孤高のメスのレビュー・感想・評価
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自分の信念を持つということ。
何が良かったかというと、温かくて、爽やかだったこと。
医師と言う職業は、直接命と繋がっているだけに、見応えもあり、わかりやすかった。
でも、普通のサラリーマンでも、OLさんでも、主婦でも、自分自身の心の持ちようで、随分と本人も仕事も、生き生きとしてくるのね。
当麻先生は、素晴らしい。
お茶目で、鈍感で、仕事一筋で、そして、自分の信念を持っているということ。
周りの人達に感謝の気持ちを忘れず、常に全力で立ち向かう。
手術室の看護婦の浪子にも、そんな当麻先生のおかげで、自分自身にも価値あるものや大切なことが見えてくる。
でも、ありきたりな恋愛関係にならないところが良い。
とても爽やかだ。
脳死段階での臓器移植。
まだ、法的に認められていない。
まこと君のお母さんが決断するまで。
当麻先生が決断する様子。
感銘を受けた。
手術シーンは、とてもリアルで、開腹された様子も映るけれど、苦手な方も頑張ってください。
堤真一さんが演じると、こんなに素敵な人どこかにいそうね!と思えるのが素晴らしい。
生瀬さんの悪役ぶりもなかなか良かった。
強面の隆大介さんの、刑事さん。信念を持つ男への、かすかな応援の気持ちを感じた。
堀部圭亮さん、次回監督作を楽しみにしています。
100人中、99人まで悪人でも、たった一人がこの当麻先生のような人だったら、前向きに生きていけるよねと思える、温かさと爽やかさのある作品でした。
あんこ椿は恋の花
信念を貫く医師、当麻に堤真一、当麻の手腕に引き込まれ、真の医療に目覚める看護師に夏川結衣、最愛の息子が脳死となったとき、息子の意思と臓器提供を望む教師に余貴美子と配役もシックリです。
対立する大学病院系の嫌な医師たちも、生瀬勝久、堀部圭亮とぴったり
非常に良い映画でした
福祉ボランティアをやっていて、福祉系の大学を選択し、合格した矢先に、事故にあってしまった少年は、非常に気の毒でした。
その脳死になってしまった少年のひとり親として、果たして、素直に、臓器提供を申し出ることが出来るのであろうか。その選択をした母親ってすごいですね。
その母親の真剣な願いがあったとしても、当時、まったく、法令的にも整備されていない臓器移植を引き受けるとは、当麻は男前じゃ!
できれば、日本のすべての医師の方がこんな人だったら良いと思います。
お医者さんよろしくお願いしますよ
最後、老齢になった当麻院長を出さないところがまた良いです。
当麻は、現役バリバリの姿のイメージで終わりたいですもんね。
余貴美子は、今年も助演女優賞ですかな
世の医者に見てほしい
私も医療の下で働いているため、この映画は深く考えさせられた。
仕事への向き合い方を改めなければいけないと感じた。
世の中の医者が全て当麻先生みたいだったら良いのに。
しかし現実には利益や体裁ばかり気にする医者がいる。
目の前で苦しむ患者より自分の利益。
いや、医者だけでなく医療の下で働いている人に見てほしい。
自分を見つめることが出来る。
天命について考えさせられる
「脳死肝移植」
それは、法律ではまだ認められていない医療制度。
助けて欲しいと願う患者と限界に挑む医者。
その助けたいと思う信念が“絶望”を“希望”に
変えていく感動作。
医療問題を丁寧に慎重に描いてただけあって、
内臓の仕組みをありありと描写。
その手術シーンの多さに気合いを感じました。
個人的にはお腹が切られる度にこわばる思いで
力入ちゃって、ちょっと体力消耗。。。
出演者は(堤真一)(夏川結衣)(余貴美子)。
この3人のどっしり、がっつり、しっかりした
確かな演技がとてもスバラシかったです。
(余)さんが脳死の息子の臓器提供を決断する
下りなんかもう、、、うぅ。。。(涙)
さすがアカデミー女優!胸がつまります。
“目の前の患者を助けたいだけ”という思いに
揺るぎがない当麻先生(堤真一)。
彼の真摯な態度に周囲の空気さえ変えてしまう
魅力的なお方。世のお医者さんが皆ああならいいのに。。。
対照的に楽して出世したい嫌な外科医長(生瀬勝久)。
処置に自信がなくて助かる可能性のあった患者を見殺しに
するような嘘つきドクター。
きっとこのような人も現実いなくもないと思うと
患者側としては先生選べないわけだし、
運しだいでは怖いなぁと思う。
※関係ないけど前日見た「トリック」でふざけた
矢部警部見てたせいでギャップがぁ。。。
(どっちもベストは尽くさないタイプだったなぁw)
ウマイねこの人も。
医療問題としては医者も患者も考え方や倫理的にも
いろいろ賛否はあるだろうと思います。
与えられた命の結末をどう納得していくかも人それぞれ
結局は生きている人のエゴだったりするのも否めないです。
この作品では、そんな複雑な思いをどう締めくくるのかと
不安に思ったけど、提供者も収受者も満足&感謝する形で
優しい気持ちで終われたトコが良かったです。
硬派な骨太作品。重いテーマですが見て損はないです。
その医師は決して諦めない
評判どおりの素晴らしい映画で、久しく無かった鑑賞後に感動の余り椅子から立ち上がれないという状況に陥りました。
今のところ私的に今年度邦画№1です!
