劇場公開日 2011年1月7日

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「ライブ映像のような緊迫感! 新年早々ブッ飛ばしてます」アンストッパブル(2010) 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ライブ映像のような緊迫感! 新年早々ブッ飛ばしてます

2011年1月16日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます。
2011年もヨロシクです。

実は今年最初に観た映画は狂犬病の犬が人を襲う恐怖映画『クジョー』
だったが、新年の初っ端にレビューするようなめでたい映画じゃないよな
と思ったので(爆)、この映画をレビュー。

いやー、面白かった!
新年早々、景気の良い映画でしたね。

『息つく間も無い』とはまさにこの映画の事で、派手な
クラッシュシーンと手に汗握るアクションシークエンスのつるべ打ち。
物言わぬ怪物“777”(良い名前だ)が始動してからの
99分間、危機また危機の連続である。

ド派手なばかりの映画では、途中でこちらの感覚がマヒして
集中力が途切れてしまう事が良くあるが、この映画は大丈夫。
のっけから最後までダレることなく緊迫感を保ち続け、
尚且つ主人公2人のドラマもそつなく描いた手腕は見事だ。
また、細かいカットやガタつく映像、報道番組のような素早い
ズームイン/アウト、そして画素の粗いニュース映像の挿入などが、
まるで事件のライブ映像を目撃しているかのような感覚を生んでいる。

ところで監督の兄貴リドリーの『ロビンフッド』でエゴ丸出しの
権力者が登場して観客の神経を逆撫でしたのは記憶に新しいが、
本作でも、被害者数より被害額ばかり気にする経営陣や、
ゴルフに興じている間に事故報告を受ける会社のトップ
などが登場(日本のとある元総理を彷彿とさせますな)。
権力というものに対する反骨精神は兄弟で相通じる所があるのかしら?

不満点としては、終始フルスロットルでブッ飛ばす展開であるため、
終盤になっても『いよいよクライマックスか!』という感じが薄く、
最後の最後でカタルシスを得ることが難しいという点か。

また、『実話が基だと言うけど本当かよ?』と思えるくらいに
ド派手な展開が続くので、人によっては“やりすぎ”と
感じる人も居ておかしくない。まあ実話が元とはいえ、劇中でも
Based on〜 では無くて Inspired by〜 と銘打ってあるので、
『実話の映画化』というよりは『実話から着想を得た』くらいの
ニュアンスが適当なのかねぃ。
実話が基という点をことさらに強調しなければ、リアリティ溢れる
パニックアクション大作としてどっかと腰を据えて観られたのではと
少し勿体無く感じた。

しかし快作!
優れたエンタメ映画だと思います。

<2011/1/9観賞>

浮遊きびなご