折れた矢(1950)

劇場公開日:

解説

フォックスの新鋭プロデューサー、ジュリアン・ブラウステインの1950年度製作作品。エリオット・アーノルドの原作小説「ブラッド・ブラザア」から「四人の息子(1941)」のマイケル・ブランクフォートが脚色、「潜行者」のデルマー・デイヴスが監督した。撮影は「嵐の園」のアーネスト・パーマー、音楽は「気まぐれ天使」のヒューゴー・フリードホーファーの担当。主人公には「不時着結婚」のジェームズ・スチュアートが扮し、以下49年にラジオから映画入りしたジェフ・チャンドラー、「他人の家」のデブラ・パジェット、バシル・ルイスダール、ウィル・ギアらが助演する。

1950年製作/アメリカ
原題:Broken Arrow
配給:セントラル
劇場公開日:1951年9月21日

ストーリー

1870年、アリゾナ地方は、白人とインディアン・アパッチ族との間に流血の惨事が絶えなかった。この地方に金を探しに来たトム・ジェファド(ジェームズ・スチュアート)は傷ついたアパッチ少年を助けたことからアパッチ族もまた公正を重んずることを知り、暴力をもってしては2者の確執がとけぬことを信ずるに至った。彼はアパッチ族を統率する大酋長のコチーズ(ジェフ・チャンドラー)を訪ね、和睦を申し込んだ。白人に対する不安は解くすべもなかったが、酋長はトムの誠意だけは信じ、以後トムはしばしばインディアンの集落をおとずれるうちに、アパッチ少女ソンシアレイ(デブラ・パジェット)と恋におちた。一方、グラント大統領からアリゾナに派遣されたハワアド将軍は、アパッチとの和平に心を砕き、トムに動かされてコチーズと会見、合衆国とアパッチの間に3ケ月の休戦条約が成立した。トムはソンシアレイと結婚し、休戦は永続するかにみえたが、コチーズの軟弱に反旗をひるがえしたインディアン、ジェロニモが白人を襲い、平和が破れかけるようなことも起こった。たまたまコチーズを亡きものにしようとしていた悪白人の一団は、謀略をもってコチーズやトムをおびき出し、待ち伏せの上皆殺しにかかった。このためトムは愛妻ソンシアレイを失い、平和への希望もなくすほど激怒したが、しかしそれを押し止めて、平和実現のためには苦しみを忍ばねばならぬとさとしたのはコチーズであった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

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映画レビュー

4.0冷静かつ信義に厚い、インディアンの族長コチーズ

2022年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

何の気なしに見たが、元北軍の主人公トムと、敵対するインディアンの族長コチーズ

との立場を超えた信頼関係が印象に残った。

対立するもの同士が和睦するには、話し合いを重ね、試行期間を設け、諍いが発生しても

激昂することなく、先を見据え冷静に対処する。実際の国際関係も同じだろうと感じた。

それにしても昔のアメリカ映画はインディアンが出てくるのが多い。

アメリカは欧州人が先住民から奪った土地なのだと、再認識させられる。

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藤崎敬太

3.0西部開拓史が侵略史だったと描く作品は古くからあったと…

2022年4月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

いくら年齢を重ねても
新しく知ることが多い。

最近、71年公開作品「ソルジャー・ブルー」を
初めて鑑賞、同年の「小さな巨人」と合わせ、
アメリカ先住民の描写の変わる
分岐点になった年かと思っていたら、
その約20年も前に、
実際は誰が侵略者だったのかを
明確に描いた作品があったことを知った。

考えてみると、
ジョン・フォード監督作品でも徐々に
先住民の扱いに変化が見られるし、
調べてみると、
この20年間は空白でも何でもなく、
先住民の苦難に理解を示す作品が
幾つもあったことも知ることが出来る。

侵略者側にも先住民側にも
相手への理解が及ばない面々がいて、
問題解決のハードルになってしまうのは、
洋の東西を問わず、
また時代を問わずあり、
注意しなければとも考えさせられる作品だ。

ただ、終盤の展開とラストは
演出のエネルギーが尽きてしまったのかと
思わせるほどの平板な処理で残念だった。

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KENZO一級建築士事務所

3.0アパッチ族

2022年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

金鉱探しの主人公(ジェームズ・スチュワート)は、怪我をしたアパッチ族の少年を助けたことから、白人とインディアンの和平を求めるようになる。
大酋長(ジェフ・チャンドラー)の信義を大切にする姿勢に敬意を払い、信頼関係を築く。
遂には大統領からの依頼で和平協定を結ぶことになるが・・・。
将来への展望を共有化して信じ合う、今の時代に最も必要なことかも。

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