフレットを読むと、映画のスタート時に大筋はすでに出来上がっていて、毎年撮影の為に集まる時のミーティングで皆から出たアイディアとか、子どもの成長に合わせた変更を加えるけど、カメラが回っている時点ではしっかりと作り込まれた脚本に合わせて皆演技していたと言う。まったくのフィクションと知ってビックリ。タイムラグがあるなんて思えない!!!ずっと家族として暮らしていたかのよう。
主役・メイソンJr.を演じたコルトレーン君は、オーディションは受けたものの、最初は監督が手取り足取り演技の指示を受け、セリフも丸覚えしており、よく覚えていないという。けれど、12,3歳ころからずっと強く認識するようになり、俳優業を続け、2021年には主要な役を演じた映画が日本でも公開されている。
はじめは自ら演じたいと希望した、姉を演じた監督の娘は、途中で興味関心が変わり、「私の役、死んじゃだめ?」ということもあったとのことだが、それでも12年間撮りきる。
なんという映画なんだ。
ドラマの中で子役が成長していく様子を見られるのは、是枝監督もパンフレットの中で指摘しているように『北の国から』や『ハリポタシリーズ』があるが、12年を1本の映画にまとめたところが秀逸。この場面、あの場面といろいろと入れたくはならなかったのだろうか?
しかも、紡がれているのは日常場面の連続でありながら、家族に何が起こっているか、それぞれの心境・関係性の変化、そうなっていく過程を、説明的台詞なしで、まるでリアルな家族の会話のような必要最低限の台詞だけで、表現していく。
笑ったのが、後半のSrとJrの会話。「それで要点は?」「要点なんかないよ」そう、これこそ日常的に繰り返される妻と夫の会話(ここでは父と息子の会話だが)。ビジネスライクに要点を求める夫にキレる妻。日常会話・雑談に要点を求めてはいけない。雑談なしでは関係性は繋げない。そんな家族の風景までもが描き出される。
なんて練り込まれた脚本・演出・編集!!!
なんてこと考えなくても、
甥っ子の成長を見守っていくような。
自分の子ども時代を思い出して泣けてくるような。
こういう熟成された映画を観ると心が温まる。
人生とは映画とは
映画が人生やら物語やらの一瞬を切り取るものであるなら、逆に映画を重ねて一続きの人生を現したらどうなるの?と言う普通の人なら考えない試みをこの監督はやってみたんだ。
見出された俳優たちは自然で映画なのか現実なのかわからないような感じ、演じている側なんてさも混同してしまっただろう。
見終わって何が残ると言われると6歳の僕のアンニュイな寝顔であったり、自分の人生の写鏡であったり、とても懐の深い映画だと思う。アメリカ人にとっては殊更。
メイソンが6才から18才になるまで。 同じキャストで12年間をとる...
メイソンが6才から18才になるまで。
同じキャストで12年間をとるってすごい。
それぞれの年齢で変わっていく心情をとても自然に描いていたのがよかった。
始めは父親らしくないイーサン・ホークがどんどん父親らしくなっていくのもよかったし、子供が巣立っていく時の母親の寂しく虚しい気持ちで泣いてしまう姿はぐっときます。
時間が流れている中に人生があるんだなぁって、そんなことをしみじみ感じた映画でした。
自分のことを振り返る
淡々とした人生の経過を見つめながら、その中で自分の人生と共鳴する点をどこかに見つけられる作品。
どこに共鳴するか、その思いが強いか弱いかで、評価が分かれる気がする。
12年の歳月の中で演者さんに悲劇が起きてないことが奇跡。誰にでも明日があるのが当たり前では無いなぁと思った。
きっと監督は撮り切れたことに感謝しつつ。でも、12年で終わりではないから、明日も続くんだと感じる終わり方が、あぁ、生きるってこんな感じだなぁって思えた作品でした。
監督の娘さんが良いね。
再び、人生を味わえる
同じ俳優達が、12年間かけて撮影したという、驚異的な映画です。驚異的なのはそこだけで、なんの事件も事故も無く、ただ不和な両親の元に生まれて、母親の転身に振り回されて、不幸と言えば不幸、何事も無いとも云えるかもしれない少年時代を、ただ描き続けた映画。普通なら少年時代、青年時代を別の役者が演じるところを同じ役者に演じさせたのは、ただひたすらリアルな人生を描くためだったのでしょうか。であるからこそ、生々しく感じるのか。ああ、そういえば、子供の頃ってそういうことあったよな、とか。国籍が違うし、お爺さんからライフルの撃ち方を教わったりなんかするわけ無いけど、父親からビートルズのことを熱弁されたりとか、姉と喧嘩ばかりしていた少年時代とか、ただひたすら、リアルな人生を味わうだけ。ただ、それだけの映画でした。
退屈と言えば退屈な映画かも知れませんが、何もおかしなこともない、どっしりとした腰の据わった良い作品だったと思います。
12年の歳月を165分に凝縮した作品。
6歳の少年が大人(18歳)になるまでの成長の過程を、
役者を変えずに、実際に12年という歳月をかけて撮った映画。
ハイリスクな企画だと思いますし、実現にこぎつけたのが
すごいですね。2時間半越えという長編なんですが、
長さを感じない。12年の歳月をギュッと凝縮した感じなので、
むしろ短かかったのかもしれません。
その12年の歳月の描き方なんですが、
ドラマチックな展開があるわけでもなく、映画としての
派手な演出もなし。少年の成長とその家族の姿を
淡々と映し出すだけ。それなのに、
大きな感動を与えてくれるという不思議な作品です。
子育てを終えた母親のセリフに泣かされます。
現代のアメリカ社会の日常はこんな感じなんだと思う、 離婚、再婚を繰...
