シャレード(1963)のレビュー・感想・評価
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怖くないサスペンス映画の面白さは、ヘップバーンの大人の魅力と脚本演出の軽妙さ
「雨に唄えば」「パリの恋人」のスタンリー・ドーネン監督の実に洒落たサスペンス映画。ヒッチコック監督が映画化してもいいくらいの謎解きの面白さが次から次へと繰り出されて、軽妙洒脱な推理映画の楽しさもある秀作。原作者でもあるピーター・ストーンの脚本が巧妙かつ練られている。相手をはぐらかす会話劇の大人のユーモアが、物語が進むほどに謎を明らかにするスマートさ。殺害シーンを一切映さないで作品全体の洒落たユーモアを最後まで保つドーネン監督の演出も、主演のケーリー・グラントとオードリー・ヘプバーンの二大スターの個性を生かしている。冒頭から現れるグラントは、4つの名前をもつ身元不明の紳士で最後に種明かしされるが、グラントならではの役柄だ。きっと役を気に入って楽しく演じていたのではないだろうか。巨漢ジョージ・ケネディとの格闘シーンも熟す還暦間近の熱演も見所になっている。
しかし一番のお楽しみは、ジバンシィの衣装を着こなすオードリー・ヘプバーンの大人の魅力溢れる落ち着いた演技。この時「ローマの休日」から10年のキャリアを重ねた33歳のヘップバーンは、夫を殺された事件について何も分からないレジーナ役の無垢さに、彼女の魅力が溢れている。また「荒野の七人」のジェームズ・コバーンを観てドーネン監督にテックス役を薦めたというが、この映画の脇役の適材適所も映画の面白さになっている。アメリカ大使館員バーソロミューのウォルター・マッソーとジョージ・ケネディの悪役も珍しいのではないか。そのアメリカ大使館の壁に掛けられた大統領の写真がジョン・F・ケネディというのが、この映画の制作された時を象徴する。不思議なことに、登場人物が連続して殺されたり少年が誘拐されたりと、犯罪劇の筋書きなのに少しも怖くなく、このケネディ大統領の写真で現実の恐怖心を感じてしまう。それ程にこの映画の良いところは、怖がらせるサスペンス映画の面白さではなく、騙され続けるヘップバーンが危険を潜り抜ける可笑しさを楽しむ映画であり、グラント、マッソー、コバーン、ケネディらの男優がそれを見事に支えていること。ラストのおどけた表情でヘップバーンを驚かすグラントの変顔が、この映画の粋なところを代弁している。ヘンリー・マンシーニの物々しくも何処か軽快でユーモラスな音楽も、脚本・演出と合っていていい雰囲気づくりに一役買っている。
肩の凝らないサスペンス映画の大人のユーモアを楽しむ、ヘップバーンとグラントのためのアメリカ映画。
マイルドな北北西
北北西みたような映画作りたかったらしいです。言われなくてもグラント君出てるからどうしても比較しちゃいます。さすがにスリラーはヒッチの方が百枚上手ですが、こっちはとにかく俳優が凄い。
あくまでもロマンチックサスペンスですから、その意味では大変良質の娯楽作品です。
大スターに、ほどよいサスペンスに、わかりやすい演出、大衆受け凝縮です。ワイルダー君並に安心して推薦できる映画。
ファッショナブルなオードリー
オードリーヘップバーン扮するレジーナランバートは、夫と離婚しようと思っていたところケイリーグラント扮するピータージョシュアが話しかけて来た。翌日、レジーナがパリの自宅に帰ると荷物も無くもぬけのからになっていた。警察に呼ばれ行くと夫が亡くなっていた。夫は、家財をオークションにかけ25万ドルを持っていたはずだが無くなっていた。しかもパスポートを何通も持っていた。ジョシュアが訪ねて来ていた。葬儀の後、レジーナはアメリカ大使館に呼ばれた。夫はCIAに追われていたそうでレジーナに危険が迫っていると言われた。事実、レジーナはジェームズコバーン扮するテックスらに脅されたがピーターに救われた。果たしてレジーナの運命や如何に? オードリーのファッションショーを見ているだけでもいいのだが、やはりサスペンスよりはラブストーリーの方がいいね。
