別動隊

劇場公開日:

解説

マーサ・オルブランドのベスト・セラー「真夜中過ぎ」をロバート・ソーレン(「熱血児」)が脚色、「囁きの木蔭」のミッチェル・ライゼンが監督した1950年映画で、製作は「戦乱の花嫁」のリチャード・メイボウム。撮影は「熱砂の秘密」のジョン・サイツ、音楽はヒュウゴオ・フリイドホファ。「密輸空路」のアラン・ラッド、「狐の王子」のワンダ・ヘンドリックスを中心に、「特ダネ女史」のフランシス・レデラー、「ジャングル・ブック(1942)」のジョセフ・カレイア、セリア・ロヴスキイ、アンジェラ・クラーク、ジェーン・ナイらが共演。なお本作品は50年度アカデミー歌曲賞の「モナリザ」を使用。

1950年製作/アメリカ
原題:Captain Carey U.S.A
配給:セントラル
劇場公開日:1951年7月10日

ストーリー

1944年。北伊太利に降下した米国のOSS(戦略事務局員)ケイリイ大尉(アラン・ラッド)は、戦友とともにド・グレフィ伯爵の古城にたてこもり、パルチザンを仲間に秘密計画を実行していた。ケイリイは城の娘ジュリア(ワンダ・ヘンドリクス)とひそかに恋を語る仲だったが、ある夜裏切者のために城は独軍に占領され、傷を受けたケイリイは気絶したまま九死に一生を得て、故国に帰還することができた。終戦後、彼は街でかつての隠れ家にあった1枚の風景画をみつけ、これをアメリカに持ち出した者こそ裏切者にほかならないと気づいた彼は、直ちに思い出の古城に向かった。ケイリイが傷を受けた時多くのパルチザンが独軍に殺されたので、村人たちは深く彼を恨んでいたが、彼が真相を調べに来たことを知ると次第に軟化する者も出てきた。古城へ行ったケイリイは、死んだと思ったジュリアがまだ生きていて、ド・グレフィ男爵(フランシス・レデラー)の妻になっていることを知った。彼女の嘆願で、ケイリイは裏切者の調査を始めたが、事件の鍵を握る者は次々に惨殺され、ケイリイ自身も警察から狙われる身になった。ある夜男爵からジュリアが裏切者だと聞かされたケイリイは彼女を詰りに古城へ乗り込み、そこでかえって男爵こそ裏切者であった証拠をつかみ、大乱闘の末、彼を殺した。村人の称讃のうちに、ケイリイとジュリアには明るい未来が開けるのであった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

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映画レビュー

3.5横溝正史の犬神家の一族の元ネタ?

2019年7月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

挿入歌のモナリザが超有名
ナット・キング・コールの唄うものが大ヒットしていますが、本作の中ではいきなり冒頭で端役が一節唄うだけです
劇中何度もこの曲のアレンジが演奏されますが、実はロマンチックな愛の歌ではなく、レジスタンスの敵接近警戒せよの合図の曲です
なので映画音楽大全集にはよく収録されている、この美しい曲を堪能しようと本作を観ても肩透かしでがっかりすることになると思います

お話は戦中の裏切り者を探しに4年ぶりに北イタリアの湖畔の田舎町に元米軍大尉が戻って来ると、それを切っ掛けに連続殺人事件が起こるという内容です

これ横溝正史のあの超有名小説犬神家の一族みたいだと思いませんか?
犬神家の一族は本作公開の翌年1951年の発行ですから、もしかしたら本作が元ネタだったのかも知れません
伯爵夫人の老姉妹、戦中のナチの報復で村人が28人殺された因縁とかとかかなり符号します

映画自体は主人公をかなり偉そうで高飛車な解釈で主演の役者が演ずるので感情移入しづらい上に、演出も悪くクライマックスでのカタルシスが不発です
ヒロインも大して美しくないので、彼女にこだわる主人公に説得力もない残念な出来映え

原題はケリー米軍大尉という素っ気ないもの
それを邦題は別動隊としています
主人公はCIAの前身組織OSSの敵地潜入部隊のリーダーであるのでそれを指しているものと思われます
しかしどちらにしても内容を的確に表現できているとは思えません

名曲モナリザに免じて星半個オマケです
なんだか横溝正史の金田一耕助シリーズを読み返したくなりました

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