孤高のメスのレビュー・感想・評価
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医者、もしくは目指す人はこの作品を観るべし!
世の医療の在り方を問う作品、意外と名作でした。
なんせ、オペシーンの堤さんは漫画のシーンに凄く合ってる。
よくぞ、映画化と言うくらいににはまっている。
少しすっとぼけた、しかし真面目な人物を演じさせたら
堤さん、右に出る人いないですね。
ある意味快演技です。
テーマ、テンポ、絵面、音楽、キャスト、全て良かったです。
心にずしんとくる、メッセージ性の高い映画でした。
世のお医者さん、それを司厚生労働省の人も合わせて
観た方がいいとおもうぞ。
孤高のメスは崇高のメス
同じ監督の作品「八日目の蝉」から逆行してこの映画を観た。「ミッドナイト・イーグル」も良かったのだから、もっと早く観ておくべきだったと後悔している。「八日目の蝉」の時にも感じた法律の外の善と法律の内の悪。この映画でも、医師の当麻(堤真一)は法律を犯して、生体肝移植を行う。違法ではあるが、人として、また医者として、一人の人間の命を救おうと考えることは決して誤りではないと思う。何故なら実際に人を救えるのは、金や法律ではなく人なのだから。リスクのある事に対して、自分のために“やらない”ことよりも、他人のために“やる”ことを選択することは、気高い選択なのではないか、そしてまたその気高く崇高なメスを周りのスタッフが支える。そして同じ目標を目指す。いやいや良い映画でした。これからの日本映画、成島出監督と園子温監督からはきっと目が離せなくなるのではないだろうか。
孤高のメス
堤真一、夏川結衣スバラシイです。
当時の医療現場の雰囲気もよく出ていると感じます。
信念を持ち、いつもひた向きに、地道に努力する。人にも優しい。自分にないところばかり突かれて、とても痛い!
先日地上波で観ましたが、とても良い映画でした。特にお別れの最後のラストシーンが胸いっぱいな感じで、想いを伝えるってこともまた素敵でした。
こういう、ひた向きに生きるってありだな、努力次第で出来そうだな、かっこいいな、という気がしました。明日から地道さを意識してガンバロ...。
みいってしまった…
あまり期待せずに鑑賞したんですが、かなりみいってしまいました。古臭い演出ではあるんだけど変な遊びはあまり入れず純粋にストーリーに集中できる映画。医療のことはよくわからないけど、人の命のことってほんとうに難しいんだなと思う。でもしっかりとした意思を持ち自分のやれることをやることをする当麻先生はかっこいいと思った。
堤真一は舞台の方がいい
留学帰りで田舎の市立病院に赴任した医師。
彼は患者のことしか頭にない。
彼を呼んだ市長は彼に惚れこみ、自分の娘と見合いをさせる。
しかし、市長から「これは見合いだ」と言われても、
「どなたとどなたの見合いですか」と言う彼。
医療以外目に入らない。そんな医者いるのかな。
彼はオペ中に演歌をかける。「手術は忍耐強く、
コツコツやらなければならないから、演歌があっている」と言う。
「それに都はるみは日本の宝だ」と。
看護婦に「オペに集中できないからやめてくれ」と言われ、
多数決の結果、オペ中の演歌は禁止となる。
脳死肝移植のとき、演歌禁止を提案した看護婦から
「思う存分どうぞ」と言われ、医師の選んだ曲は都はるみの
あんこ椿は恋の花。
みんなには曲が聞こえていたのだろうか。
おそらくオペに集中して聞こえていなかっただろう。
その歌は音波として体を包みこんでいればよかったのだ。
オペシーンをみるとやっぱり病気はしたくないと思う。
素晴らしい拾い物。
以下twitter(@skydog_gang)への投稿よりコピぺ――
日記から回想=本編に入る構成に嫌な予感を覚えたものの杞憂に終わった。
シリアスなストーリーラインの中に満遍なく声を出して笑えるギャグが織り交ぜられ、また映像的にもTVドラマの延長のような軽薄さは全くなく「映画を観た!」という満足感を素直に得られる。拾い物。
拾い物でした
地方都市の市民病院での現実を衝いた映画でした。
町医者と大学病院との狭間にあって地域医療の現状を巧く現しています。
堤 真一が相変わらず好調です。
でも、手術のときに何故に演歌なのでしょうか。
こぶしがまわったら力が入らないでしょうかね。
回りの人々も理解有る人が多くて安心して観ることが出来ました。
ナースの成長が巧く表現してあります。
人の成長も付き合う人によって、度合いが違うことが良くわかります。
子供は親の鏡と言いわれますが、確かに思える。
