裸の拍車

劇場公開日:

解説

「怒りの河」と同じく、アンソニー・マンが監督しジェイムス・ステュアートが主演するテクニカラー西部劇で、「暴力行為」のウィリアム・H・ライトが製作した1953年作品。脚本はラジオやTVの新進ライター・チーム、サム・ロルフとハロルド・ジャック・ブルーム、撮影は「ミズーリ横断」のウィリアム・C・メラー、音楽は「北の狼」のブロニスロー・ケイパー」の担当。共演者は「血闘」のジャネット・リー、「荒野の三悪人」のロバート・ライアン、「ジープの四人」の新人ラルフ・ミーカー、「雨に唄えば」のミラード・ミッチェル。

1953年製作/91分/アメリカ
原題:The Naked Spur
配給:MGM映画会社
劇場公開日:1953年10月24日

ストーリー

1868年、コロラドのロッキー山中、ハワード・ケムプ(ジェームズ・ステュアート)という青年は、5千ドルの賞金を目当てに保安官殺しのならず者ベン・ヴァンダーグロート(ロバート・ライアン)を追っていた。ケムプは途中、出会った金鉱探しの老人ジェッシ・テイト(ミラード・ミッチェル)に20ドルやるからと仲間に入れ、2人は遂にベンが断崖の上に潜んでいることを発見した。いかにしてベンと捕らえようかと考えて入る2人のそばに、元騎兵隊の中尉でインディアン娘との不名誉な事件のため隊を追われたロイ・アンダースン(ラルフ・ミーカー)という男がやって来た。ロイもケムプも追う相手に莫大な賞金がかかっているとは知らずに協力することになった。3人は激闘の末ベンを捕らえたが、思いがけなく若い女がベンと一緒にいた。女はリナ・パッチ(ジャネット・リー)といい、ベンと一緒に加州へ行くつもりであった。ケムプはベンを一人で護送しようと思ったが、ジェッシとロイが賞金のことを知り、それぞれ1/3ずつの分配を主張したので、ケムプもやむなく承知し、アビリーンまでの長い道中を5人で続けることになった。ある日彼らはインディアンの一隊と遭遇した。後ぐらいロイが発砲したため、インディアンとの激闘が展開、やっとのことで危地を脱したが、ケムプは足に重傷を負った。ベンは何とか3人が賞金のことで仲間割れするよう考え、脱出の機会を狙っていた。激しい雨の夜、一行は岩穴に寝たが、ベンは今こそ脱出の好機と、リナをケムプに近づけて注意をそらそうとした。彼女にひそかな想いを寄せるようになっていたケムプはリナと語らい接吻したとき、ベンは砂を切り崩して抜け口へ殺到した。しかしケムプは素早くこれを押さえた。今度ベンは、ジェッシに金鉱のありかを教えると巧みにつり、ほかの2人のすきを見てリナをともない脱出し、途中でジェッシを射殺した。これを知ったケムプとロイはベンを追い激しい撃ち合いの末、ベンを倒した。ベンの死体は激流に落ち、それを拾いあげようとしたロイはかえって流れにのまれてしまった。ケムプは今こそ5千ドルを一人占めできると、喜んでベンの死体を馬に積んだが、泣き崩れるリナを見て思い直し、死体を埋葬した。2人は過去のすべてと決別し、新しい生活を求めてカリフォルニアに向かった。

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