殺人!

劇場公開日:

解説

サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックの初期作品で、ヒッチには珍しく、犯人探しに主眼を置いた古典的な謎解きスリラー。これまでビデオ発売のみだったが、製作から64年を経て初の劇場公開となった。クレメンス・ディーンとヘレン・シンプソンが共同執筆した推理戯曲『サー・ジョン登場』の映画化で、脚本は監督夫人のアルマ・レヴィル。製作はヒッチコックの「ゆすり」も手掛けたジョン・マックスウェル、撮影はJ・J・コックス、美術はJ・F・ミードが担当。主演は、のちにヒッチコックの渡米後第2作「海外特派員」にも出演したハーバート・マーシャル。共演はノラ・ベアリング、フィリス・コンスタム、エドワード・チャップマンほか。

1930年製作/イギリス
原題:Murder!
配給:シネマ・キャッツ
劇場公開日:1994年1月14日

ストーリー

ロンドンのある劇団の花形女優エドナ・ドルースが殺された。現場には、同じ劇団の若い女優ダイアナ・ベアリング(ノラ・ベアリング)が火かき棒を持って呆然と立っていた。彼女は逮捕され、起訴される。裁判では陪審員のひとり、サー・ジョン・メニエ(ハーバート・マーシャル)の弁護もむなしく、ダイアナは死刑を宣告された。劇作家兼俳優にしてアマチュア探偵を気取るサー・ジョンには彼女の犯行とは思えず、単独で調査に乗り出す。彼はダイアナに面会するが、彼女には何やら事件について秘密があるらしい。サー・ジョンが事件を洗い直した結果、女装の空中ブランコ芸人、ハンデル・フェイン(エスメ・パーシー)が容疑者として浮かんできた。サー・ジョンは一計を案じ、今回の事件をモデルにした芝居を上演する計画を立てる。その準備中に怖じ気づいたハンデルは、犯行をほのめかすようになるが、物的証拠がないため逮捕できない。ハンデルは自分のある秘密を、エドナがダイアナに喋るのではないかという不安から犯行に及んだのだった。その秘密とは、彼はインディアンと白人の混血であったうえに、同性愛者というものだった。ハンデルはサー・ジョンに心理的に追い詰められ、空中ブランコの演技の最中にロープで首を吊る。ダイアナは釈放され、サー・ジョンの新しい芝居で彼と共演した。

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映画レビュー

3.5カメラワークにその後のヒッチコックらしさが現れておりそこは評価したい

2019年3月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

冒頭、まず殺人事件が起こりデートリッヒを若い娘にしたかのような知的な顔の小さい女性が犯人にされる
次のシーンは法廷となり、12人の怒れる男のような1人対11人の陪審員の評決を巡るやり取りとなり、ようやくここで主人公の登場となる

そこから中盤はかなりもたつきヒッチコックにしては退屈してしまう
後半になり劇中劇やサーカスのくだりで盛り返すが、カタルシスはなく不発で終わってしまう

ただ本作にはカメラワークにその後のヒッチコックらしさが現れておりそこは評価したい
クレーンを使った俯瞰シーンや、絞首刑台そのものはみせず、日が傾くに従って壁に影だけが立ち上がってくるシーンは見事
それが結末の伏線にもなっているのだ

しかし全体からみればやはり失望してしまう
ヒッチコック監督、ご自分でも不本意だったのでしょうと

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