悪魔が呼んでいる

劇場公開日:

解説

自分の意志、行動にかかわりなく黒い影につきまとわれる不安から生じるスリルとサスペンス。角田喜久雄の原作「黄昏の悪魔」から「野獣の復活」の小川英が脚本化、監督は同作の山本迪夫。撮影は「豹は走った」の原一民が担当。

1970年製作/75分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1970年7月4日

ストーリー

江原ユリはある日突然訳もなく旅行社を解雇された。恋人に相談にいっても、理由もなしに絶交を言い渡され、管理人からもアパートを出るよう言われ、途方にくれた。不可解な出来事はさらに続いた。新たに受験した中央文芸社からは合格していたところが不採用の通知、絶望のあまり勤めたバーでも、一人の客が財布を紛失、疑いの目はユリに集中した。そんなユリをじっと見つめている一人の男がいた。やがてその男、藤村はユリに結婚を強要してきた。しかし、翌日、藤村は胸に短剣を突きさされて、謎の死をとげた。恐怖におののいたユリは中央文芸社受験の時、知り合った浦辺に、すべてを打ち明けたが、彼は半信半疑だった。途方にくれるユリは一組の男女に連れ去られた。ユリは、次第にこの不可解な出来事の実体が、見えてきた。どうやら、財閥、段原正作が遺言で見も知らぬユリに大金を残したらしい。そのことに感づいた親戚連中。つまり元男爵の片桐、その甥後宮、やくざの八十島らが欲の皮を張り合いながら、ユリの争奪戦を演じたというわけだ。やがて、この醜い争いの果てに、後宮、八十島が死んだ。監禁されていたユリも命からがらに逃げ出したが、いまや、藤村殺しの容疑者とされていた。そのユリを浦辺は、なんとか遺言書を手にいれぬかぎり、ユリの無実は証明できぬと考え、ユリを段原の家へ誘った。出迎えたのは、遺言書の立合人と称する女中頭の志乃だった。彼女の話によれば、段原が生前、団体旅行の際、ユリの善意に甚く感じ入り、大金を残したということであった。その時片桐が、猟銃を構えた召使いとともに現われたが、志乃のもった毒にあっけなく倒れた。そして、志乃はすべてを白状した--この老婆は、じつは段原に五十年間つくした妻だった。しかし夫の気まぐれな思いつきのために見事にうっちゃりを喰った。その悔しさをいま思いきり、高笑いとともに発散させる。この老婆の形相はしだいに狂女の顔と化していた。

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