劇場公開日 2011年11月12日

「残酷で美しいざわめき。」追悼のざわめき だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)

残酷で美しいざわめき。

2023年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この映画の存在なんて知らなくても良かった、知りたくもなかった…。

なのにネットで偶然見つけたレビューに書かれた、おぞましい評価の数々、賞賛と批判の両極端の感想…。もう、見たくてしょうがなくなくなってしまいました。完全に「こわいものみたさ」の心情でした。ただ、観た後には後悔の念しか浮かびませんでした。

殺人、差別、暴力、嫉妬、近親相姦、カンニバル、嘔吐とありとあらゆる見たくないものを見せつけられます。その見たくないものには必ず"性"が描写されます。そして醜く、汚れたものを静かにモノクロ映像で次々と見せつけられていきます。

小人症の女性の嫉妬の悲しき狂気の沙汰、浮浪者の性への最後までのこだわり、女性の肉片(子宮)をマネキンに詰め続けた男のあっけない最後。そして、純粋だった幼い兄妹の汚れた結末。その妹を演じる子役が、本当にかわいらしいこと…。

なんでこんな映画見てしまったのだろう…
後悔ばかりが残る映画です。はっきりいって私には理解できなかった。途中意味が分からず1度観ることをやめたほど。

ホラー映画好きで、どんなスプラッターやグロいシーンを見ても全く平気な人間です。でも、こういった系統は本当に苦手です。一番怖いものそれはやはり人間。ホラー映画は、どんなにグロくても作り物、作り話。でも、人間の狂気は現実にこの世の中で毎日繰り広げられている悲しき世界。この映画に描写されている事は、決して作り話ではなく現実にありえる世界。いや、現代にはもっと"汚らわしくて醜い世界"はたくさんあるんでしょう。

映画の人間描写がとてつもなく嫌になりました。最後まで観てしまったときには、何かもやもやした納得できない気持ちになるはず。

この映画を鑑賞して10年以上たちます。再見もしておりません。ただ一つだけ言えること、いまだにこの映画が頭から無くなりません。忘れたくても忘れられないのです。そして、心の中でいまだにざわめいています。

※レビューの点数初めてつけれませんでした。

だいふく