劇場公開日 1983年3月12日

「このころの漫画はよく読んだ」幻魔大戦 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0このころの漫画はよく読んだ

2019年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

 石森章太郎のコミックにはハマってしまったので、大友克洋のキャラクター・デザインがかっこよすぎてついていけなかった。しかも『AKIRA』の前である。今でこそ素直に観ることができたが、当時は違和感が・・・

 「トッカータとフーガ」をバックに心地よい宇宙空間の映像で始まり、サイオニクサーとして甦ったルナ。まずはサイボーグ戦士ベガとの対面。そして最初に見つけたサイオニクサー東丈。彼の描写に関しては、野球部レギュラーから外れ、ガールフレンドにも振られた喪失感や、新宿の町を彷徨い歩く描写、そして、念動力の使い手として覚醒して悪いことを考えるといったリアル感がすごくいい。ただ、物語全体からすれば時間を割きすぎ。

 次なる超能力者は黒人少年ソニーだが、その前に起こった世界の破滅映像がアニメじゃなくて静止画だ。ここはがっかり。最初の敵、幻魔のザメディとの戦いもなんだかおとなしく、キース・エマーソンの曲もピタリとこない。超能力者が集まるさまは「サイボーグ009」の雰囲気に似ているが、ここでも盛りあがらない。エログロの怪物たちは『超神伝説うろつき童子』にも影響を与えているのかもしれない・・・姉さんが危ない!

 一枚絵で破壊された都会を描いていたけど、月の下にそびえる新宿ビル群がなかなかよかったでしょうか。原田知世の声でタオが言う「レッスン1終了」とかって、かなりはずしていると思う。

 劇場で観たのに、あまり記憶に残ってないのは、翌年の『風の谷のナウシカ』の衝撃のせいだろうなぁ・・・

kossy