ミザリーのレビュー・感想・評価
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骨の砕ける音はトラウマ級
キャシー・ベイツの伝説の一本。
雪山で車の事故を起こした作家が、彼を甲斐甲斐しく看病してくれる熱烈なファンの女に助けられ、発表前の作品のストーリーが気に入らないことから、異常な介入が始まる。
やがて生命の危険を感じるようになり、何とか脱出を試みるも、彼女の狂気が発動して…
画面がやや古臭いものの、登場人物もストーリーも極限まで削ぎ落としたストーリーで、私好み。傑作のスリラーです。
2015.9.9
ありそうな話
ネジが緩んだ頭のおかしいファンが人気作家を拉致監禁する話だが、本当にあったとしてもおかしくない話で、それが逆に怖い。自らが人気作家である原作のスティーブン・キングもこんな狂気的なファンに追いかけられた経験があるんだろうか?
10-061
”愛”の意味を問いたくなる。
推し活。
カスタマーハラスメント。
パワハラ。
DV。
虐待。
毒親。
この映画の成り行きが、映画や小説の突飛な話ではなく、現実にもあることが、なんとも恐ろしい。
アニー。
自分自身でもコントロールのできない感情の起伏。
それが、人から嫌われる原因と反省はするものの、それが自分自身を孤独に追いやっていることはわかってはいるものの、だからなおさら、自分自身を追いつめ、抜け出せないラビリンスとなっていく。
寂しい自分、惨めな自分。それを埋め尽くすための”推し”。
「こんなに尽くしているのに、感謝すらしない」その言葉の虚しさ。
尽くしているつもりの、”自分の正義・欲望”の押し付け。
称賛しまくる時・親身になる時と、恐怖に従わせる時と。丹精込めたものへ仕打ち。
「あなたならできる」その言葉が異様に怖かった。
そして、望みのものを得られた時の、あの表情。
映画では、大人の男相手だったから、相手はその異様に気づき、なんとかその支配から抜け出そうとするけれど。
子どもなら、あのとろけるような笑顔を”愛”と勘違いしてしまうのだろう。
事故から助けてくれた恩人。優しい笑顔。心のこもった看護。でも、え?連絡していない?些細な違和感を忍ばせる。
そして、急転直下。地獄へと変わる。
精魂込めた作品を…。身が切られるように辛い。
くるくる変わる表情・態度。機嫌がよいと思ったら。残酷無比な様相を見せるかと思ったら。反省して気落ちする場面も。文句を言いながらも、ミザリーのために動くその姿。たんなる情緒不安なさま・パワハラを見せつけるだけではない。「No.1のファン」として、”ミザリー”の成り行きに、一喜一憂する様は、”推し”のことで、一喜一憂するわが身と重なり、”かわいい”とも、ああこの気持ちわかると思ってしまう。だからと言って、大方の人間はあんなことはしない。”推し”を”大切”にする思いについては、袂を分かつ。そんなふり幅の大きい狂気を、”一人の人”としてまとめ上げた、脚本・演出・演技に拍手。そう、人格が分裂した人とか、多重人額ではない。どの思いもアニーその人。唸ってしまう。
そのアニーを受けるポールの一つ一つの表情が秀逸。一見やられっぱなしで媚びている場面もあるけれど、決して心折れずに反撃・脱出のチャンスをうかがっている、本当の意味のタフマン。
監禁から抜け出す方法が成功するのかというハラハラドキドキ。保安官がどうやって見つけれくれるのかというワクワク。成功したかに見えて、というところがリアル。そしてラストの大乱闘の前の、復讐の仕方も胸がすく。大乱闘も長く見えるが、ホラー的要素もあり、引っ張ってくれる。最後にも出てくる”豚”のブロンズという小物へのこだわりがまた憎い。
そして、レストランでの会話からのエンディング。ホラーが永遠に続く。こういう事件にあわれた方の心の傷=PTSDを表しており、苦しくなる。
映画としては秀逸。
雪山の中の一軒家。舞台も整っている。
そして、この密室劇ともいうべき中で二人の俳優がこれ以上の無い名演を繰り広げる。
