劇場公開日 2023年11月23日

「世界を魅了したカリスマ」燃えよドラゴン とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0世界を魅了したカリスマ

2022年6月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

興奮

ブルース・リー氏のPV映画。
とはいえ、
アジアに対する評価が、とてつもなく低かった時代に、この男の主演映画を、ハリウッドは作った。
作らざるを得なかったのだろう。それほどまでの男・ブルース・リー氏。

そして、あのテーマソングとともにこの映画は不朽となった。
ブルース・リー氏の奇声すら音楽の一部となってしまっている。計算したのか?したんだろうな。

実際に格闘家でありながら、
映画においては、どのようにすれば、見せ場としてよくなるかを徹底的に研究したと聞く。

正直、映画の筋は二番煎じ。でも、USAに受けるための策だったのだろう。

今見ると、お笑い芸人かと思うほどのワイシャツのカラーも、時代だったのだろうけれど、この人でないと着こなせないよと、ブルース・リー氏という唯一無二の存在感を醸し出してくれる。
(Wikiによると、日本人デザインのブランドとのこと。時代だなあ)

弟子に教えていることと自分がやっていることが違うとか、USA受けするためであろう変な設定や演出?今見ると笑ってしまう場面も。
ケリー氏や他の方の使い方も、もったいない。(サクソン氏は、エフロン・ザック氏かと思うほど似ている。)
場面場面をただつなぎ合わせたようなアラに、ちょっとがっかり。

ブルース・リー氏の役柄としての一貫性・必然性もあまり感じられないし、一人芝居のようなところも惜しい。
Wikiで知ったが、エキストラは素人。脇を固める方々も、チャンピオンとか役者が少ない様子。だから、ブルース・リー氏一人で頑張るしかなかったのか?

だが、そんな点を払しょくして余りある、
ブルース・リー氏のシャイな表情、何考えているんだかわからない風来坊的な表情、おちゃめな表情を見せておいて、闘いの場面では”イッチャッテいる?”ような表情。あの奇声とか、表情とか、ためにためた後に炸裂するカンフー技とか、映画用に、ブルース・リー氏が考えに考え抜いた見せ場だとどこかで読んだ。その演出が最高で、手に汗握る。

あの、気分をあげてくれるテーマミュージックとともに、敵をバッタバッタとなぎ倒す爽快感は中毒になる。
 そんな場面と、
ブルース・リー氏の様々な表情が見られるだけで満足。だからPV映画のように見えてしまうが、だからこそ価値のある映画だと思う。

さ・ら・に、
冒頭のスパーリングパートナーはサモハン氏。ぷりっぷりの、金太郎のような様がかわいい。なのに、動きが…。さすがサモハン氏。
地下の乱闘では、エキストラとして三度ジャッキー・チェン氏が瞬発でのされる。あ、でも他のエキストラよりも比較的しっかり絡んでいる。
ユンピョウ氏もエキストラで出ているらしいが、未だ見つけられず…。
という楽しみも。

何もかも、ぶち壊したい破壊願望に駆られたときは、これが一番。
でも、シーンシーンごとにチャプター機能を使って、めでたくなるかな。
リー氏、ごめんなさい。

とみいじょん