人間は近くにいる人に多大な影響を受ける。
一人の大事な子供を亡くす母親役に余貴美子が熱演です。
この人は、何をやらせても巧いですね。
カタツムリの時も良かったですよ。
ラストも最初の伏線から考えさせて、本人の顔を出さずに好い幕切れの印象を受けまた。
本日の試写会は関係者席が多かったですね。
医療関係の人が多く招待されていた感じです。
感動しました
医療制度の現場を描いたベストセラー小説の映画化。看護士をしていた母(夏川結衣)が亡くなり、遺品の日記を息子が読んでいく形で、物語が進行する。
冒頭からとてもリアルな肝臓手術のシーン。順天堂医大肝膵外科が医療監修をしているので、納得。医療現場を描いた映画としては、海堂尊原作の「チームバチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの凱旋」があるが、この映画はまったくタイプが違う。あくまでも真摯に、忠実に描写しているような感じがした。
命を救ってほしいと願う患者の家族、目の前にいる患者の命を救いたいという医師、医師の思いを叶えようとするスタッフ、なくなりかけている息子の命のともしびを誰かにつなぎたいと願う母の思い。それらが交差する大手術は、感動的だった。医療の問題も考えさせられるが、何より感動で胸がいっぱいになった。ラストもいい感じ。
すごくイイ映画なんだけど
拙ブログより抜粋で。
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演出的にはリアルに再現された手術シーンが目を見張る。変に隠すことなく、開口部をはっきりと見せる勇気ある姿勢にも驚かされるが、と同時に、神秘的にすら感じる医療行為の“美しさ”にまで迫った演出は、この手の医療モノの作品ではあまり感じたことのない感動で、白眉だった。
脚本もよく練られており、往年の西部劇を彷彿とさせるエンターテイメントの王道をゆくさすらい医師、必要充分な描写の中でキャラ立ちした登場人物たち、わかりやすく提示される様々な医療問題、ときにユーモアも交えた的確な伏線とその回収、と、どこから斬っても手堅い良作に仕上がっていると言えよう。
ただ、好みによるのだろうが、ちょっとケレン味が足りない気がしないでもない。
とにかく堤真一演じる当麻のキャラクターができすぎな感じで、憧れるほど立派なヒーローではあるが人物造形的に完璧な人すぎて人間臭さには欠く。
そういう意味では敵役となる権威主義者のダメ医師・野本(生瀬勝久)の方が、ひどい奴だが人間味はあると感じてしまうくらい。
しかしこの野本にしてもあまりに絵に描いたような悪役で、人の命を預かるという微妙な問題を扱った本作では、こういう勧善懲悪的な対立構造は安易すぎないか。
さらにこの対立構造も、野本が影でコソコソ悪口を言っているだけという印象しかなく、直接対決するわけではない。これも映画的に難しくなりそうなことは避けたという安易さを感じてしまう。
良くできた脚本だが、巧いがゆえに難しいことからは上手に目を反らしたという気がするのよ。
逆に言えば、難しい医療問題をわかりやすいエンターテイメント作品として仕上げたという点で評価できるのだが。
伝染する気高さ。
『告白』のあまりのインパクトにすっかり影が薄くなってしまった感がある本作だが(?)、この映画も素晴らしい出来だと思う。
驚かさせれたのは映画序盤での手術室内の描写。『手術』と聞くと、白塗りぴかぴかの手術室で冷静沈着な医師逹が淡々と作業をこなしている……そんなイメージが浮かぶ(あくまで僕のイメージ)。
だがここではまるきり違う。清潔に見えない手術室、医療器具をぞんざいに扱う看護士、手術ミスを犯しておきながら、それを棚に上げて部下に怒鳴り散らす手術医。
挙げ句の果ては医者が『処置の難しい患者はどうせ大学病院に送るから、手術もテキトーでいいのさ』みたいな事まで言い放つ始末だ。
これって実際より誇張して描いてるんだろうか。それとも……。
本当にこんな病院もあるかもしれないと思うと背筋が寒くなる。
だが主人公・当麻が満を持して登場すると雰囲気が一変。
彼の最初の手術シーンが圧巻だ。卓越した技術と医師としての気高い信念がビシバシ伝わり、背筋がぞくぞくするほどカッコイイ。
そして夏川結衣が手術中呟く「すみません」という言葉。この言葉に何故だか涙が出そうになった。いやまさか、眉をしかめるような手術シーンで涙ぐんでしまうとは。
この手術を皮切りに、彼の気高さが病院のスタッフにまで“伝染”してゆく姿は感動的だ。