息詰まる密室の外では、ちょっとおかしみのある老保安官夫婦が動き、アンサンブルを奏でる。
これ以上の無い媚薬。
でも、実生活で、こういう関係性の加害者・被害者とお会いしているから、映画が絵空事に見えなくて、映画を楽しむ気分になれない。苦しさだけがリフレインする。
キャシー・ベイツは彼女の自宅でジェームズ・カーンの新作の原稿を読んだが、 気に入らず激高。 ジェームズ・カーンはその時キャシー・ベイツの持つ狂気を知ることとなった。
1990年製作/108分/アメリカ
原題:Misery
配給:日本ヘラルド映画
ジェームズ・カーン
キャシー・ベイツ
リチャード・ファーンズワース
ローレン・バコール
フランシス・スターンハーゲン
グラハム・ジャービス
ジェリー・ポッター
トーマス・ブルーネル
ジューン・クリストファー
ジュリー・ペイン
スティーヴン・キング原作
ジェームズ・カーンは流行作家。
雪道で自家用車を運転中に事故に遭い、
キャシー・ベイツに救い出された。
全身にけがを負い瀕死だったが、キャシー・ベイツの看病で徐々に回復する。
キャシー・ベイツは元々ジェームズ・カーンの大ファンだった。
キャシー・ベイツは彼女の自宅でジェームズ・カーンの新作の原稿を読んだが、
気に入らず激高。
ジェームズ・カーンはその時キャシー・ベイツの持つ狂気を知ることとなった。
どうやったらここから逃げられるのか?
この作品でキャシー・ベイツは、第63回アカデミー賞で主演女優賞を獲った。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
怖い、怖い、キャシー・ベイツが怖すぎる。アカデミー受賞も納得です。...
怖い、怖い、キャシー・ベイツが怖すぎる。アカデミー受賞も納得です。
ケガで動けぬまま拉致される恐怖。
アニー(ベイツ)の留守中の勇敢な行動、どうなる?ドキドキです。
必死のワイン作戦。
エンディングに向け恐怖は加速していきます。
アニーのようなサイコパス、実は身近にいるのかも。
狂ったファンの恐怖
ジェームズカーン扮する作家ポールシェルダンは、新作を書き上げ雪道を運転して事故を起こし重傷を負ったところキャシーベイツ扮する看護師アニーウィルクスが助けてくれた。アニーは自宅で親切に手当てしてくれたし、作家ポールのファンでもあったので新作を読ませて欲しいと頼んだ。ポールはアニーに感想を求めたら急に興奮しだした。アニーはポールの作品ミザリーを町で買って来たあたりからポールはアニーの異常性に気づき始めた。狂ったファンの恐怖。見るからに痛そうだし、動けないだけに連絡も取れず辛いね。
「ポール担メンヘラ女」
サイコホラー映画
これが私の好みかもしれない
BSPで鑑賞 今の言葉で言うとポール担メンヘラ女だ。
おー、おーマジかマジか
と思わせる展開!怖い怖い
やはり1番怖い、恐ろしいのは人間だ。
アニー役のキャシーベイツの狂気に満ちた、いや優しい時はあれ?良い人そう「むしろかわいい?」と思わせる能力も凄いが
ポール役ジェームズカーンの 目だけでこれはヤバいとか 殺されるかもとわかる演技は良いしさすが売れっ子小説家
狂気みちた要求にも冷静に代替案を出して様子を探る場面も秀逸
見どころは
唯一の安心場面、老保安官夫婦のやりとり
FBIの調査能力の無能さ
アニーの優しい時には可愛く見える能力
1番のファンは裏切るととんでもなく怖い
ラストまで目が離せない 1時間48分と短い為かなりオススメ。
アニーよ銃を取って明日に向かえ
怖い怖いと聞いていたので、避けていたが、もうだいぶ年取って感受性が鈍ったから大丈夫だろうと思って、BS3の放送を見た。
確かに怖かった。公開時に見てたら、もっと怖かったと思う。ニコニコしてる時は優しそうなのに、突然スイッチが入って怒り始める女、アニー。どこに地雷が埋まってるか、ビクビクする。主人公ポールは怪我で歩けないし、外は豪雪、電話も通じず、脱出不可能。
ちょっとずつ状況がわかってきて、さまざまに作戦を立てるポール。そして、最終対決が!
