劇場公開日 1965年4月1日

「黄金大作戦!」007/ゴールドフィンガー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0黄金大作戦!

2020年5月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

シリーズ3作目。1964年の作品。

今回の任務は…
世界的大富豪ゴールドフィンガーの監視。金塊不当入手の疑いがあり、ナチスの伝説の金塊を囮に近付くと、アメリカのギャングと組んで“グランド・スラム計画”という陰謀を企んでいる事を突き止める…!

本作は展開云々より、本作を語る上で欠かせないキャラやインパクトシーンこそ面白味あり。

まず、タイトルにもなっている悪役、ゴールドフィンガー。
強敵かと思いきや、冒頭いかさまポーカーしたり、終盤米軍将校に扮して窮地を逃げたりと小賢しい。
賭けと黄金好きで、演じたゲルト・フレーベの恰幅のいい体型と共に、シリーズ印象的な名悪役!

もしかしたら、ボスのゴールドフィンガーよりインパクト抜群なのは、部下のオッドジョブかもしれない。
「あ~」としか発さない無口だが、ボスに忠実。用心棒に運転手にゴルフのキャディーまで。
驚くべきはその力で、金塊を投げぶつけられたってびくともしない。必殺技は言わずと知れた、ハットカッター!
演じたハロルド坂田、ハワイ出身の日系人で元悪役レスラーだったが、何だか顔が優しいんだよね。

ボンドガールもこれまたシリーズでも印象的。特に名前が。その名も…
プッシー・ガロア!
言うまでもなく女性器を示す言葉で、今だったら完全アウトだろう。
女性をセクシーの対象にしていた初期シリーズや時代を感じる…。
とは言え、演じたオナー・ブラックマン(←こちらもなかなか…!)の妖艶な魅力。
元々敵側で、ボンドの魅力に負け、こちら側に付く…というのも後の定番で、その元祖。

ボンドガールは3人。
最初の一人が、全身に金粉を塗られ死んでいる姿は、本作の代名詞的シーン。
ボンドがゴールドレーザーで危機一髪のシーンはハラハラ、中盤のカーチェイスは迫力あり。
クライマックスの大金庫内での攻防など、見せ場も要所要所。

そして、主題歌。
♪ゴールドフィンガー!
一度聞いたら忘れられないメロディー、歌詞。
これも某バラエティー番組で使用され、若者の間では完全にそれでお馴染みになっているかもしれないが、シリーズで最も有名な主題歌である事は間違いない!

前作は完成度の高いスパイ・サスペンスであったが、本作はちとツッコミ所多々。
何だかお間抜けなゴールドフィンガーの部下たち。
プッシー率いる美女軍団。
ゴールドフィンガーの手中に捕らえられたボンドだが、危機というより旧友と再会してのんびりのほほ~んな雰囲気。オイオイ…。

まあでも、全体的に肩の力を抜いて楽しめる娯楽作。エンタメ度の高さはシリーズでも上々。
ショーン・ボンドでも唯一、スペクターが絡まず(権利上の訳ありで)、シリーズ初見でもすんなり見れる。
ガンバレル・シークエンス~プレ・シークエンス~主題歌と共に女性のセクシーボディを愛でるタイトル・バック。
個性的な悪役とその部下。複数登場のボンドガール。
Qの新秘密兵器解説と、任務でのその実戦。
そして、世界を股にかけ活躍するボンド。
本作で、ボンド映画のスタイルが完全に確立したと言えよう。

近大