ゼロ・ダーク・サーティのレビュー・感想・評価
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実話ベース
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主人公らはビンラディンを殺すために捕虜を拷問したりして情報を引き出す。
その途中でテロで仲間を殺されるなどの悲しい出来事も起こる。
そしてついにビンラディンが潜んでそうな場所を見つけ突入、殺す。
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アメリカらしい映画だと思った。
特に何が訴えたいのかも分からないし、ただ事実に基づいて再現しただけ?
アメリカとビンラディン、どっちが悪いかなんておれには言えないけど、
いずれにしても罪のない人々まで巻き込まれるのは悲しいことである。
正義なんかない
9.11を引き起こしたアルカイダの
首謀者ビン・ラディンを追い暗殺する指令で動いているCIA。
冒頭の非人道的拷問の様子から、すでにどこもかしこも
戦場なのだと思い知る。
能力を買われて投入されたはずの主人公も、
待てばかりいう上司と、さらにその上も
大統領に忖度してGOを出してケツを持つ気がない。
CIAでさえそんなしょうもない組織の動きなのかと
観ていてもがっくり。
現場は常に死の淵に立たされているというのに。
ドキュメンタリーではないので現実と違う面もあるのだろうけど
関係者から聞き取った話しから構築されたという
内容はリアルに迫っているんだろう。
アメリカ側はテロを起こす方が悪いというのだろうが
彼らもまた幼い子たちの前で
家族親族を殺しているのだ。
どちらにも正義なんてありはしない。
あれほど執念で追いかけたターゲットの骸は
ちっぽけで痩せた貧相な男だった。
はたして充足が得られるのだろうか。
泥沼だ。
7年間の執拗な追跡
総合:80点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:75点|音楽:65点 )
CIA分析官の若い女性が任務のためパキスタンに渡り、治安の問題から殆ど外出も出来ない環境で、命の危険を感じながら数年間を諜報のために費やす。実際に仲間を失い自らも襲われる。関係者から聞き取り調査をして書き上げた脚本は、CIAの任務の実態が見えて非常に興味をそそったし、その表現はなかなかに良く出来ていた。映画なので物語の内容の全てが正しいわけではないだろうが、質が高く上手い。緊張感もあり精神的に疲労困憊していく演出も良かった。『ハートロッカー』で見せたキャスリーン・ビグロー監督の手腕がここでもよく発揮されていた。
こういう題材だから一部の視聴者からは政治的な作品だと思われるのは仕方がないが、私としては知的好奇心をそそり緊迫感があり映画として十分に面白かった。アメリカの情報収集能力をはじめとする総合力の高さを見せられた。自分がCIAの監視対象になるほど大物でなくて良かった。今日も普通に電話も情報通信もできる。
拷問の場面は自国の恥を晒すことになるにも関わらず、堂々と取り入れていたのは良かった。それでも実際の拷問はもっときつかったのだろうと予想する。
目標の側近の医師を味方に引き入れようとして逆に自爆されて多数のCIA要員が失われる話は、以前に他の記録映像で見たことがある。その場面は重々しかったが、その実話がここに繋がっていてこういう背景だったのかというのがわかったのは興味深いし理解が深まった。
私が読んだ報道の記事では、ビンラディンに対する襲撃は絶対に情報が流出しないように秘密裡に行われ、任務にあたるシールズの兵士にさえも誰を襲撃するかを事前に知らせず、攻撃に向かう回転翼機の中で初めて目標がビンラディンと明かされたとなっていた。実際に襲撃前に情報を多くの人に共有していたら情報漏洩の危険が高まるので、恐らくはこの記事のほうが映画よりも正しいのだと思う。
