夜のダイヤモンド

劇場公開日:

解説

チェコスロヴァキアの作家アルノシュト・ルスティクが、自らの体験にもとずいて書いた小説『闇に影はない』(一九五八年発表の短篇集『夜のダイヤモンド』より)をチェコの新進ヤン・ニェメッツが監督した長篇第一作。脚色は原作者アルノシュト・ルスティクと監督のヤン・ニェメッツの二人。撮影はヤロスラフ・クチェラ、編集はミロスラフ・ハーイエックが担当した。出演はアントニーン・クムベラ、ラディスラフ・ヤンスキーほか。

1964年製作/チェコスロバキア
原題:Demanty Noci
配給:ATG
劇場公開日:1968年9月14日

ストーリー

ユダヤ人をつめこんだ貨物列車が山間を進んでいく。列車のスピードが落ちたとき、二人の少年が脱走した。警備兵の銃火をのがれ、死にものぐるいで山道をはいあがっていく。朝から、なにも食べていない。口をきくのも億劫なほど疲れていた。だが一刻も早く、そして人に出会わないようにしてプラハに着かねばならないのだ。プラハに着けば、そこにはきっと自由がある……。先にたって歩く第一の少年の靴は、もう泥だらけだ。だが第二の少年は靴もない。彼は貨車の中で、自分のドタ靴と、カブラ一切れと交換してしまったのだ。森の空地で眠り、疲れきった身体をひきずるようにして歩く二人。痩せ細り、目だけが血走っている。やがて、なだらかな丘にでた二人は農夫を見つけた。そして、その男に弁当を持ってきた農婦のあとをつけた。食物の匂いがする。白い縁飾りのついたテーブルクロス、整理された食器戸棚--こんなにも幸福な生活をしている人間が、まだ、この世にいるのだ。少年は頭がクラクラした。この農婦を殺さねばならない。そして食物を奪うのだ。だが殺すことはできなかった。食物をもらい、二人の少年は、再びプラハを目ざして歩き始めた。急がねばならない。あの農婦が密告するだろう。やがて二十人ほどの老人が銃を持って追ってきた。だが、このときは二人は逃げのびることが出来た。松林の間から街道を発見した二人は、通りすがったトラックに乗り込もうとしたが、足を痛めた第一の少年は自動車に追いつけなかった。倒れた第一の少年を起した第二の少年の前に、拳銃を手にした村長と、彼にひきいられた老人たちが現われた。村長の事務室につれていかれた二人。やがて表につれだされた。第一の少年に肩をかす第二の少年。そして森に近づいた時、二つの乾いた音が鳴りひびいた。ついにプラハヘ行きつけなかった二人の少年。夜の森の中に、ほっそりとした影のように倒れこんでいった。

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