恋の凱歌(1922)

解説

「キイン」「巴里夜話」と同じく我国に始めて輸入せられたフランスアルバトロス映画で露仏合同して製作した。『勝ち誇れる戀の歌』という題で既に翻訳が出ているソ連の文豪ツルゲーネフ氏の夢幻的小品を「千一夜物語」と同様にロシア人のヴィクトル・トゥールジャンスキー氏が脚色監督し艶麗極まりなきナタリー・コヴェンコ夫人が主演したもの。ジャン・アンジェロ氏と「蒔かれた種」のローラ・ノルマン氏との二人の腕利きが相手役として出ている。無声。

1922年製作/フランス・ソ連合作
原題:Le Chant de l'Amour Triomphant

ストーリー

ルネサンスの華香る頃、イタリアフェラアルの地に画筆に堪能のファビオと音楽に秀でたムツィオという二人の若い貴族が居た。二人共に美貌と淑徳に名高きヴァレリアを恋したが遂にファビオが恋の勝利者となったのでムツィオはその恋を約の如くに断念して東方に船出した。四年の後ムツィオは不意にインド人を従者として幸福なる一人の前に現れた。ムツィオは東方の魔法を修得して来た様に見えた。彼がセイロンで教わったという曲「勝ち誇れる恋の歌」をヴァイオリンに乗せる時に二人の魂は怪しく震えた。それは魂を誘う悪魔の調べであった。ヴァレリアはその曲の聞こえる度に魔に襲われるのであった。ファビオは遂に懊悩と憤怒との余りムツィオを刺した。呪いは釈けた。インド人は死んだムツィオに術を施し死者自らに馬に乗らせて此の地を去って行った。ヴァレリアとファビオとは再び幸福であった。がインド人は何処に主人の屍を運んで行ったのか何処に埋めたのか、それは誰にも知らせずに終わったのである。

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