劇場公開日 2007年10月13日

キングダム 見えざる敵 : インタビュー

2007年10月10日更新

「コラテラル」「マイアミ・バイス」に続いてマイケル・マン(製作)とコラボレーションを果たしたジェイミー・フォックスのインタビューを独占でお届けします。「Ray/レイ」でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、まさに絶頂期を迎えているジェイミーが本作に出演した理由は?(編集部)

ジェイミー・フォックス独占インタビュー
「この映画は信仰心の表明でもなければ、宗教の話でもないんだ」

画像1

――「ジャーヘッド」のすぐ後に、また肉体的に大変な作品に出演することになって、驚きましたか?

ジェイミー・フォックス
ジェイミー・フォックス

「大変さは違ったけど、確かにハードだった。でも、それは必要なことだったんだ。この作品の面白いところは、こういうことだと思う。皆、TVで悲惨な出来事を目にすると、『この人たちに同情するよ』なんて言い方をする。でもそれが、自分の友達や家族に降りかかった災難だった場合、感じ方が違って、『友達に何かあった』という気持ちが、僕が演じたフルーリーを動かすわけだ。それで、現地に行って確かめなくては、と思うんだ。フルーリーは、自分たちがアラーとキリストの両方を相手にすることになるだろうと分かっている。まったく違うものを相手にするんだから、面倒なことになるだろうと分かってるんだ。でもフルーリーは、ジェニファー・ガーナー、クリス・クーパー、ジェイソン・ベイトマンを連れて、友人に何が起きたのか確かめにいく。そして、幸運にも自分と同じことを考えている、アシュラフ演じるアル・ガージーに出会うんだ。フルーリーは、多くの友人が吹き飛ばされるのをじっと見ていた。彼らの身に降りかかったことをじっと見ていただけで、勇気を出せずにいた。つまり、真相を確かめる機会が持てずにいたんだ。でも、彼らのために仲間が集まり、一人一人の力は小さいけど、皆でこの大きな問題に取り組んでいくことになる。それが、この作品を面白くしているんだ」

――2人の捜査官の目を通じてこの紛争を見るというのは、あまり単純なことではありませんよね。

「それが単純かどうかはよく分からないけど、僕は単純な方がいいと思う。1つの作品の中であまり多くのことを複雑にしてしまうと、ちょっと見る気をなくしてしまうだろう。犯罪者に会うところを考えると、よく分かる。殺人犯や悪いことをしようと思ってる奴は、アラーやイスラム教を隠れ蓑にできる。あるいは、オクラホマの爆破犯や中絶クリニックを爆破する連中はキリスト教を隠れ蓑にできる。悪い奴が隠れているとわかったとき、自分が乗り込んでいった先の人々に敬意を払い、彼らの感情を害することなく、いかにして動き回るか。そしていかにして犯罪者を捕まえるか。ここがこの映画の面白いところなんだと思う」

決してアメリカ側にだけよった作りに なっていない点を高く評価する
決してアメリカ側にだけよった作りに なっていない点を高く評価する

――この作品は、文明の衝突に対する答えを、どのように探してるんだと思いますか?

「僕がピーター・バーグのやり方を上手いなと思ったのは、アシュラフと彼の家族を登場させ、彼が信じる宗教の良識を描いたところだね。彼らがいかにして分かち合い、子供たちのために何を望んでいるかを描いたんだ。これは素晴らしいことだったと思う。それを描いたことでバランスが取れるからね。『俺たちは任務を熱心に遂行するアメリカ人だ』『こいつらは皆、悪い奴だ』と乗り込んでいくわけじゃない。そういう描き方が新鮮だと思う」

>>次のページへ

インタビュー2 ~ジェイミー・フォックス独占インタビュー(2)
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る
「キングダム 見えざる敵」の作品トップへ