映画の最大の立役者は堤真一だろう。医師としては完璧だが朴念仁な当麻先生を魅力たっぷりに演じ、手術シーンでの手捌きも見事。脇を固めるキャストも皆良い。
仕事への誇りを取り戻すに連れてどんどん輝きが増してゆく夏川結衣。
地位と名声を手に入れる事しか頭に無い最低野郎を憎々しげに演じる生瀬勝久。そして余貴美子。彼女が“先生”と呼ばれる理由が判明するシーンを観て、彼女の下した決断にも合点がいった気がする。
映画のスタイルは、時系列を入れ替えたり細かいカットを繋いだりなどの小細工は用いず、じっくりとキャラクターを描き、まっすぐに物語を紡ぐスタイル。
丁寧で実直。この映画の主人公のようだ。
手術という生死に関わるテーマを取り上げながら重苦しさは無く、それどころか思わず笑ってしまうようなユーモラスな場面も多い。物語の中弛みも感じさせず、2時間長の上映時間はあっという間だ。
『告白』の毒に当てられて人間不信になった人は、こっちでリハビリしてください(笑)。
人間の良心を描いた優しい映画。オススメです。
<2010/6/12鑑賞>
信念によって
「命」に関わる作品です。
当然ですが3Dでもなく派手な演出も全くありません。
渋い作品です。
停滞しきった地方病院にやってきた一人の医師。
彼が来たことによっていろいろな事が変わっていく。
彼は何事にも諦めない医師だったのです。
「信念が命を救う」
この信念がのちのち病院を、人々を動かしていきます。
一人の力によってここまで大きく変化していくと誰が想像出来たでしょうか?
この作品のの一番の輝きは堤真一&夏川結衣さんの演技力ではないでしょうか。
特に堤真一さんの目力は非常に魅力的です。
この他の出演者の演技力を思う存分感じてください。
そして、もうひとつは・・・・・
順天堂大学医学部の医療監修のもと手術シーンを追求しているのです。
これにより臓器までしっかりと映し出しリアルな手術シーンを見ることが出来ます。
そのあたりもしっかりご覧下さい。
このような渋い作品をぜひぜひ見ていただきたい。
美しい手術
臓器がやたらリアルでよかった
美しい手術を表現するにあたって美しくない手術をほんとに美しくなく、且つほんとにありそうで怖い感じで表現していて、確かに手術室の中で起こっていることなど我々にはわからんしなぁ、と考えてしまった
物語は主人公の独白(日記)で基本的には進むので淡々としていて、よくある、過剰な演出による感動の押し付けや無理な共感がなく、見た人それぞれがそれぞれに考える余地がありよかった
白い孤高。
試写会に応募したら、当たった。
ところが仕事で行かれなくなり(汗)両親に譲った。
感想を聞いた時、心底悔やんだ^^;あー観たいっ!!
そんなコン畜生な想いを込めて(涙)改めて観に行く。
うーん♪やはり期待どおり、応募して良かった作品。
タイトルからして地味な作品だがお薦め度は高い☆
チラシの堤真一から想像すると田宮二郎再び?的な
医療ドラマを想像してしまうが、今作はもっと軽やか。
まさか?と思ったが、笑いをとるシーンまである^^;
患者の命を救うため違法手術を行うという重い決断、
しかしそこには黒い思惑など微塵もなく、
画して人情に彩られた町医者のような温かさに溢れ、
昨今ドラマで描かれている地域医療の在り方を問う。
キャストが出揃っている。これも大きい。
堤をはじめ、夏川も吉沢も余も生瀬も柄本も平田も
みんな巧い^^;ちょうどあの頃の時代を彷彿とさせる
病院内の光景や人間同士の繋がりも懐かしさに溢れ、
古臭いイメージが正確な医療技術に圧倒された時
私達観客も夏川看護師と同じく口アングリとなる…^^;
そう、こんな医師がまだどこかに必ずいる筈なんだ。
手術シーンのリアルさがかなり話題になっており、
俳優がほぼ代替えなしで演じたのが凄いと思ったが、
うちの母親などそのシーンが見られなかったと云う。
確かに臓器を取り出すなど(私も得意な映像ではない)
生々しいシーンもあるが、それを上回るドラマの真軸、
なぜ危険を冒してまで執刀したのかに説得力がある。
患者も看護師も、皆がこんな医師に逢いたいと思うし、
執刀して欲しいと願うに違いないと思う。
こんな医療体制は夢のまた夢だ。なんて終わらせず、
息子役の成宮医師たちに継承されてほしいと願う。
白い巨悪(^^;)を前にして難しい問題には違いないが。
難しい説明箇所が殆どなく、押しつけがましくもない、
サラッとした演出に好感がもてる作品だが、
つい続編とか、ドラマ特別編とか、もっと観たいという
願望が沸々とわいてきて、期待感を高めるドラマだ。
(果たして余貴美子の決断ができるか?自信がない…)
Excellent Movie!
