劇場公開日 2015年11月14日

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「軟硬絶妙な芝居と演出」ローマに消えた男 Bluebeatbluesさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5軟硬絶妙な芝居と演出

2016年12月4日
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国政を担う政治家の失踪、俄かに焦りだす政党、というエピソードから始まる物語。失踪した主人公に代わり双子の弟が秘密裏に兄の代役を務めるのだが...
双子の性格の違いをうまくストーリーに反映していて、ある意味狂気とも思える弟の政治演説に盛り上がっていく民衆と政党。登場人物のココロの動きに重心をおいた脚本・演出に好感がもてた。ひとり二役を演じたトニ・セルビッロのややオーバーな演技も淡々と進むストーリーのなかでいいアクセントになっていたし、脇を固める俳優陣の演技も良かった。
軟硬絶妙な芝居と演出。陰陽、結末はどちらともとれる謎めいた感じではあるが、それはそれで、全篇を貫く表現の中に収まる首尾一貫した流れで良かったのではないかと思う。
邦題はあまりピンと来なかった。

Bluebeatblues