また現実では襲撃は大統領がどうせ人違いだろうと半信半疑ながら許可したという話を聞いたが、映画の中ではCIAと軍隊は出てきても政治家がさっぱり出てこないのは何の意図だろうかと勘繰った。
主人公マヤは最後に高卒だと言っていたが、『レッドオクトーバーを追え』をはじめとするトムクランシー作品の主人公でCIA分析官ジャックライアンは博士だし、自分はCIAの分析官といえば少なくとも大卒だと勝手に思い込んでいた。高卒で入れるのかな。
最後の襲撃の場面は、実際の現場がいかに暗い中で行われたかを強調しようと他のだろうが、やたらと真っ暗で何が起きているのか解り辛い。兵士は暗視装置をつけていてその視線で撮影された場面もあるわけだし、ずっと真っ暗のまま音だけ聞こえているのは映画としてはいただけない。
「エリート」を「一人の女性」へと戻すラストシーンが素晴らしい。
○作品全体
主人公・マヤが中東に来て、ビンラディンに関する情報を探し、同僚を亡くし、目的を達成する。そのすべての結果を内包したかのようなラストの涙が素晴らしかった。
ラストのシーンまで、マヤが見せる感情に悲しみはほとんどない。ジェシカの死を知ったときでさえ、すぐにアブ・アフメドのことを追いかけだしていた。支局長にないがしろにされたときや、車を襲われた時、本部に戻ってきてからの時間など、マヤが挫折してもおかしくない状況は多々あった。それでも毅然と立ち向かう姿はまさしく絵に描いた「エリート」なわけだが、ラストシーンの涙がマヤを一人の女性に戻し、これまでのドラマの裏にあった悲しみを浮き彫りにしていた。
ビンラディン殺害のカタルシスだけでなく、追跡者としてのマヤをしっかりと一人の女性へと戻したラストシーンだった。
○カメラワークとか
作品のタイトルが指す「未明」。映像演出でも暗闇が鍵になるカットがしばしばあった。アブ・アフメドの存在の不確かさを示す演出は、アブ・アフメドの情報が出てくる様々な尋問映像を調べるマヤのシーンが印象的。事務室から出てくるマヤを捉えるカメラは、暗闇の通路からマヤが浮かび上がってくるように映していた。ビンラディン襲撃シーンの暗闇も時間の経過によって少しずつ暗闇が薄くなってくる演出が。SEALDs隊員の目がなれてくるのに併せて画面も明るく、というのもあるだろうが、目標達成への夜明けとも映る。
これら全てはラストシーンで輸送機から見える朝焼けと、閉じられていく輸送機の扉に繋がる。中東の明けた空と事件の解決。そして一人の女性に戻ったマヤは、その空とは違う空へと向かっていく。
現実の皮肉さには勝てない
Amazonプライムで鑑賞。
脚本開発中にビンラディンが暗殺され、止むを得ずその要素を入れざる得なくなったという、数奇な作品。
現場のCIA職員、ジェシカ・チャスティンが執念でビンラディンを追跡し、仕留める。
まあ実際に仕留めるのは米軍海兵隊なので主人公の出る幕はなく、その間は怪獣映画なみに蚊帳の外なんだけど、キャスリン・ビグローの無駄にリアルなミリタリー演出でついそれを忘れるっていう。
もしこれが空振りだったら180度違う結末になっていたわけで、現実に負けたとも言える。
対テロ戦争の終わりなき泥沼、というネタから行けば歴史改変しても良かった気もしますが、そうなったらアメリカ国内では公開できないだろうなあ。。
とはいえ捕虜の尋問(実質は拷問)の場面とか、突入時のビンラディンの家族とか、後味の良いものではないけど、オチがオチだけに愛国的なプロパガンダと言われても仕方ない面もあり、その意味でもモヤモヤ不可避。
個人的には捕虜の尋問について「違法なことはしていない」と答えるオバマを疲弊しきった主人公がTVで見る場面こそこの作品のハイライトだと思った。
