縛り首の木

劇場公開日:

解説

「西部の人」のゲイリー・クーパーと「女の一生」のマリア・シェルが顔をあわせて共演する西部劇。監督は「カウボーイ」のデルマー・デイヴス。ドロシー・M・ジョンソンの原作を「追撃機」のウェンデル・メイスと、ハルステッド・ウェルズが共同脚色し撮影は「追憶(1957)」のテッド・マッコード。音楽はマックス・スタイナー。他に出演するのは「B52爆撃隊」のカール・マルデン、ジョージ・C・スコット、新人ベン・ピアザ、カール・スウェンソン等。製作マーティン・ジュローとリチャード・シェファード。テクニカラー、スタンダードサイズ。1959年作品。

1959年製作/アメリカ
原題:The Hanging Tree
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1959年2月20日

ストーリー

長身の医師ジョー・フレイル(ゲイリー・クーパー)はひとり新興の金鉱地モンタナのスカルクリークにやってきた。そしてちょっとした盗みを働き町の顔役フレンチイ(カール・マルデン)に肩を射たれた若者ルーン(ベン・ピアザ)を救った。フレイルの召使となったルーンは、過去を隠した孤独なフレイルの身の上を不思議に思った。ある日、スカルクリークに来る駅馬車が強盗に襲われ、暴走した馬車に残った女の乗客1人をのぞいて客がみな殺しになる事件が起こった。探索隊が出され、フレンチや、彼に顔はまだ知られていないルーンもこれに加わった。見つけ出された、スイスからこの地にやってきた女エリザベス・マーラー(マリア・シェル)は、激しい太陽光線に顔を焼かれて半死半生の状態だった。フレイルとルーンは彼女をひきとって治療につくした。やがて快方に向かった彼女に、フレンチイが手を出したが、彼はフレイルに殴り倒された。陽に焼かれた目も全快し、エリザベスはフレイルを思慕するようになっていた。しかしフレイルは何故かこれを拒んだ。彼女はルーンとともにフレイルの家を出てフレンチイと組んで金鉱採掘をはじめた。実はその資金は、密かにフレイルが出しているのを彼女は知らなかった。採掘ははかどらなかった。ところがある暴風雨の日、倒れた巨木の根元から輝く大金鉱脈が発見された。夢を実現させたフレンチイは狂喜して酒に酔い、かねて狙っていたエリザベスに襲いかかった。来合わせたフレイルの拳銃が、フレンチイを即座に葬った。この時、フレンチイの振舞い酒に酔った群衆がフレイルを襲った。彼は山頂の縛り首の木にかけられる危機に追いこまれた。その彼を救ったのは、金鉱の権利を放棄して彼の助命を求めたエリザベスだった。昔、兄と不貞を働いた妻を自殺させた過去をもつフレイルも、今はエリザベスの愛をうけ入れることに心を決めるのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第32回 アカデミー賞(1960年)

ノミネート

主題歌賞
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映画レビュー

3.5偏屈医者が強盗に襲われた瀕死の美女を救う。ホの字になる女。いやいや...

2023年3月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

偏屈医者が強盗に襲われた瀕死の美女を救う。ホの字になる女。いやいや、無理あんだろ!歳違いすぎ。
金脈発見から縛り首へ、終盤は怒涛の展開。狂乱の民衆に恐怖、今でも起こりそう。
結論、1番可哀想なのはルーンである(笑)

名言、「男ってやつは、女に生かされてるんだな」
主題歌も粋です。

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はむひろみ

4.0主題歌が有名な西部劇の一本

2021年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

昔から主題歌だけは知っていたのだが、NHKのBSプレミアムで初めて作品を見ることができた。
それほど有名作というわけでもないが、すっきりした良い作品だと思う。

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ブースカちゃん

2.5尋常ではない金脈騒ぎ

2021年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ゲイリークーパー扮する医師ジョーフレイルは、新たに家を買いベンピアッツァ扮する金泥棒のルーンを助け使用人にした。ジョーはほとんど無料で治療した。マリアシェル扮する強盗に襲われたエリザベスマーラーが渓谷で倒れていて、ジョーが火傷を治療した。

ジョーは、金を掘り始めたエリザベスとルーンらを陰で援助していたのにエリザベスが商売女呼ばわりされたと文句言われるのは忍びないね。さらにはいざ金脈を当てたら尋常ではなくなるから縛り首になる様な事が起こりやすい。いくら日頃から医療に務めていても公開処刑を受けるものなのかな。

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重

1.0魅力のマリア・シェル出演作だけに残念な作品!

2021年4月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

よく解らない映画だったが、
各サイトのレビューの評価が高かったので、
あえて投稿させて頂きました。

前半は、ジョーの秘密は何かとの観点から
興味深く観れたが、その判明後は
疑問の多い展開だった。

ストーリーの骨子は、
人々がゴールドラッシュの狂気の時代、
妻と不倫相手を始末して人間不信にあった
ジョーが、
せっかく手にした膨大な金鉱の権利を
放棄してまで縛り首から救ってくれた
エリザベスとルーンの行動から、
人を愛する気持ちを取り戻すとの話
なのだろうとは思う。

しかし、エリザベスからしてみると、
確かに二度も助けてもらった相手で、
金銭的価値以上の彼の人間性に惹かれた想い
があったとしても、
散々苦労した権利放棄での、
勢いづく群衆の縛り首を止めるシーンが
ストレート過ぎて、
リアリティと演出の上手さを
感じることは出来なかった。

また、ルーンの存在の意味が解らない。
彼がいなくとも話は成立するのでは無いかと
思ってしまったり、
エリザベスが明らかに良い印象を
持っていないフレンチを金採掘の共同事業
の相手に選ぶ必然性が分からない等、
話の構成に理解が及ばない。

更に、ジョーがフレンチを殺害するシーン、
確かにジョーが過去のトラウマから
エリザベスへの恋心を封印していた結果
とは言え、フレンチの殺害まで及ぶだろうか
という疑問が拭えない。
不倫を理由に妻などを殺害した過去を考える
と、実はエリザベスが思い焦がれるには
程遠い残虐性が彼の中にあると想像すると、
ラストシーンの二人の抱擁に
素直に感動は出来ない。
あるいは、監督は二人の想いのズレを
この映画の隠しテーマにしている
のだろうか。

大好きなマリア・シェルが重要な役どころで
出ているだけに私には不徹底さを感じる
残念な作品だった。

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