オードリーの魅力を映します。
急逝した夫が隠蔽した財宝の争奪戦に巻きまれた妻を描く物語。
オードリー・ヘップバーンの映画は「ローマの休日」しか鑑賞していなかったこともあり、CS放送を機会に鑑賞。
この映画はケーリー・グラントの方が序列が上の映画なんですね。ケーリー・グラントも「北北西に進路を取れ」しか鑑賞していなかったので、その意味でも良い機会でした。
映画は、二人の魅力をたっぷりと映したラブロマンスでした。言い方を変えると、二人の魅力に寄りかかった作品です。
設定自体は、サスペンス色溢れたものでしたが、映画自体はラブロマンス。
でも、肝心のオードリーがグラントに思いを寄せる理由・エピソードに乏しく、ラブロマンスとしても乗り切れなさを感じました。
公開当時は素晴らしい評価の作品だったようですが、私の趣向からは大きく外れた作品で、私的評価は厳しめです。
オードリーからのアプローチ
高飛車で鼻につく女とキザで鼻につく男のよくわからん話だなと油断して観ていたら、なんやかんやで裏切られまくるなかなかのサスペンス映画だった。オードリー・ヘプバーン演じるヒロインの尻軽女感が新鮮だなぁ。
洒落たオープニング
この時代の映画はこういうところにお金をかけて良いものを見せてくれるのが多くて、これもワクワクする出来だった。映画はまったりしたサスペンス、時代を感じるスピード感。
この時、ゲイリー・グラントは58歳だったんですか? いやあ、大スターはいつまでも若々しい。ヘプバーンも全盛の頃だ。悪役陣も揃っている。ウォルター・マッソー、ジョージ・ケネディ、ジェームズ・コバーン。ウォルター・マッソーなんて、この時代は良いやつ?なんて思ったら、案の定だったりして、そういうのも面白かった。
ヘプバーンの衣装も体型にあってエレガンス。ジェームズ・コバーンが高そうなジバンシーのそんなドレスにマッチの火を投げつけるシーンは妙にドキドキした。貧乏くさいけど。
【”貴方の本当のお名前は?” ヘンリー・マンシーニ作曲のメインテーマも有名なロマンティック・サスペンス&コメディ。】
■今作品の面白き所
・ケーリー・グラント扮する紳士の名前が次々に変わって行き、その度に
揺れる未亡人レジーナ・ランバート(オードリー・ヘプバーン)のコミカル要素を絡めた愛らしき姿。
及び、年齢の離れた二人の遣り取り・・。
”何故、人は正直になれないの?・・”
”女性はスパイの素質がある・・”
・上記二人を含め、ウォルター・マッソー(CIAのバーソロミュー・・)、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディの”演技する”姿も嬉しい。
・取り分け、今作が秀でているのは、”ロマンティック・サスペンス&コメディ”などという訳の変わらないワードを成り立たせている脚本である事は、間違いない。
<今から、半世紀以上前の作品であるが、2020年に観ても、面白い作品である。>
<様々な媒体で複数回鑑賞>
ミステリーだけどマイルドでお洒落 夫が殺されたのにめちゃめちゃあっ...
ミステリーだけどマイルドでお洒落
夫が殺されたのにめちゃめちゃあっさり
してるし みんな大金探してるのに興味なし。
普通の女の人とは違ったタイプで
こっちが興味をそそられる。
ストーリーも登場人物も面白かったし
オードリーが可愛い!
