殴者 NAGURIMONO

劇場公開日:

解説

総合格闘技イベント“PRIDE”を運営するドリームステージエンターテインメントが本格的な映画製作に乗り出した第1弾作品。ミュージック・ビデオを数多く手掛け、「けものがれ、俺らの猿と」で映画界に進出した映像クリエイター・須永秀明の監督第2作目。明治時代初期、実際に行われていた異種格闘技を題材に、アンダーグラウンドで繰り広げられる男たちの肉体勝負を独特の映像美で描く。

2005年製作/93分/日本
配給:ワイズポリシー
劇場公開日:2005年9月23日

ストーリー

時は明治の初頭、青年・暗雷(玉木宏)はやくざ世界の顔役、ピストル愛次郎(陣内孝則)率いる雷一家が開催しているならず者や格闘家たち(総称して「殴者」と呼ぶ)を集めた闇試合、「殴合」の世話役を勤めていた。腕力のある町の男たちを呼び止めては、闘いの魅力をささやき殴者にスカウトをする暗雷。しかし、暗雷と愛次郎の絆のはじまりは、皮肉なものだった。20年前、暗雷は愛次郎に実の父親を目の前で殺された。親を殺されても動じなかった小さな暗雷を面白がり、愛次郎は彼を自分の置屋で育ててきたのだ。それからずっと、暗雷は親の敵であるはずの愛次郎に仕え、彼の影法師として生きている…。そんな異常な日常の中、暗雷の心の救いは、同じくピストル愛次郎の元で一緒に育てられた遊女・月音(水川あさみ)、ただ一人。月音と共に愛次郎の元を離れて、二人きりで生きていく方法を模索し続ける暗雷に、突如、対立する組織・蟷螂一家と雷一家の抗争という千載一遇のチャンスが訪れる。ヴィンセントというイギリスの商人が、闇でキニーネという薬を売りさばき、雷一家と契約を結んだのがことの発端だった。お互いの策略が水面下で蠢き、抗争の決着を付ける方法として、暗雷は殴合でケリをつけることを提案する。殴合の前夜、暗雷のもとに、月音が置屋を逃げ出したと知らせが入る。しかし、すぐに子分たちに取り押さえられ、愛次郎から激しい折檻を受ける。止めようとする暗雷に腹を立てた愛次郎は、暗雷を木刀で滅多打ちにする。「なんで親父を殺した俺の言いなりになっているんだ!!」と、持ち替えた鉄棒を振り下ろした先は、暗雷をかばおうと覆いかぶさった月音の背中だった。そして試合当日。ヴィンセントが用意した洋館の舞台で、殴者たちのプライドを賭けた死闘が繰り広げられる。そんな中、暗雷は全てを裏切り、月音と共に生きていくために拳銃を手に入れる。

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