泥棒野郎

劇場公開日:

解説

スラム育ちのか弱き純情野郎が、小才のきくのをいいことに、銀行強盗やら数々の事件を引き起こして愛嬌をふりまく。製作はチャールズ・H・ジョフィ、監督、脚本、出演と八面六臂の活躍は「何かいいことないか子猫チャン」「007/カジノ・ロワイヤル」のウディ・アレン、ミッキー・ローズが共同脚本、撮影は「荒野のアパッチ」のレスター・ショア、音楽を「泳ぐひと」のマーヴィン・ハムリッシュ、編集はジェームズ・T・ヘカート、ロン・カリッシュ、フレッド・ハープマンなどがそれぞれ担当。出演はアレンの他、「ネバダ・スミス」「リサの瞳のなかに」のジャネット・マーゴリン、ジャクリーン・ハイドなど。

1969年製作/アメリカ
原題:Take the Money and Run!
配給:松竹映配
劇場公開日:1971年3月20日

ストーリー

バルティモアのスラム育ちのバージル(ウディ・アレン)は、外見は貧弱で内気のうえに滅法ケンカに弱い男だが、ただ今5つの変名を使いわけ、53の犯罪を重ねてFBIから手配を受けているちょっとしたシタタカ者。ガキのときから手癖が悪く、といえば聞こえはいいが、物心ついたときには近所の悪童連の手足となって働いていた。それだけ弱かったワケで、肝心なときのシリぬぐいは彼の役目。両親もすっかり気の毒がって、マトモな道をとチェロを与えるが、生来の音痴でどーにもならない。それ以来、バージルは一大決心をしたのだ。チェロよりもはるかに年期の入った悪の道。未来の“カポネ”を夢みて悪知恵と手先の器用さに磨きをかけよう。そしてしばし往復するシャバと刑務所暮らし。運と不運は紙一重。そうは思っているが、不思議にも思っていることとやることは全部裏目となって出てくるのだ。身についたドジな性格はぬぐうべくもないらしい。さて、久しぶりにシャバに出たバージルは、運命の女と出会った。“かっぱらい”でもやろうかと公園をウロウロしていて会ったのだ。「あんた何してんの?」「うむむ、チェロの奏者」。悲しいかなバージル、嘘をついてしまう。ルイーズ(ジャネット・マーゴリン)はすてきな美人だった。彼女もバージルを気に入ったようだ。しかし、甘く楽しい逢う瀬に必要なのは金である。一念発起の銀行強盗をやったつもりだったが、武運つたなく刑務所へ--。ルイーズが面会にきた。彼女はすべて知っていた。「待ってるわ」にバージルは励まされ、模範囚を志すが、悪い奴はいるもので、脱獄計画に乗せられる。その計画は取り止めとなったのだが、連絡を受けなかったバージルは孤軍大奮闘、成功してルイーズのところへ逃げる帰る。他州へ逃げた2人は結婚してしばし幸福な生活を楽しむ。バージルもセールスマンとしてカタギの生活にとけ込んでいる。だが、その会社秘書の大年増ブレヤー(ジャクリーン・ハイド)がバージルの過去を知り、強請ったり、ベットの相手をしろとかいい始める。バージルもダイナマイトや車で轢き殺そうとしたりして抵抗はするが、ドジゆえにいずれも失敗。妻ルイーズと子供を連れて他州へ逃避行とあいなった。金銭難から昔の仲間を集めて綿密な銀行強盗を計画するが、大ドジで再び刑務所へ。バージルはその名も高きアリゾン刑務所へ送られるのだが、再び脱走。一家をかかえてバージルの逃避行は重ねられる。小さな犯罪が積もっていく。ある時、昔の楽団の仲間を恐喝したら、今や彼は刑事になっていたというのが、とどのつまりで53犯。800 年の刑を受けた男は逮捕された。ところが現在、彼は大学や講演会の人気が高く、刑務所と外での犯罪学の講演を繰り返すといった優雅な生活を送っているということである。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く