マルチニックの少年

劇場公開日:

解説

カリブ海に点在する島の一つフランス領のマルチニックを舞台に島の少年ジョゼの目を通して貧困と矛盾に満ちた1930年代の島の生活を描く。製作はネフ・ディフュシオン、監督・脚本はマルチニック島出身の女流監督ユーザン・パルシー。原作はジョゼフ・ゾベル、撮影はドミニク・シャピュイ、音楽はマラボアが担当。出演はギャリー・カドナ、ダーリン・レジティム、ドゥータ・セックなど。

1983年製作/フランス
原題:Rue Cases Necres
配給:日本ヘラルド映画=ヘラルド・エース
劇場公開日:1985年11月23日

ストーリー

1930年8月、仏領マルチニック島、塩の河。通称「黒人街通り」はベケと呼ばれる白人たちが所有する砂糖キビ畑で働く黒人の村だ。彼らは白人に支配され、安い賃金で苛酷な労働を強いられていた。しかし、そんな状況下でも、子どもたちは、のびのびと生活していた。夏休み、リーダー格のジョゼ(ギャリー・ガドナ)は19歳。両親とは死別したが、やさしい祖母ママンティン(ダーリン・レジティム)といっしょに暮らしている。ママンティンはやさしいけど、厳しい。人間としての誇りを忘れてはいけないと、いつもジョゼに言いきかせていた。もう一人、ジョゼの成長をあたたかく見つめている老人がいた。村の長老メドゥーズ(ドゥータ・セック)だ。かつてアフリカから奴隷として連れてこられ、黒人解放運動にも参加したことのある気骨のある人物だ。老人はジョゼの友であり父親のような存在だった。そしてジョゼに語った。「万物は創造の秘密に満ちている。自然の摂理に従わなくてはいけない」。夏休みが終り、学校が始まった。勉強好きのジョゼは、町の有力者の息子レオポルド(ローラン・サン=シール)と並んでクラスでも優秀な生徒だ。あこがれのフォール市の奨学金を受けることを夢みて励んでいた。そんなある日、メドゥーズが死んだ。卒業試験が始まり、10人の生徒全員が合格した。なかでも優秀だったジョゼは奨学生の資格試験を受け、見事合格する。港の倉庫を改造してママンティンと暮らすことになった有頂天のジョゼだったが、ジョゼのための新しいシャツを作るために村へ帰ったママンティンがなかなか帰ってこない。心配してジョゼは黒人街に行ってみるが、そのころレオポルドがベケの不正を暴こうとして帳簿を盗み逮捕されたという知らせを聞く。手錠をかけられたレオポルドを見つめるジョゼ。戻ってみると、ママンティンが心臓の病気で死んだ。悲しみもいえないうちに、ジョゼはフォール市へ向かうのだった。

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