現代のアメリカ社会の日常はこんな感じなんだと思う、
離婚、再婚を繰り返す母、定期的に会う父との付き合い方、
再婚相手の男たちのプライドと仕事がうまくいかなくて酒に溺れていく様とか、
それにしても誰もドロップアウトしないで最後まで作品に出演してきた俳優陣がすごい
誰かしら辞めると言い出してもおかしくない国民性だろうに
北の国から
12年かけて撮ったという予備知識があるから凄いと思うかもしれないけど、ドラマチックではない。
前半はまずまずでしたが、高校に入ってからの後半はありきたりのお話で飽きました。
とにかく長過ぎる。
「時間は途切れない」
12年を何度かに区切って行われた撮影
どんな風に役者が育つのか・
歳をとるのかわからなかったのに
12年後、皆それぞれの役に合った容貌に
なっています
子供にとっての12年間、
大人にとっての12年間って
重さが違う
監督の娘だという、主人公メイソンの姉
サマンサ(役)の子が、
こまっしゃくれたまま成長していて、
好ましかった
俳優たちのセリフや演技がとても自然でリアル
監督が書いたという脚本が素晴らしい
12年間、ブレていない
まるでどこかの家庭の日常のドキュメンタリーを
観ているような気分になります
なんでもイベントにしてしまう所とか
いろいろアメリカンな所が面白い
どうしようもない大人たちの、ダメさ加減が
いっそ清々しい
ダメ男ばかり掴んでしまう、メイソンの母
こういう人っていますよね・・・
その中で、イーサン・ホーク演じるメイソンの
元父親が、如何にもアメリカンなオトナらしい、
大袈裟な滑稽味を帯びた痛々しさで、
親らしく振舞おうとしていて
浮いているけど浮きすぎていない微妙な匙加減の
演技が良かった
メイソンが鬱屈した家庭への憂さ晴らしで
悪友たちとマリファナを吸う所、煙草でも
吸うような気軽さが、
アメリカのハイティーンらしい
今風美人の彼女とメイソンの距離感が
いい感じに離れている
結局予想通り別れたけれど・・・
(寝て、別れとする女の思考は分かる気がする
男は「これで目的達成」と思う、
女は「これで最後」と思う
ダメになるパターンのひとつ)
高校生のメイソンが、彼女とドライブした
時の会話
「人類を皆ロボット化して、世界征服」は、
幼稚な発想で、6歳の子供時代の影があって
面白いと思いました
(だから振られたんだな精神的にオトナの彼女に、
とも思った)
メイソンがアート・フォトグラファーを目指す
展開は12年の撮影中変わったかもしれない脚本の
後付けかと思ったけれど、
ラストのセリフで、最初から脚本をほぼ
変えていないようだと思い、
その一徹さに心を打たれました・・・
そしてラスト、
次の彼女になりそうな(そして結婚までいきそうな)
メイソンと一緒にいて、とてもしっくりくる
素朴な魅力の女性は
タップダンスを教えているという
その理由が
「流行っていないから」
というのがいいな、と思った
よくあるこういう展開だと、カップルに
なりそうなふたりが目線を外さないで会話する
事が多いけれど、会話しながらそっぽ向いたり
視線が交錯したり、同じような方向向いていたり
とても自然・・・で、徐々に距離感が近く
なっている感じ
だからきっと、このふたりは今後も
うまくいくだろうと思えた
この女性のセリフ
「どうしてみんな"一瞬を逃すな"って言うの?