いや~判りやすいし、リアリティがあって非常に面白かったです!
医師が単に医師であること。
それが現代の医療従事者にとっていかに難しいか…などそれぞれの立場になって考えて見るととても面白かったです!
堤真一氏の融通が利かない(=熱い信念の持ち主)医師役は過剰な演出もなく淡々とこなしていて好感が持てます。彼はお堅い公務員役とか似合うのではないでしょうかね~。良い演技してました。
同僚医師役に生瀬勝久氏をぶつけてますが敢えて騒々しく見せて逆にストーリーの静寂さを強調させていたのが印象的です。
主人公の夏川結衣さんはタイプなので居るだけで充分なのですが今回も異色でした。いつものように熱く演じてました。
ハリウッド映画にも劣らない想像力をかき立てられる作品だと思います。
期待し過ぎちゃったかも。(私の場合)
6/11 観賞
観客層は平日の昼ということもあるだろうが、年齢層がとっても高かった。
医療モノを観る度に思うこと。
生瀬勝久演じるような医者・・・。
こんな事されても、患者は全く分からないよなぁ・・・。
実際、ここまで酷くなくても自分のことしか考えていない医者っているだろうし。
買い物するみたいに、毎日何種類もの病院に罹る訳じゃないし、
色んな医者を経験(?)する訳じゃないですもんね。
相性とかもあるだろうし。
堤真一演じる医師、当麻。
患者が求める理想のドクター、間違いなくNO.1!!
初めは高い理想があっても、過酷な医療現場に疲れてだんだん感情が麻痺してきたり、など、
なかなか患者さんの為にっていう様な気持ちを持続させるのは
難しいんでしょうね。
こんな先生いるのかな?って思ってしまいました。
人間的にも飾り気がなく、朴訥・・・。
うまく演じていましたね。
またまた上から目線ですいません。
余貴美子も良かったです。
臓器の映像が、リアルでしたよね。
どうやって、撮ってんだろ。
とにかく最後の方、悪者退治スッキリしました。
やっぱり、こうじゃなくちゃね♪
ラストも余韻があって、よかったですね。
直球一本勝負のいい映画
ひとつのことに打ち込み、実直な人柄を演じさせて巧い中堅男優で思い浮かぶのは、渡辺謙、柳葉敏郎、堺雅人、そして本作の堤真一だ。そんな役の中でも、肩肘張らずに笑いをとれるのは、この堤真一だろう。ツッコミに照れる柳葉敏郎や、はにかむ堺雅人とは違うトボけた可笑しさで、見ていて堅苦しくない。
そして、浪子の日記を紐解く形で描かれる語り口は、いっそう当麻の気負いのない人柄を浮き彫りにした。
どんな仕事でも大切なのは心技体。相手に対して、誠意をもって接し、できる限りの技量を施し、己の小さなプライドなど捨ててあたる。評価はあとからついてくるものだ。この作品の主人公、当麻はまさにこういう人物だ。
医師も神ではない。間違いも犯すだろう。実践の積み重ねがなかったら技術も上がらない。ただ、ほかの職業と違うのは、そこに人の命が掛かっていることだ。巧くいけば神のごとく奉られるが、一歩間違えば殺人者だ。患者側からみれば、どんな医師にあたるかは運次第ということになる。
それでも大事なのは、誠意ある対応ではなかろうか。実験台のような扱いはご免だが、当麻のような医師にだったら内蔵を提供してもいい、そんな気になる直球一本勝負のいい映画だった。
良作日本映画
成島出×堤真一ということで『クライマーズ・ハイ』再びといったところだが、なるほどそんな印象。信念を貫く男の姿はカッコイイ。
『クライマーズ・ハイ』ほど表面までに噴出する熱さはなく、堤真一演じる当麻は淡々としているが、それでも根底には熱さを感じずにはいられない。ときおり見せるとぼける顔も魅力的。
見る前はもっと医療現場の腐敗を暴く骨太サスペンス的なものかとも思っていて、確かにそういう面もなきにしもあらずだけど、圧倒的に人の体温が伝わるヒューマンドラマだった。久々に見た良作日本映画。
それにしても、堤真一はやっぱりうまいな~。
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