映画の関係者でもなんでもないのに「おくりびと」に続き、アカデミー賞も狙えるのではないかと、決して大袈裟じゃなく結構本気で思ったりしています(笑)
田舎の病院にある医師が赴任して来る。
その医師は、大好きな都はるみを聴きながら、まるで魔法のような美しいオペをこなしていく。
助かる可能性がほんのわずかでもあるのなら、そこに救える命があるなら、その信念を貫く医師の存在は、周囲の医療スタッフの意識も変えていく。
地域医療に力を入れようと市議会に訴えている市長が倒れ、時を同じくしてボランティア活動をしている心優しい青年が不慮の事故に遭い脳死状態に。
まるで運命に導かれるように、医師が海外で学んできた生体肝移植に挑む事になる。
当時まだ脳死に対する法律が定まっていなかった事もあり、マスコミはもちろん、刑事までもが殺人罪に問われても文句は言えないと医師に詰め寄る。
それでもこの医師は決して諦めず、助けを待つ家族、助けようとする家族の切実な想いを汲み取り、オペに向かうのだった。
オペのシーンがとにかくリアルで、まるで本当の手術に立ち会っているかのような感覚に陥りました。
堤さんが信念を貫く決して諦めない医師を好演。
堤さんの決して揺るがない確固たる意志を持った眼差しに何度も惹き込まれました。
医師と出会い、自信と誇りを取り戻していく看護師役の夏川さんも素晴らしかったです。
脳死状態の息子の肝臓を提供する事を決意する母親役の余さんの演技に涙が止まりませんでした。
どの役者さんも適材適所でとても素晴らしかったです。
最初のオペのシーンの都はるみで笑い、クライマックスのオペシーンでは同じく都はるみに泣き笑いでした。
心からお薦め出来る映画です。是非ご覧になって下さい。
堤真一の魂の演技に加えて医療問題にさりげなく迫る演出が良かったです。
医療制度のタブーに深く切り込んだ社会派原作なのに、本作はどこか暖かみのする仕上がりになっています。
それはいきなり核心に切り込むのでなく、当麻をアシストする看護師中村浪子が残した日記が語る視点から、浪子が見聞した当麻との出会い、そして外科手術の取り組みが、淡々と綴られるからです。
けれども患者の立場に立った地域医療に情熱を傾ける当麻の一挙手一投足は、感銘と共に観客の心に現代の医療の問題を投げかけてくるのでした。
成島監督は、『クライマーズ・ハイ』の脚本を担当しているだけに、主演の堤真一の見せ場のツボを心得ているかのような演出。
抑え気味のテンションの中に、一人でも多くの患者を救いたいという秘めたる闘志をたぎらせた当麻役を、堤は水を得た魚の如く演じきっています。きっと年末の賞取りレースにノミネートされる演技でしょう。
それにしても哀しいストーリーです。冒頭から、主人公の浪子の葬式シーンでスタートするのです。葬式に立ち会った浪子の息子の弘平は、母が残した日記から、当麻の存在を知ります。物語は、ここで大きく別れて、日記のなかの浪子が語る1989年当時に当麻を中心にどんな出来事が起こったのか。
そしてもう一つは、その日記を読み上げた弘平にどんな変化が起きたのか。年代を超えた親子二代の話が同時進行している構造なのです。
当麻が登場する以前の日記の浪子は、悲惨でした。杜撰な手術と医療事故のもみ消しの日々。そこに立ち会う自分も、患者の命を奪っている共犯者ではないかと汲々としていました。それを誰にも言えなくて、日記だけが愚痴のはけ口という有様だったのです。
そんなとき、高度な医療技術を持った当麻が転院してきて、当麻の医療に対する純粋な思いに感銘して、失いかけた看護師としての自覚を取り戻すのですね。
ちょっと近寄りがたい雰囲気の当麻でしたが、初めての手術で、現場のスタッフも観客も大笑いしました。だって手術中に都はるみの演歌を流すのです。緊張した現場にはどう見てもミスマッチです。困惑するスタッフを尻目に当麻は、至って真剣。当麻に言わせば、手術は手編みのセーターを編むように、細かな作業を忍耐強く綴ることなんだ。だから演歌がよく合うというのです。でもそれはあんまりだということで、スタッフの多数決で音楽禁止になったときの当麻のしょぼんとした表情が愛嬌たっぷりでした。まるでおもちゃを取り上げられた子供のよう。
