HACHI/約束の犬 : 新作映画評論

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HACHI/約束の犬

劇場公開日 2009年8月8日
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HACHI/約束の犬 8月8日より丸の内ピカデリーほかにてロードショー

日本であろうがハリウッドであろうが、人間と犬の絆は普遍と実感

渋谷駅の前で主人の帰りを待ち続けた忠犬ハチ公。映画やドラマとなり、大勢の涙を絞った日本人好みの逸話に目をつけたのがチベット仏教徒としてのアジア人の精神性に重きを置くリチャード・ギアだ。

「脚本を読んだ瞬間、子供のように号泣した」と白状したギアが演じるのは、大学教授パーカー。出張帰りに駅で遭遇した子犬を連れ帰り、飼い主を探すまでのはずが……。つぶらな瞳の秋田犬と生活を共にすると、もうダメ。妻子も呆れるほどハチに夢中になり、ハチもそんなパーカーを一途に愛す。互いを徐々に探り合う過程は恋愛にも似ているし、2人の蜜月に愛犬家じゃなくとも頬がゆるむはず。ハチの視点によるローアングルのモノクロ映像(犬は色盲だからね)を挿入し、相思相愛ぶりを強調するラッセ・ハルストレム監督の演出もわかりやすくてよろしい。

とはいえ、本作の最大の貢献者にしてスターは、ハチ役の秋田犬たち。ふくふくしい子犬の愛らしさはもちろん、ご主人の他界を理解できずに駅で待ち続ける晩年を演じた老犬の哀愁漂う演技はアカデミー賞もの。じっと待ったのにご主人に会えないハチががっかりする場面では、彼の心の機微が痛いほどに伝わってきて、思わず鼻の奥がツーン。犬だから肩を落とすはずはないのだが、そういう風にも見えるから不思議。

冒頭からエンディングまで驚きやヒネリは一切ないものの、人間と犬の絆は普遍と実感し、精神面の充足感はたっぷり。見終わった瞬間、やさしい気持ちになっている自分に気づいた。

山縣みどり

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