冒頭、911を再現した助けを求める女性の声が流れるので、どこかで主人公がその声の主であると明かす場面がくるだろうと待っていたけど、ついになかった。ただの私怨だと強調すればまだプロパガンダ味が薄まったのに。
成り立ち上、無邪気なジャンルものに着地できず現実の戦争に直結してしまうところがこの映画の悲劇かも。
突入の場面、既視感を感じて思いついたのは「忠臣蔵」の討ち入りだった。
仇討ち、隠密作戦、敵の居所がわからない、多勢に無勢、討ち果たせば報われる、とか。
ただ、時代背景や相互の戦力差など前提となる要素が違いすぎて、ジャンルのパワーで否応なしに一定量アガるぶんだけ後ろめたさも倍増するという「アメリカン・スナイパー」と同じ陥穽にハマってしまう(あっちは西部劇だけど)。
暗殺成功に対するアメリカ市民の反応は「ニュースルーム」シーズン1の7話から想像できる。
911自体は確かにこれ以上ない悪意に満ちた惨劇だけど、これまでの加害を度外視して被害ばかり訴えるさまは滑稽でもある。死者の数で比べるのも無神経だが、それでも911の犠牲者は3000人弱。つい、これまでアメリカの戦争で死んだ一般市民の数はどのくらいだろうとか考えてしまう。
もちろんこんな話はアメリカではタブーなんだろうし、日本いうなら広島や長崎の原爆投下に置き換えられるだろう。
結局はどこまでが味方で敵かの線を引くかの綱引きに過ぎず、テロリストや国防関係者というほんの一握りの動向にその他大勢の市民が巻き込まれ、下手すると人生そのものを破壊されたりするという無残な構図そのものは、主人公がどんなに苦闘しようが変えられない。
そして敵を野蛮なテロリストとして遇すると、自動的に同じ野蛮さに落ちてしまう罠。あるいはすでに落ちていたことに気づかない罠。
現実が悲惨なぶん、カバーするためのまやかしやフィクションが入り込んでくる。なんだか「マトリックス」を地でいくような話。
「偉大な国」に危害を加える敵がおり、それを殺せば平穏が戻ってくるという大がかりなアメリカ的ストーリーを完遂したのは、民主党出身でノーベル平和賞受賞、リベラルの権化のような初の黒人大統領でしたとさ。めでたし。
繰り返す
主人公のイライラ演技が凄かったですね~。
上司に対して日本では絶対にあり得ないなぁ~。
とアメリカの自由を感じてました。
ラストは突入部隊になった様にドキドキ、息をのみました。
どっちの立場でも家族や友人が殺されたら復讐したいと思う。
永遠に終わらない。
あの子供たちが復讐しない為にも平和的な解決が出来ればいいのにね。
まだ平和ではない今の世界。
平和になればいいな。と願いながら✨
終始緊迫感溢れる展開
ビンラディンを殺害に向け、彼とつながりがあると思われる、アブアフメドという人物を執念で見つけ出す。
そこまでの過程で水責めといったCIAの非情な拷問シーンが見られる。結果的に、拷問によって有力な情報が得られたが、科学的な根拠はない方法を使っていた、関係のない人にも拷問をしていたということも頭に入れなくてはならないし、実際はもっと残酷で詳しくはザ・レポートを見るといいかも。
世間に拷問の事実がばれた後も、拷問できないから情報得られないみたいなこと言ってたが、正しい行為という認識だったのかな。
隠れ家への潜入シーンは緊張感が凄かったし、リアルなのかな。
登場人物の心情面、人となりはあまり描かれず、作戦の様子をメインに描いている気がした。
なので表情を読み取ったり、シーンをよく読み取らないとなと思った。マヤのパソコン画面が亡くなった同僚ジェシカとの2ショット写真だったのが切なかった。
ビンラディンを殺害し作戦が成功したが、マヤの表情は晴れやかではなく、涙を流した。
ジェシカは帰ってこない。武力で倒したところで次のビンラディンが出てくるだろうという絶望感からか…
分析官?
アメリカのこういう映画では、最前線によく女性のスタッフがいるが、事実なんだろうか?
