劇場公開日 2010年6月5日

「淡々として怖く、スリリングな群像劇」告白(2010) といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5淡々として怖く、スリリングな群像劇

2019年8月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

知的

原作未読・予告動画なども一切見ておらず、完全に事前知識が無い状態で視聴しました。

まず最初に言っておくと、この映画は本当に面白かったです。淡々としているのに全くダレることなく素晴らしい映画でした。

松たか子演じる女性教師森口が自分の娘を殺害した生徒二人に対して復讐を行なうという、いわゆる復讐もの(リベンジもの)の作品です。他の復讐ものは復讐を達成しての爽快感を感じられたり、逆に「復讐なんて良くないよ」という教訓が含まれる作品が多いのですが、この作品はどちらにも当てはまりません。女性教師の復讐が淡々と進み、色んな人たちを巻き込んで話がどんどん悪い方向に進んでいくのをただ見せられる作品です。そこには爽快感も教訓もありません。

元々の原作が良いのかそれとも脚本の力なのか、淡々と進むストーリーにもかかわらず途中で飽きることなく最後まで釘付けになって視聴してしまいました。

役者陣の演技も素晴らしく、特に主演の松たか子は淡々と喋るだけなのに鳥肌が立つほどの怖さが伝わってきます。木村佳乃・岡田将生の演技もキャラに合っていましたし、子役陣も本当に素晴らしかった。

「イヤミスの女王」と呼ばれるほど、後味の悪い嫌~な作品を得意とする湊かなえが原作ということで、この映画も後味の悪さが濃縮されたような内容になっています。私はこの上なく楽しめましたが、もしかしたら見る人を選ぶ映画かも知れません。

といぼ:レビューが長い人