浪子が当麻という医師に希望を見いだした頃、親交の篤いお隣の音楽教師をしている武井先生の一人息子が事故に遭い、脳死状態になってから、物語は急展開します。
同じ頃、勤務先の市民病院を支えてきた大川市長が倒れたのです。
武井先生は悩んだ末、福祉活動に尽力してきた息子の志を汲んで臓器提供を決断します。複雑な母親としての苦悩を、余貴美子が見事に演じています。これも素晴らしいです。 当麻は、生体肝移植の数少ないスペシャリストでした。大川市長は当麻の志に惚れ込み、日本初の脳死肝移植手術のレシピエントになることを決意します。
ただ当時は脳死認定が法制化前だったこともあり、当麻が殺人罪で起訴される可能性も高かったのです。そのため手術は極秘で進められるはずだったものの、当麻を潰そうと思っていた第一外科の野本医長のリークによって、マスコミが詰めかける事態となってしまいます。果たして当麻はどうなるのかは、見てのお楽しみに。但し小地蔵は、どんなことであろうと臓器移植に賛成しかねます。
そうまでして、患者を救おうとする当麻の医師になった経緯や当麻と浪子との別れのシーンも、感動を呼ぶことでしょう。
当麻と浪子の最後の日に撮影された一枚の集合写真。それを見つめていた息子の弘平は決意します。そして向かった先は、当麻の生き様を真似るかのように、田舎の病院へ赴任していったのでした。
院長に挨拶するために、院長室でしばし往診に出かけた院長の帰り待つ弘平。そこにはどこかで見たことのある都はるみのカセットテープが置かれてあり、母の日記にあったのと同じ集合写真が壁に飾られていたのでした。
【注意事項】血を見るのが苦手な人へ
本作の手術シーンは、ほぼ医療現場での手順がリアルに再現されます。血しぶきが飛んだり、臓器がそのまま露出するので、その手のものに苦手な人はショックを受けるかもしれないので、あらかじめ覚悟して見てください。
信念の外科医とそれに感化されナースとして目覚める看護師の物語
「目の前の患者を救いたい」という外科医の信念が次第に周囲を変えていく。
信念ゆえの孤立はやがて信頼へと変わっていく。
そして新しい命は受け継がれる。引き継がれる。
いい映画でしたね。
感動にむせび泣くというよりは考えさせる映画でしょうか。
命の大切さを考える映画ですかね。
そして、医師という職業の在り方、病院の社会的使命とは何か。
救急患者の病院たらい回しには、おもわず憤り理不尽さを感じましたね。
手術室に送り出すのは、本来は病気を治すため。
それが、他人を生かすために脳死状態の息子を母親が手術室に送り出す。
「よろしくお願いいたします」と。
このシーンには、思わず涙がこぼれ出てしまいました。
手術が終わり、息子が死んで「ありがとうございます」。言えないですよね。
子供を持つ身としては泣けましたね。ボロボロと。
手術室の場面は臨場感あふれ、緊迫感が伝わってきました。
それと、手術室には演歌があう、これにはなぜか納得してしまいました。
堤さんは信念を持つ“孤高の医師”をうまく演じていました。
夏川さんも看護師役と母親役を魅力的に好演。
胸が苦しくなる程、悩み考えながら観ていました
平成元年当時がリアルに描かれていて、すぐに入り込めました。患者どちらの立場も痛いほど理解できるので、ツライ気持ちで観ていました。
『僕の初恋を君に捧ぐ』でも同じような思いがありました。
オペの術野が超リアル。素晴らしい技術ですね。
僻地医療、先進医療、大学病院の医局、働く母と子供、行政、たくさんの問題を見事に2時間の映像で描いてくれたと感心しました。
クライマーズハイに続き、堤真一はさすがです。
余貴美子ヤバイです!助演女優賞三連覇も夢じゃないですよ。
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