面白く見られた。だいぶスティーブン・キングに慣れてきた。今なら「キャリー」もイケる気がする。
サイコ役
最近見た邦画「キャラクター」で思い出しました。
この映画を見て分かるようにサイコ役の演技でこれだけ、面白くなると言う見本の映画です。この映画に限らず羊たちの沈黙、チェイサー、悪魔を見たのサイコ役もそうですが、もっとも重要な位置を締めています。そう思うと「キャラクター」は残念でした。一部サイコ役が評価されている見たいですが、この映画を見てどう思われますか?
何だかキャラクターのサイコ役者の悪口になってしまいましたが正当な評価を見極めて下さい。この映画は今更、言う事でもありませんが傑作です。
もはや古典
もはや古典。
このキャシーベイツには一本持たせる華がある。
いそうでいない普通のおばさん。
切迫感恐怖感が僅かに足らず間抜けな塩梅も良し。
撮影者ゆえかコーエン臭も。
宮本信子、津川雅彦、監督伊丹十三で見たかった。
年寄りばかりという変な味わいも好きだ。
キングの奥深さを知る。
主役のキャシー・ベイツをどこかで見たことがあると思ったら、
沈黙(同じく、スティーヴン・キング作)に出ている事を気付いて、本当に驚いた。
全く関係ない作品であるが、なんかファンとしてはなんか隠し玉を見つけた気持ちでワクワクした。
こちらの映画もキャシー・ベイツが淡々と演じる恐さがいい感じである。
自分の思いのままに好きな人を独り占めしたいという狂気。
最後まで楽しく見ることができた。
Misery the pig : herself
時々キャシー・ベイツの顔がとても愛らしくなる。ナンバーワン・ファンと言いつつも、彼女は作家本人のファンではなく、もはや「ミザリー」シリーズの小説のファンになっている。「ミザリーをなぜ殺してしまったの?!」と、怒るアニー。ポールの大事な原稿を焼くことによってミザリー愛を昇華させる・・・
看護師という職業は身についていたもの。助けて看護することは性格によるものではなく、職業意識としてだと思う。ポールが大丈夫だと悟った瞬間から、独占欲、彼を独占するのではなく、ミザリーの新刊を独占したいだけ。
残虐な行為という現れもポール自身を愛しているのではない。書籍の主人公を自分に投影しただけのものだろう。だから、ミザリーを殺すことにブチ切れる。ポールを拷問にかけてでもハッピーエンドを書かせたいのだ。
脱出サスペンスとしても秀逸で、ヘアピンによる開錠、薬をワインに混ぜる、包丁を忍ばせるといった行為、どれもが失敗に終わり、「ミザリー」新作を書き上げるという復讐を思いつくのだった。もう、怖さは半端ない。彼女のアルバムを見て、殺人鬼であることがわかった瞬間、身動きが取れなくなる恐怖。山小屋に一人で暮らしくない!とまで思わせてくれた。そして、「高等教育」という本のタイトルがなんとも言えない・・・
狂気に満ちた愛と憎悪
自分がキャシーベイツを観たのはこの映画が初めてだった。以降、何作か彼女出演映画を観たのだけれど、このアニー役が脳裏から離れなかった。そのくらいの怪演だった。
ある種の密室サイコホラー。愛情と憎しみは表裏一体。彼女の表現力の振り幅の広さに脱帽。
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