危いことなら銭になる

劇場公開日:

解説

都筑道夫原作“紙の罠”より「黒いダイス」のコンビ池田一朗と山崎忠昭が共同で脚色、「若くて、悪くて、凄いこいつら」の中平康が監督したアクション喜劇。撮影もコンビの姫田真佐久。

1962年製作/82分/日本
原題:Danger Paws
配給:日活
劇場公開日:1962年12月1日

ストーリー

紙幣印刷用のスカシ入り和紙十億八千万円相当が強奪され運転手二人が殺された。臨時ニュースを聞いてニヤリと笑ったのは拳銃無敵の腕前ながらガラスを擦る音には全く弱いガラスのジョー、計算機の哲、ブル健。三人の目的は紙を盗んだ連中に贋幣の名人坂本老人を高く売りこむことだ。ところが肝心の名人をさらったのは秀と修という二人の殺し屋、運転手を刺した張本人だ。ジョーが秀の平和ビルに乗りこんでみると、意外にも秋山とも子という若い美人が一人いるだけ。パリの柔道教師を夢みるとも子は、大学に通うかたわらアルバイトをしていたのだった。ここハマのキャバレー“アカプルコ”の地下室では、坂本名人がせっせと銅版をほっていた。アカプルコの周辺には、黒ずくめの殺し屋がそこかしこにひそんでいた。情報を聞きこんだジョーも強引についてきたとも子と様子をうかがっていたが、何とブル健がダンブカーで店先に飛びこんだ。その夜、どさくさにまぎれて名人をかっぱらったのは計算機の哲だった。初めはジョーが名人を奪ったが、ガラスの音にひるんだ隙に連れていかれたのだ。その哲は得意の計算どおりと、警視庁のロビーで名人の引き渡しをボスに約束した。まさに引き渡しが行われようとしたとき、ジョーの妨害で計画は失敗に帰した。ところで和紙は平和ビルのなかに保管されていたが、ふとしたことからとも子がこれをかぎつけて、ワゴンに積んで逃げ出した。一方、ジョーは計算機、ブル健と三人協同で平和ビルにのりこむと、ボスの一味と凄惨な拳銃戦を展開した。死闘のはて、何千枚と刷り出されたニセ札を発見して狂喜乱舞したジョーたちは、それを計画通り外国人の王とドル交換した。しかし、そのドルも坂本名人の手になるニセ札だと分るのに時間はかからなかった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5テンポ速いアクション&お色気&コメディ映画

2022年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

贋札作りを巡って繰り広げられる奇想天外な物語。
コメディタッチでありながら、アクション満載、お色気まである痛快な娯楽映画。
「ヤバいことならゼニになる」と読むタイトルの中平康監督作品。

紙幣印刷用のスカシ入り和紙10億8千万円相当が盗まれて、盗んだ奴らは贋札作りの名人の老人(左卜全)に「仕事」を依頼する。一方、紙幣用和紙の盗難を知って、老人を奪い合おうとするのはガラスのジョー(宍戸錠)・計算機の哲(長門裕之)・ブル健(草薙幸二郎)の男3人+腕っぷし強い女(浅丘ルリ子)。
多くの人物が老人というか銭を巡って、騙し騙されのドラマが展開される。

本作で印象的なのは、宍戸錠が乗る「二人乗りの赤い小さな車(三輪車)」であり、これがとってもお洒落。センスいい乗り物。

浅丘ルリ子もパンティ丸出しでコメディを演じており、日活映画のコメディっぽい感じ。

あまり詳しく物語を書いても仕方ないほど、物語のテンポがやたらと速い映画だが、これは中平康監督作品の特徴。

なかなか面白い映画であった。

<映倫No.13000>

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たいちぃ

3.5事件屋っていう謎の職業

2020年4月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

62年日活。
日活お得意の犯罪アクション。かなりコメディ寄り。だが皆スタイリッシュ。宍戸錠も長門裕之も格好いいぞ。ジョー作品はこっち路線の方が断然好み。浅丘ルリ子が意外なコメディエンヌっぷりを発揮するのも素晴らしい。

冒頭から早い展開。早過ぎると言ってもいいぐらい。15分であらかたのプロットは説明してしまう。ジョーが真っ赤なオモチャみたいな車のメッサーシュミットに乗ってるのもイイ。前後2人乗りなのね。

中盤の脱力展開が笑える。いいよルリ子最高。終盤は血生臭く人が死ぬけどタッチはコメディ寄りのまま。そして引き際はアッサリ。
近年にはないテイストの映画。洒落たセリフやとぼけたユーモアがあってすごく好きです。

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散歩男
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