私はなぜだか逆に考えちゃう、
一瞬は私たちを逃さない」
メイソン「分かるよ、時間は途切れない。
一瞬というのは・・・常に今ある時間のことだ」
この映画の作りそのものがまさにそうだし、
人生ってものもまさにそう
しみじみ、いい映画でした
息子の眼差し
主人公と息子が重なり、号泣しちゃうんじゃないかと恐る恐る見てみると、泣くというよりも、大人の身勝手さにわが身を振り返り、ヒリヒリしながら見入ってしまった。
大人の軽率な懲罰や指導から身を守るべく、お酒やマリファナに手を出したりしてバランスを保とうとし(はたから見れば非行だけど)、6歳のぼくが、本当に自然に18歳のまなざしになっていく。
お姉ちゃん(監督の娘)が、口紅を塗った後に上下の唇を合わせてパッと出す音を織り交ぜながらお母さんにたてつくおしゃまさとか、お父さんの一方的な野球観戦ノリノリのシーンと、その合間にじーっとマスタードマシーンでホットドッグ作っている息子のまなざしの動と静の違いが愛おしい。最初の空を見上げていた僕の目が、最後にこういう風景を見ながら言葉にしていくんだなとじわりと来た。
あとで予告編見直したら涙が止まらない。そうそう、こんなこともあったね、我が息子よ…と、申し訳ない気持ちになったり(アホ)。自分の思い出になってしまいそう。
厳しく、悲しすぎる大人の人生
12年間通して撮影しているので、4人の家族一人一人の細かい成長の過程が観ることが出来て、非常に面白かったです。特にパトリシアの変貌振りには驚いてしまいました。「トゥルーロマンス」で彼女に魅了された私にはちょっとショックでした。しかし!もしこれが彼女のこの映画に対する役作りだとしたら、ロバート・デ・ニーロも真っ青ですよね。さすがです。
若い子達は、この映画の主人公に色々共感できる部分は多々あるんでしょうね。けど、そんな時代をとうの昔に経験した私は、どうしてもメイソンの親の方に感心か湧いてしまいます。オリヴィアが最後に言い放った言葉「人生はもっと長いと思っていた」このセリフ 本当に心に突き刺さりました。まったくその通りです。学校を卒業して、就職したら、これから長く明るい、スリルに満ちた第2の人生が送れると思っていたら、実際は、仕事の忙しさに何もかも奪われて、訳がわからず成り行きで結婚して、子供の心配、家計の心配で、月日はあっと言う間に、何十年も過ぎて、子供が独り立ちする頃には、自分の残りの人生が切なく感じて、死ぬまでの自分の生活がはっきり想像出来てしまう。悲しいですよね。そんな悲しい現実が、この映画には、モロに現れている。少年、少女のハラハラ、ワクワクの人生の描写と平行に大人の厳しい現実とが描かれている。見方を変えれば非常に残酷な映画かもしれませんよね。「若者達よ!悔いのないように青春の日々を大事に生きろ!大人になったら、二度とそんな日は、戻らないのだから!」こんなメッセージも含んでいるかも。(そんなとらえ方、私だけですね)
こんな映画二度と作れないんじゃないだろうか
ある意味日本の『北の国から』のような……。
でもそれを、1年ずつではなく、12年分まとめて作品にしたところに監督の執念を感じる。
家族の在り方としてすごくリアルだったし、パトリシア・アークエットの受賞は納得。
人生は一つ一つの「瞬間」でできている
どの映画にも大きな事件や分岐点が描かれるが、この映画にはそこまで大きなシーンというものがない。しかしこの映画は素晴らしいのです。それはなぜか?
リアルな人生描写、登場人物への感情移入、
役者の演技…あげだしたらキリがないです。
毎日の生活のほとんどは平凡で変わりのない時間でできている。しかし人生の素晴らしさとはそのような時間のことだ。
そう思いながら人生を楽しんでいきたいと思いましたね。
2回目の鑑賞の時には少し早送りをしながら見ようと思いましたが結局普通に見てしまいました。なぜなら、
全ての瞬間に「大切」が宿っているから
長い人生の中で 6才は親から手を徐々にはなし 自分の世界を持ち出す...
長い人生の中で
6才は親から手を徐々にはなし
自分の世界を持ち出す時期で映画の始まりも
メイソンが空を見上げて物思いにふけっている。
そこから徐々に親に秘密が増えていき
最後は金銭的にも自立して大学の寮に入り
広い荒野で新しい友達と希望に包まれているところで映画は終わる。
大きな事件はおこらなくても映画って良いよね、って思える作品
観てて心地よかった
同じ役者で作品と同じ12年間かけて撮影したという事実で衝撃的だが、それ故役者を変えたり、特殊メイクをすることがないからか違和感なく、すっと作品に入り込めた。
映画を観るというよりかは、淡々と進む中で、主人公を優しく見守っているというのが正しいのかなと思った。主人公がグレることなく、軽くマリファナ吸うくらいの健全なアメリカ人で良かった。
独り立ちする18才までを描いて、この先というか、ここからさらに波乱万丈になるだろうし、続きが観たくなった。結婚して子供産まれるくらいまで観たかった笑。
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