いつも気になる。
そういう設定で過酷な現状を知って正気を失っていく的な。
今回の映画では、正気を失っていく的な部分がグッと来ない。
最初から常に淡々としてて、拷問の主導権が替わっていくところもよくわからなかったし。
ビンラディン討伐へ 10年越しの執念
恐らく得られた事実・証言を、可能な限り描いた作品なんだと思います。
1人の女性の執念が、ビンラディン特定を成功させたように脚色されています。本当に1人だけだったのかどうかは分かりませんが、CIA内や政治家の温度差から来る苦労を感じました。
拷問シーンは結構エグいです。でも駒をひとつひとつ進めなければ、辿り着かなかったのかも知れません。
襲撃時、ビンラディン宅へ近寄る近隣住民に対し、英語の警告の方が効果的だったのが、実際の国民感情を表しているようでした。
最後の涙は…解放と安堵の混じった虚無感でしょうか。執念の復讐の先に目的地はないようでした。その証拠に、テロ集団ひとつを追い込んでも後釜は絶える事なく、今ではISなる組織に苦しめられています。
まるでドキュメンタリー
観ていてとても辛かったです。
最後のビンラディン射殺のときに子が目の前で人が死ぬのを目の当たりにしたのは大変ショックでした。そして最後の涙は何だったのか今でも気になります。
緊張感溢れる映画でした。
パキスタンは
いきなり外国の軍が舞い降りてきてドンパチ。
主権侵害されまくりのパキスタンは
この作戦のあと慰謝料、迷惑料もらえたのでしょうか。
それ思うと夜も寝られなくなっちゃう。
生け捕りも可能かと思われた状況ですが
(足を撃ってとか)
でも殺してすぐ海に捨てるより生け捕りにして
裁判にかけるとより神扱いされてしまうだろうなあ。
冗長という意見もありましたが前に見たテレビ局作成の
ドキュメンタリーをBSで見てましてそれに比較しながら
半分ドキュメンタリーのつもりで退屈しませんでした。
常にそこには人間がいる
最初の拷問場面で、ちょっと気分悪くなりました。
でも、CIAの人も仕事だからやっている。
あの拷問部屋を離れれば、普通の人になる。
どちらの側にも憎しみがある。
同胞を殺される痛み、そこから生まれる憎しみ、
復讐のループができてしまう。
でも、そこから逃れる方法がみつからない。
テロを止めるには。悪いやつを殺さなければならない。
主人公はその信念だけを頼りに執拗にビンラディンを
追いつめていった。
拷問は倫理的に間違っている、
何も殺すことはないじゃないか
と非難することは簡単かもしれないけれど、
あそこで人を殺してでも目的を完遂しようとする人々は
そんなことわかった上でやっている。
その救いようのなさ、悲しさが画面から滲む。
目的を達した後も、結局は何も得られないのだと
最後のマヤの涙が語っている気がします。
これは、反戦だし、反暴力映画だと私は思いました。
秀逸です。
答えはないけれど
見て、自分が何を感じるか
噛みしめたい映画だな。
悪魔降臨
ビンラディン殺害映画。
やられたらやり返そう!
我が国に攻撃してきた悪魔を探せ!見つけたら殺しちゃうんだい!
という悪魔の仕事をこなした人達をとても緊張感ある雰囲気と映像で見せてくれる映画でした!
最後のチャステインの表情はビグロー先生が出した観客への宿題です。
CIAを助けたのがランボルギーニだったとは!
高級カーは世界を救うのか?
