劇場公開日 2008年12月6日

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「思うことは色々あるけど…ちゃんと災害の怖さを伝えている」252 生存者あり たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0思うことは色々あるけど…ちゃんと災害の怖さを伝えている

2021年11月22日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

単純

あまり良い評判ではなかったから警戒していたけど、悪くなかった。東日本大震災からの10年は日本も災害続きで本当にレスキュー隊の皆さんには頭が下がる。有り難みを感じられる映画になったと思う。

日テレ開局55周年記念映画なだけあって、かなりお金がかかっている。奮発したであろう大規模なセットは圧巻で、駅に流れ込む水とパニックな様子をノンストップで描く冒頭はかなり怖くて慄く。しかし、プロローグが弱いので台風が出来たと言っても不自然に感じる。この後いくつものパニック映画が日本で作られることを考えると、やはり自然考証は簡単ではないのだと思う。

今作はレスキュー隊を軸に、救助を待つ側と救う側の2つの視点から描かれる。それぞれに救いのセーフティネットが引かれている点は実に邦画らしく、現実味を割いている。韓国映画ならもっと無情な現実を叩きつけているはずだ。それもあってか、中盤のたるみが気になる。リアルタイムで追い込まれていく雰囲気より、救われるフラグが立っているように見えてしまう。しかし、レスキュー隊だからこそ捉えられる命の重みは一貫している点で良かった。

伊藤英明も内野聖陽も結局のところ、身内なら動いている感が強いのが残念だが、やはりカッコいい。ワイルドでタフな人物像が似合う。山本太郎を見るとどうしても政党がよぎるけど…俳優としては良いピースだとは思う。

災害映画と見くびっていたが、割とその時代に頑張れるCGも多用していたし、緊張感を持って観れた。色々思うところはあるけど、やはり災害に備えは必要。準備しておこうと思う。

たいよーさん。