ローマに消えた男

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ローマに消えた男

解説

「グレート・ビューティー 追憶のローマ」などで知られるイタリアの名優トニ・セルビッロが、失踪した政治家とその替え玉になった双子の兄弟を1人2役で演じたヒューマンドラマ。イタリア統一選挙を目前に控えたある日、支持率が低迷しているイタリア最大の野党の党首エンリコが、突如として行方をくらませた。困り果てたエンリコの部下アンドレアは、エンリコの双子の兄弟ジョバンニを替え玉に起用。するとジョバンニは、ウィットとユーモアに富んだ言葉で瞬く間に世間を魅了していく。一方、エンリコはパリで暮らす元恋人ダニエルの家に身を寄せていた。共演に「フォンターナ広場 イタリアの陰謀」のバレリオ・マスタンドレア、「ふたりの5つの分かれ路」のバレリア・ブルーニ・テデスキ。「そして、デブノーの森へ」のロベルト・アンドーが監督を務めた。「イタリア映画祭2014」では「自由に乾杯」のタイトルで上映されている。

2013年製作/94分/G/イタリア
原題:Viva la liberta
配給:レスペ、トランスフォーマー
劇場公開日:2015年11月14日

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映画レビュー

3.5「問い」を残すサスペンス

2023年11月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

双子の入れ替わりを主眼に据えたサスペンス。双子の弟・エンリケが最大野党の党首なのだが、党大会で野次られるほどの支持率の低さ。
党大会って言ったら集まってるのは皆支持者だろうに、そんな場で罵倒されるっていうのはどんな気持ちなんだろう?
生き延びるために妥協を重ねたユーロコミュニズムとエンリケが重なるようで、憐れみ深い。

自分の居所を完全に見失い、国際大会をブッチ切って失踪するエンリケ。そこで急遽代打に抜擢されたのが、双子の兄ジョバンニ。
それってアリなの?!精神病院から退院したてのヤバめのおっさん(ド素人)だよ?!

替え玉ジョバンニの一挙手一投足にハラハラしつつ、フランスで昔の恋人に厄介になりながら平穏な生活を送るエンリケにほっこりする。

シリアスなのにコメディのようにも感じるのは、この97分間に食事のシーンが7回もあるからなのか。さすがイタリアだな!
でも、ご飯を食べるシーンがあるから、登場人物を地肉の通った人間に感じられる。

とにかく、双子を1人2役で演じているトニ・セルヴィッロが素晴らしい。そっくり(同じ人なのだから当たり前だけど)なのに、兄弟の微妙な違いを観ているこちらにストレスなく感じさせてくれる。

そしてラストシーン。
このシーンの解釈を巡って、我が家では旦那の意見が採択されたのだが、誰かと一緒に観る人は、是非、自分の意見を述べるといいと思う。
原題は「自由万歳!」だが、「ローマに消えた男」の方が、味わい深い。

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つとみ

4.5怖いくらい別人格の双子

2022年2月6日
PCから投稿

双子入れ替わり作品で良くあるパターンかと思いきや、まるで別人格の政治家。
裏表のようなザワっとする演技に引き込まれる。
ラストの意味深。
そして存在感ありありの秘書役:ヴァレリオ・マスタンドレア。
”おとなの事情”でなんとなくファンになってしまったのだけれど、
この作品で出会えるなんて♡。
彼って素敵なのに表情がどうしてもコメディになっちゃうのね。
どちらにしてもこの作品はお薦だ!

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miharyi

3.0地味におもしろい

2021年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

地味におもしろい映画。
言ってみれば終始テンションが低いわけで、この耐性があるかどうかでしょうね。無理な人は多いでしょう。

話しとしては突飛だが複雑さはないので飲み込みやすいと思う。替え玉で起こりえるミスを描かず、一貫してポジティブな展開。これはユーモアでもあるわけだがなんといっても地味。

また、そのユーモアは荒唐無稽と直結しているので、突っ込むと埒があかなくなる内容。

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okaoka0820

3.5ユーモアとウィットだけではどうにもならぬこともあるわけだが・・・

2020年11月18日
PCから投稿

「グレート・ビューティ」以来、トニ・セルビッロに魅了されてしまっている。この利よりの八の字眉毛に、ただそれだけにほだされてしまっている。政治家の役にはピッタリだ。イタリアの政治には全く関心も興味も沸きわしなかったけれど政治家の性質を知るには面白い映画だ。太平洋の向こうの国の大統領選挙のお祭り騒ぎと対比してしまったけれど愚かさを可愛げに変えてしまえるのは年寄の政治家にしかできないと痛感した。国の政の本質を見抜けぬ者は国をまとめることはできないしそれを知らしめるためには敵を明確に指摘するのは最も野卑で下劣な方法なのだ。攻撃する相手にはユーモアとウイットで返答しすかさず本意を突く言葉を投げるだけでいいのだ。
この映画の痛快さは、随所に散りばめられている。しかし、ラストほど絵にかいた痛快さはない。

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はる
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