50年前の映画と似ている
これを観た時に
約50年前の映画『アルジェの戦い』に似ていると思った。
時代も国も違うし、一緒にするのは間違いだと分かっているのだが…。
『アルジェの戦い』は1950年代のフランスとアルジェリアの争い、
本作はアメリカとアルカイダの対立、
歴史的背景も全く違うのだが、それでも似ていると思った。
テロ頻発→拷問によるテロ容疑者の捜索→居場所を突き止めてテロのリーダーを襲撃
という流れが同じ。
実際にあった事件を元にしているのも同じ。
拷問に対して自国他国から批判が集中するのも同じ。
一番似ていると思ったのは、
テロのリーダー捕獲の際に、現地の人が遠巻きにその様子を見ている事。
無言のまま、捕獲する側の暴力を見つめている。
歴史的背景も意味合いも全く違う2つの映画なのに
見比べると、どうしても
「歴史は繰り返す」
という言葉が浮かんでくる。
50年後に『ゼロ・ダーク・サーティ』を観た人が
「歴史は繰り返す」などと思わない世界になっている事を願う。
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この映画『ゼロ・ダーク・サーティ』が優れているのは
歴史的大事件を扱いながら、国家の視点ではなく
一人の女の視点で物語を描ききったことだろうか。
国家の正義ではなく
一人の女の復讐劇、感情を描く。
国家の正義には嘘があるかもしれないが、女の感情には嘘がない。
だからこそ、このギリギリの題材で感動を呼び起こすのだと思う。
緊迫感が凄い
爆発のたびにびっくりして椅子から1センチ位飛んだ。
同僚が内通者の車に近づいた時、もろ爆発フラグ立ってたけど、
やっぱり飛んじゃった。
主人公が少しずつ鬼になっていく様が凄まじいです。
お肌もだんだん荒れ荒れになっていってました。妙にリアル(笑)
最後の突入の場面は凄いです。息苦しいくらいの緊迫感でした。
クライマックス凄い
突入まで眠くて眠くてちょっとウトウトしてしまうほどだったんだけど、クライマックスの突入からは目が覚めるほどの面白さ。敵を撃って倒れているところにとどめの銃弾を撃ち込むところに米軍のリアルな怖さを感じた。作戦はちょっと間抜けなところもあるけど、そこがまたリアルであった。
前作超えてきた
前作のハートロッカー超えてきましたね。
やはりキャスリンビグローの映画は臨場感がアツいです。
暴行シーンや爆発シーンは他の映画にはない彼女らしさがとてもでていました。
CIAの描き方もそこいらのアクション映画とはまた違いますね。
この映画は内容的に賛否両論らしいですが政治的,民族的な考えで観るのではなく,映画としてみてほしいです。映画告知がアメリカさまさま感だしてるから悪いんですよ。
観てよかった。
捕虜へのアメとムチを上手く使った心理戦からの情報収集。
その情報を片っ端から調べ上げて行く過程での様々な出来事。
そして史上最高の訓練を受けた兵士たちの襲撃シーンは実践もこのように淡々と進められているのだろう…
ウソか本当か判らなくなるような妙な錯覚に陥ってゆく…
古代兵士の大軍勢が朝靄の中からザクザク出てくるようなまるでレスピーギローマの松のアッピア街道のようなBGMが水面下での現代の戦いを静かに表現する…
爆発シーンが何度もあるがとても静かな映画に感じた。
なんとも重い気持ちに…
真実の物語ではなく、証言に基づいて作られた物語。
正直なところ観賞後の感想はスッキリしたものではない。なんともモヤモヤした気持ちを抱いたまま劇場を後にした。
この作品も前作「ハート・ロッカー」同様、作り手が答えを用意するのではなく、観た人各々が答えを出すカタチになっていると思うが、あるひとつの疑問を抱かせる方向で終わっているようにも思う。
あくまでも私個人の感想だが、
ビンラディンとされる男が100%本人であるという科学的証拠は何一つ示されてはいなかった。
ラスト、リアルタイムでストーリーが進行する中、兵士が射殺された男の名前をその場にいた女性や子供に確認する場面があるが、そこでもビンラディンの名前は一言も出てきていない。
あくまでもビンラディンらしき男なのである。
「疑わしきは皆殺し」……そう感じてしまった。
あれほど慎重だったホワイトハウスなのに、100%本人であるという証拠も無いまま見切り発車的にゴーサインを出してしまった。
しかも劇中、最終的に本人確認をしたのはマヤの目視のみ。
明かに私怨と憎悪と執念に駆られたと思われるマヤの目視だけでは、その男が間違いなくビンラディンであるとはどうしても思えなかった。
もし本人であることの科学的証拠が示されていたなら、この映画の感想は全く違うものになっただろう。
それほど重要なことが抜け落ちているために、この映画の感想は、スッキリしないイヤなものになっている。
もしこれが事実なら、アメリカの敗北ではないだろうか?
そんなふうに考えてしまう。
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