劇場公開日 2013年12月13日

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「SFの大傑作」ゼロ・グラビティ garuさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0SFの大傑作

2021年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 今まで観たパニック・サスペンス系のSF映画の中でも、3本指に入る。 多くの賞を受賞しているのは、納得だ。

 登場人物は、最初から最後までサンドラブロックとジョージクルーニーの二人だけ。 そのため、宇宙空間での人間の無力さと絶望感が、よりひしひしと伝わってくる。 冒頭はのんびりした宇宙船外活動のシーンから始まるのだが、事故が起こるまでの展開が、あれよあれよという間に進んでいく。 そこから最後までは緊張の連続で、一瞬たりとも目が離せない。

特筆すべきは、その演出にある。

 映画の中心に据えられているのは、登場人物の二人よりも、むしろ宇宙空間そのものだ。 最初は、無重力と静寂が心地の良い母体の中のような落ち着きを感じさせてくれるが、 超高速のクラッシュが発生した途端、一気に生命感の無い暗黒が画面を占有していく。 特殊効果による宇宙空間の映像表現が、とにかく凄い。

 事故の激しさを演出するための爆発音や、役者の大げさな叫び声などは、一切排除されている。 冷静さを保とうとしながら、やるべき作業について無線で連絡し合う二人の会話だけが緊迫感を高めるのだが、この演出が効いている。

 素晴らしい演技でアカデミー主演女優賞を獲ったのは、サンドラブロック。 ジョージクルーニー演じるベテラン宇宙飛行士も、彼にしかやれないはまり役。 ラストシーンは感動的で、特に素晴らしかった。 脚本、演出、撮影、特殊効果、音楽、演技、すべてが噛み合い完成した、傑作中の傑作だ。

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Garu