劇場公開時に映画館で観た。オリバー・ストーンの映画はこれ以前はテレビやビデオで観ていて、映画館で観たのは本作が初めてだった。
非常に面白かった。ケネディを理想化しすぎている部分にはちょっと疑問があるし、話が入りきらないためか少々わかりにくい部分もあるものの、サスペンス映画としての面白さは間違いなく一級品で3時間の長さを全く感じさせない。ケネディ暗殺の真犯人がこの映画の推理通りかどうかはともかくとしても、かねてより言われていたオズワルド単独犯行説に対する疑惑をこの映画が一般に大きく広めたのは間違いないだろう。刺激的な映画だった。ジム・ギャリソンの原作本も読んだなあ。
主演のケビン・コスナーばかりでなく、トミー・リー・ジョーンズ、ジョー・ペシ、ゲイリー・オールドマン、ケビン・ベーコンなどいずれも好演で、ジョーンズやオールドマンはこの映画で初めて認識したんじゃなかったかな。
なおDVD&Blu-rayはディレクターズカット完全版のみのようで、配信も大半がディレクターズカット完全版のようだ。そのディレクターズカット完全版もレンタルビデオで観た。
一般的に映画のディレクターズカット完全版などは通常版とそれほど大きな差が無く、あまり印象や感想が変わらないことが多いんだが、この映画はディレクターズカット完全版によって追加されたシーンでさらに面白くなっている。通常版でも非常に面白く満足した作品だったが、それでも話が入り切らないところが多かったんだろう。もちろんこのディレクターズカット完全版でも話が入り切らなかったシーンもあるようだが(特にジャック・ルビーの死の描写。ディレクターズカット完全版DVD&Blu-rayの特典映像にはカットされたシーンが収録されている)、通常版よりさらに完成度が上がったと言っていいだろう。だからこそDVD&Blu-rayがディレクターズカット完全版のみとなり、配信も大半がディレクターズカット完全版となっているのだと思われる。