劇場公開日 2009年8月8日

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「世界でも犬は人の忠実な友人」HACHI 約束の犬 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0世界でも犬は人の忠実な友人

2013年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 70

 今更説明の必要もない、日本人ならば殆ど誰でも知っている有名な話。同じような話で「ユアン少年と小さな英雄」はかなり脚色されすぎていてのめりこめなかった。こちらもアメリカ版になって変に物語が脚色されたりしていないだろうかと少し警戒していたものの、基本に忠実に進めていく話はなかなか面白かったです。
 喋る動物も出ないし、とってつけたような劇的な出来事も起きない。だからこそいい映画になることがある。話はゆっくり進むし大きな展開はないしで、普段のハリウッドらしからぬ静かな演出でじっくり元の話しを壊さず展開してくれる。教授の死後、彼の家族が家を出て駅に向かおうとするハチの意思を尊重?してその後の世話を一切諦めるとかちょっときつい話だし、現在では飼い主のいない首輪もつけていない犬が町を自由に歩き回ることは不可能という意見もあるようだし実際その通りなのだろうが、そこらあたりは気がつかないふり。だって映画とは別に本当の話としてあったのだから、別にそんなこといいじゃない。実際のハチも周りの人から餌をもらってたというしね。

 犬は人間ほどたくさんの色彩を認識出来ないと言われている。ハチから見たカメラ目線になるたびに、下から見上げたように撮るだけでなく色彩も変えて白黒に近い色にしているのが面白い。いかにもハチが見ていますという気分になる。

 この映画、どういうわけかアメリカでは劇場公開がなくてDVD販売のみで終わっている。IMDbという英語の有名映画サイトで確認してみたら、視聴者からの意見も、泣いた・感動した等相当に評価も点数も高かった。それに世界的に充分に興行成績も上げているしリチャード・ギアも出演しているのに、いったい何があったのでしょうか。特に公式な理由は発表されていないようです。日本とかで稼げればいい、アメリカではこういう地味な話はうけないだろうとか思ったのかな。近年のハリウッドの動物映画といえば、人間のように喋ったり考えたりするような動物が出演するものばかりしか作られていないし、それしかうけないと思っているようだ。どうせならばアメリカでも劇場公開して欲しかった。評価を見る限りアメリカでも充分収益を上げられる可能性はあっただろうに。

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Cape God