劇場公開日 2012年7月21日

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The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛のレビュー・感想・評価

全8件を表示

4.0人として、必ず観て欲しい。愛という深い深い意味に溢れる涙が止まらないでしょう。

2021年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ずっと観に行きたかった作品。初めてだった、退館してプログラム買う時も涙がどうしても止まらなくて売店の女性に不可思議な顔されたのは。日本人1人1人が当たり前に毎日享受している「民主主義」のかけがえない尊さを心から感じて涙が止まらなかった。実話だからこそ心にグサッと突刺さる最高のラブストーリーでもある。内容は語りません、でも映画好きな人ならば必ず、映画好きでない人も1人でもいい、必ず観に行ってほしい・・・。
人として、必ず観て欲しい。愛という深い深い意味に溢れる涙が止まらないでしょう。

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masayoshi/uchida

4.0貫いた自由と信念と愛

2017年8月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

ビルマ(現ミャンマー)を軍事独裁政権の圧政から民主化へ導いたアウンサンスーチー。
ノーベル平和賞、幾度もの自宅軟禁など日本でもつい最近まで度々ニュースで取り上げられ、何をしたどんな人かは大まかには知ってはいたが、改めてじっくりと知るには実にちょうど良い作品であった。

父はビルマに命を捧げた英雄。だから娘もずっと政治の中心に居続けたと思いきや、そうではなかった。
イギリスで暮らし、妻であり母であった。
母の看病の為、故郷へ。
国民からすれば、英雄の娘が帰ってきた。期待するのも無理はない。
しかし当の本人からすれば、自分に父と同じような事が出来るのか。政治経験も無く、長らく外国で暮らし、一介の妻で母である自分が。
が、祖国に戻ってこの目で見た祖国の苦しみ。
祖国を愛する気持ちは自分も同じ。
父は祖国に命すら捧げたのだ。
殉教者になれという訳ではない。
父は祖国の為に尽力した。ならば自分も…。

アウンサンスーチーは非暴力を貫く。
彼女の父は暗殺されたが、暴力に暴力で対したら、殺し合いになってしまう。
暴力に対する最大の戦いは、非暴力。
争いの火種である悲しみ、憎しみ、怒りに非暴力で打ち勝て。

それと対比するような軍事独裁政権。
赤いスカーフは殺す権利がある印だ、と軍人。
現将軍は非情にも配下の者を殺す。
こんな普通ではない世界が、ほんの遠くない過去に、ほんの遠くない国で起きていたのだ。

意表を突かれたのは、監督と主演。
監督がリュック・ベッソンなのが公開時から驚いていた。
最近、監督作も脚本作も生温い作品続くが、間違いなく近作ではベストワーク。
さすがにアウンサンスーチーの長い戦いを2時間強に収めるには無理があり所々ダイジェスト的で、軍事独裁政権もちょっとB級チックな悪役描写だが、サスペンスも織り込み、熱と力がこもった演出。
ベッソンは強い女性を描く事が多い。だから案外本作は意外でもないのかもしれない。

ミシェル・ヨーがアウンサンスーチーを熱演。
ミシェル・ヨーと言うとどうしてもアジアを代表するアクション女優としてのイメージが強いが、アウンサンスーチーの内面の強さ、凛とした魅力、一人の女性としての弱さをも体現。
アクション女優としてではなく、人間的な芯の強さを溢れさせ、ミシェル・ヨーのキャスティングもまた意外ではない。

夫役デヴィッド・シューリスの好助演も忘れてはいけない。
国の指導者となる妻を、全力でサポート。傍に居る時も、離れている時も。
ふと思ったのは、妻の志を否定するシーンと無い。
いや、全く無かったという事はあるまい。何処の世界に、妻を危険な渦中へ放り出す夫が居るものか。
妻の事は勿論何より心配している。
そして誰より、妻の事を理解している。
それらを滲ませる好演。次いでに、双子の兄弟役で一人二役!

話は小難しい政治云々より、家族愛や夫婦愛を主軸に据えたのは良かったと思う。
アウンサンスーチーを苦しめる軍事独裁政権の圧力。
それを政治的弾圧で見せてもなかなかに伝わり難い。
多少メロドラマ的になっても、離れ離れにさせられる家族で見せた方が万人に伝わる。
長い軟禁生活。夫や子供たちに会う事すら出来ない。
つまりそれは、妻が居ない夫、母が居ない子供たちでもある。
やがて夫が病に冒されている事が分かる。
死の床であっても会う事は許されない。
選択を迫られる。家族か、祖国か。
喚き泣くアウンサンスーチーの姿は胸に迫る。

現在に至るアウンサンスーチーの活動に関しては詳しくはない。
調べると、アンチ派も少なくないようだ。
が、幾度の悲しみや苦しみを乗り越えた自由と信念は真のものだ。

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近大

3.5Steel Orchid

2016年3月21日
iPhoneアプリから投稿

サッチャーさんが鉄の女なら、アウンサンスーチーさんは鋼の蘭。彼女の志の強さは言うまでもなく、ご主人、息子さん達の苦労も大変なものだったことが伺えます。

将軍の娘という宿命だったのでしょうが、当初民主化運動を先導することに消極的だった彼女が、指導者として立ち上がるまでの過程と決心が省かれていた所だけ残念でした。

史実モノは事実の羅列で中途半端になりがちな印象があり、あまり期待していなかったのですが、映画作品としても気合いが入っていて良作だと思いました。

追記: 新政権発足おめでとう!