レトロで単純っぽいところが凄く好き。
終わり良ければ、ナイス。
一言「まじか、そういうこと?!」。
◎よかった点◎
・夫殺害&大金の行方。普通だとサスペンス調の話が、ヘップバーンのおしゃれスタイルが目立って様変わり。
会話も軽やかな応酬で、コメディっぽい色も随所に見られる。
・「夫が持っていた25万ドルの行方」を探す三人と、妻と、CIA。この五人の話なのでシンプル。
ただその行方が、全くわからないのっていうのが一緒に考える。
五人の中の誰が、持っているのか。想像がつかないのが面白い。
・終盤核心に入っていって、「あ、そういえば!」。そうだったのかー。
からの二転三転は、お見事。やられたわー。
△いまいちな点△
・中盤若干、中だるみというか。サスペンス色はどこへ?なところがどうかな。
ウォルター・マッソー、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディ。
出ているって知らなくて、この方達の若い時の映像を見れただけでも、見た甲斐ありました。
⭐️今日のマーカー・ワード⭐️
「女性はスパイの素質がある」。確かに。
そうだったんだ、、。
もう本当に参りました💦
オードリーの美貌はもちろん、レビューとして表現出来ぬ圧倒的なカリスマ感。
自分が生まれる前の作品ですが、今もなお名女優と語り継がれるのが良くわかりました。
オープニングの字幕も最高。
ヘンリー・マンシーニの音楽と音量もベスト🎵
参りました✨
往年の名作
なんとも不思議な映画ですね。サスペンス仕立ての大人のロマンスなのですが奇妙なティストに仕上がっています。先ずサスペンスなのにあまり怖くない、ケーリー・グラントはヒッチ・コック映画の常連だから出てくるだけで事件の予感がしますが問題はヘップバーン、なぜなら映画とはいえ彼女を酷い目に合す監督や男優はそれこそ世界中のファンを敵に回すことになるからいないだろうと読めてしまう。ケーリー・グラントは「ローマの休日」の恋人役グレゴリー・ペックより一回り年上だからか恋人役を照れながら演じているのがみえみえ、服を着たままシャワーを浴びるシーンは滑稽でした。ジバンシーの衣装で艶やかなヘップバーンにヘンリー・マンシーニの名曲を添えてサスペンスとロマンスとコメディを三色アイスのように上手にミックス、さすが往年の名作です。
随分昔に観て切手のことだけは覚えていたが幸いストーリーは忘れていたのでまた楽しめました。
スタンリー・ドーネンがヒッチコックに負けず劣らずの腕を見せた一作
オードリーとゲーリー・グラントの相性バッチリ。次々にオードリーにふりかかる危機とか、誰を信じたらいいわからないサスペンスとか、思いがけないお宝の隠し場所とか、巧い脚本と演出のお陰で後期オードリー作品群の中でも白眉の出来でしょう。
サスペンス、コミカル、アクションと様々な要素が入り混じった内容に、...
サスペンス、コミカル、アクションと様々な要素が入り混じった内容に、やはりヘップバーンの可愛さの魅力がとても感じられる作品です。
ヘップバーンの作品の中で「ローマの休日」の次に好きな作品です。
ローマの休日の次に好き♡
オードリーの美しさ見たさとジバンシィのレトロファッションの素敵な映画というキャッチに惹かれてストーリーを期待せず手に取って観たのに案外楽しめました。
きちんと起承転結、もちろん最後の方は結末が読めたけどオチも良かった!
うん。良かった!!
けれど、また見たいかと言われると…ふふふ
●ヘプバーンの可愛さ健在。
「雨に唄えば」の巨匠スタンリー・ドーネン監督。
ヒッチコックぽい。
ヘプバーンにケイリー・グラントと豪華俳優陣。
敵か味方か謎の男。
死んだ旦那が金を持ち逃げしたと迫る3人組の男。
さまざまな謎が後半一気に解けていく。
ラストもいいね。
ストーリー展開が早く、サスペンスとしての謎解きもきちんと面白い。そ...
ストーリー展開が早く、サスペンスとしての謎解きもきちんと面白い。そして主役は魅力あふれるオードリーとケーリー・グラント。加えて豪華な脇役、音楽はマンシーニ、衣装はジバンシィ、言うことなしの素敵な映画。
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