劇場公開日 2011年7月15日

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「魔法の時間は終わらない」ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5魔法の時間は終わらない

2011年7月17日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

興奮

思えば最初から7部作でやる事が決定していた映画なんて前代未聞だった。
原作ファンでない自分は『まあ話題作だしィ』と
若干作業的な気持ちで観続けていたのも確かで、
1、2作目を観た時などは「これで7作もつの?」とまで考えたものだった。
(3作目以降はそこまで悪くなかったけど)

そんな醒めた観客の僕でも素直に言う。
このシリーズを観てきて良かった。
まったく見事な最終章だった。

『PART1』での伏線は勿論、シリーズ通してのわだかまりが
どんどん解消されていく展開が気持ち良い。
いや〜、随分長く待たせてくれたもんですね。
まさしく堰を切ったようにエキサイティングでエモーショナルな場面の連続。

特筆すべきは、スネイプ先生とハリーの○○との過去を描いたシーン。
暗く冷たいスネイプは、実は誰より熱い男だった。
今までのどっちつかずな態度にはそういう理由があったのね。
その想いの深さと高潔さに、思わず目頭が熱くなる。

もちろん他にも見所は満載。
ホグワーツ魔法学校が破壊し尽くされてしまう、
フィナーレに相応しい大スケールの戦闘シーン。
“キングスクロス駅”における、恩人との思いがけぬ、そして最期の邂逅。
ハリーを「いつも傍で」支え続けてくれた人々の優しい言葉。
ロンとハーマイオニーも……ちょっと唐突な気もしたけどまぁいいや!
そして、宿敵ヴォルデモートとの正真正銘の一騎討ち。
どちらがどう勝つかは観てのお楽しみ。

あ、そうそう、一作目からドジばかりしていたネビルも八面六臂の大活躍!
カッコ良くなったなあ、成長したなあ、ネビル。
マルフォイ坊やが最後までアレだったのは残念だけど。

過去シリーズを観る度、
「話の展開が遅い」だの「エキサイトするシーンが少ない」だの
なんだかんだ文句を言ってた自分だが、
クライマックスが近付くに連れ、「遂に終わっちまうんだなあ」としんみり。
シリーズのファンでも無い僕がそう感じたくらいだから、
ファンの方々はホント、ものすごく哀しいんだろうな。

けれど、あのエピローグ。
個人的には「ちょっと見せ過ぎ?」と感じたけどね、
あのシーンのお陰でシリーズが終わってしまう寂しさは軽くなるかもだ。

——魔法の時間は終わらない

そう思わせてくれるから。
この10年間、摩訶不思議な魔法の世界を信じ続けた
ファンの方々を裏切らない、優しく温かなカーテンコール。

<2011/7/16鑑賞>

浮遊きびなご