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everglaze

4.0アウンサンスーチーと夫の過酷な愛の話

2015年10月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

難しい

総合:80点 ( ストーリー:75点|キャスト:85点|演出:80点|ビジュアル:75点|音楽:75点 )

 色々と批判もあるノーベル平和賞だが、アウンサンスーチーは文句なしのそれにふさわしい受賞者だ。香港映画をはじめとして派手な活劇で魅せてくれていたミシェル・ヨーが、ここでは活劇封印で真面目に彼女の役を演じていて、見た目も含めてなかなか良い出来だった。またこれはアウンサンスーチーの民主化への政治闘争の話でもあるが、それ以上に家族の話でもある。夫のアリス博士役のデビッド・シューリスの出来がまたとても良くて、彼女を支えた彼の大きな貢献も見て取れた。
 軍事政権の無茶な独裁の描き方も生々しかったし、常に緊迫感があった。だが何故彼女が殺されなかったかは理由が示されていたが、ミャンマーの民主化の過程についての描写は足りない。普通は独裁政権は選挙などやらないか、やっても独裁政権が圧勝したことになる名目だけの選挙になってしまうもの。何故これだけの独裁政権なのに選挙がしっかりと行われたのかについての理由が示されなかったのは残念。

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Cape God

4.5題材からして高評価、マイナス点なしはさすが

2014年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

知的

幸せ

これ以上ないと言える高素材の映画化。アウンサンスーチー。
どう切り取ってもドラマティックでおそらく多数の制作が映画化に名乗り出たに違いない。
監督にリュックベッソンというところにエンタメ的政治力が働いたのを感じる。
時間軸の飛ばし方、切り取り方には賛否あると思うが、二時間弱に収めた、ばっさりといっていい編集は評価出来ると思う。
撮る人が違ったらだらだら前後編もあり得たでしょう。
家族にフォーカスしたのは、多少なりとも本人側の意向を汲んでのことではないだろうか。思想家、政治活動家より、一人の女性として。

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okaoka0820

4.5献身的な夫の『愛』の物語

2012年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ビルマ(現ミャンマー)民主化の指導者アウンサンスーチー氏の半生を描いた作品。主に、1988年のアウンサンスーチー氏がビルマ(現ミャンマー)に戻る事になった出来事から、1999年夫マイケル・アリス氏の死の辺りまでを描いている。(その後の、二回目の自宅軟禁以降はあまり描かれていない)

アウンサンスーチーと言う、あまりにも有名な存命する実在の人物をミシェル・ヨーが演じたわけですが、似てますねぇ。“完コピ”です。もちろん彼女は、元々ビルマ語は出来ないのだと思いますが、練習してビルマ語のセリフもこなしていました。

でもこれは、アウンサンスーチー氏の映画というより、彼女を遠くから支えた夫のマイケル・アリス氏(と、アレクサンダーとキムの二人の息子の)物語と言うべきだと思います。それほどまでに、これまで日本ではあまり知られていなかったマイケル氏の献身的な彼女への支持が描かれています。マイケル氏の支えがなかったら、アウンサンスーチー氏も、途中で心が折れていたと思います。

感動とか、感銘とか、そう言う言葉だけでは表しきれません。マイケル氏の『愛』に強く心打たれましたが、不思議と涙は湧きませんでした。いやぁ、本当にアウンサンスーチー氏、そしてマイケル氏は強い人ですね。

※アウンサンスーチー氏が、ビルマのミャンマーへの改称を認めていないことから、このPOSTでの表記もそれに合わせ“ビルマ(現ミャンマー)”と表記しました。

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勝手な評論家

4.5人の命が軽い……

2012年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

「ミャンマーとは軍政によって変更された名称であって、我々の国はビルマである」…そういう思いが”ビルマ”という呼称に込められている。
政治的なことは避けたいという日本の気風があるのも事実ですが、作中でどうして”ビルマ”という呼称を使用しているのかについては、”歴史的に”で片付けるのではなく、これを見た皆に知っておいてもらういたいと思う。

どうして年齢指定?と思ったのですが、人がよく死ぬ。人の命が軽い。
いやおそらく、悲しむ間もなく人が次々死んで行く状況が実はリアルなのだろうと、そう思う次第。

物語自体は、ノーベル平和賞を受賞したアウンサンスーチー女史の伝記であって、それ自体は皆が知る所のもの。
ですが、この映画はそういった女史の業績よりも、夫婦愛・家族愛といった女史のプライベートに焦点を当てた物語。
どうしてノーベル賞を受賞したのかについてはあまり語られず、実際に独裁国家で軟禁にあった女史が何を考え、また、家族は何を思いどう行動したのか。
ただの偉人伝という事ではなく、皆に見て貰いたいと思える作品です。

民主化道半ばのかの国に、幸あらんことを。

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はち公

4.5同じ人間とは思えない。。><

2012年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

シナリオがいいです! ^-^

政治の話でもあるとはいえ、どこか、暖かい心で見られる作品です。

スーチーさんの髪の華飾りや映像が綺麗☆=

どなたの演技もしっかりとしているので、安心してみられます。

高潔で、知的な人が軸となっているあたりが、

好き嫌いはわかれるかもしれませんが、

エネルギッシュな人生というのは、やはりすがすがしいです。

とても真似できる人生ではないけれど、

旦那さまへの愛や、家庭への愛、支持者の方への優しいまなざし。。

見習いたいです・・!

それから、(ここ大事??)旦那様の知的な支え合っての

スーチーさんだということが、タイトルどおりひしひしと感じられます。

ビルマに咲いた華、政治に興味のない方にも魅力的だと思います♪

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まごちゃん