最後の貴族

劇場公開日:

解説

アメリカに留学した富裕階級の娘が、中国激動の荒波にのまれ陥ってゆく運命の悲劇を描く歴史ドラマ。監督は「芙蓉鎮」の謝晋、脚本は白先勇の「謫仙記」を原作に、白樺と孫正国の共同、撮影は蘆俊福、音楽は金復載が担当。出演は潘虹、李克純ほか。

1989年製作/110分/中国
原題:The Last Aristocrats
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1990年9月8日

ストーリー

一九四八年、上海フランス租界。国民党政権の高級外交官の娘李丹彡(潘虹)はアメリカ留学を控え、20歳の誕生日を家族や友人と共に祝う。その輪の中には李丹彡に思いを寄せる陳寅(プー・ツンシン)の姿もあった。外交官となる夢を持ち、友人の黄彗芬(李克純)、張嘉行(盧玲)らと共に勉学に励む日々はまたたく間に過ぎ去り、そして一九四九年、ニューイヤーパーティーを楽しむ李丹彡のもとに両親が台湾へ向かう客船に乗った両親が遭難して亡くなったという訃報が届いた。一転、悲嘆の底に沈む李丹彡。友に別れを告げ何処ともなくさすらいの旅に出るのだった。その頃、中国では国民党政権が追われ、共産党政府が誕生し時代は大きく変化していった。そして李丹彡の友人たちの間にも境遇の変化が訪れる。陳寅と彗芬は恋におち、張嘉行も小児科医との結婚が決まった。二組の結婚式の日、帰らない日々への思いを胸に驚くような派手な装いに変貌した李丹彡が現れる。しかし傷心は隠しようがなかった。そして陳寅は彼女が妻子ある男性の愛人となっていたことを知る。やがて李丹彡は姿を消し、彗芬と嘉行は母となった頃、再び彼らの前に現れた彼女はもはや見る影もなく落ちぶれて、酒びたりの日々を送っていた。場末の酒場で李丹彡は陳寅に初めて心情を打ち明けるが、もはや失ったものは取り返しがつかなくなっていた。再び姿を消した彼女はもう彼らの前に現れることはなかった。自らの生まれた父母の故郷、ベニスの水に永遠に姿を消したのだ。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く