マッチ工場の少女

劇場公開日:

解説

フィンランドの田舎町。マッチ工場で働いて稼いだ僅かな金で母と義父を養う少女イリス。ある日彼女は、もらったばかりの給料で自分のドレスを買ってしまう。 怒った義父は彼女を殴り、母はドレスの返品を命じる。とうとう我慢できなくなった彼女は、家を飛び出してディスコへ向かい、そこで出会った男性と一夜をともにする。しかし彼女は彼にも裏切られ……。監督は「レニングラード・カウボーイズ」シリーズのアキ・カウリスマキ。

1990年製作/70分/フィンランド
原題:Tulitikkutehtaan tytto
配給:アルシネテラン
劇場公開日:1991年

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(C)Villealfa OY

映画レビュー

4.0優しくないこの世にさようなら

2024年2月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

アキ・カウリスマキ作品の中で1番明るい色合い(色数はとても少ない)で淡々と少女が世界から裏切られる様を描写していく。
そしてこの世はクソだと確信してからも淡々と粛々と復讐をしていく。
主義主張としての左側の強い敗北感が背後にある、この世界があまりに生きるに値しないという結論を少女に背負わせてしまっている作品と感じた。
ここにユーモアは流石に入れられなかった。
此処から先のアキ・カウリスマキ作品を知っているからこそ、ここが重要な通過点になっていると思える作品でした。
そしてなぜかとても美しいと感じてしまう、そんな共犯関係。

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あした

4.0イリス覚醒‼️

2024年1月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

単純

継父と母にこき使われ、給料も搾取されてる女性イリス。たまに買った赤いドレスも返品してこいと、叱られてしまう。そんな時、バーで出会った男性と一夜を共にするも、彼には遊びでしかなかった。しばらくしてイリスは自分が妊娠している事を知る・・・‼️幸薄い一人の女性の生き様を、カウリスマキ監督がセリフを極端に少なく、淡々と描いてます‼️虐げられたイリスが、ネズミ退治の粉末で復讐開始‼️カティ・オウティネンが無表情に着実に復讐を実行していく演技が、凄みがあって素晴らしかった‼️「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」の前2作では希望に満ちたラストだったのですが、今作は、イリスの逮捕で映画が終わる‼️それもある意味、イリスにとっては希望的な終幕だったのかも・・・‼️

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活動写真愛好家

5.0女を裏切ると復讐が待っているのかもしれない、と感じた

2024年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

マッチ工場の少女
神戸新開地にあるパルシネマしんこうえんにて鑑賞 2024年1月18日

イリス(カティ・オウティネン)はマッチ工場で働きながら、母(エリナ・サロ)と働かない継父(エスコ・ニッカリ)と一緒に暮らしている。
ダンスホールに行っても質素な衣装のイリスに踊ろうと声をかける男性はいない。
ある日イリスはショーウィンドウにある綺麗なドレスに憧れ、受け取ったばかりの給料で購入するが家族は怒り、返品を命じられる。

かまわずそのドレスを着てダンスホールへと繰り出すと、アールネ(ヴェサ・ヴィエリッコ)という男から誘われた。デラックスなアパートで一夜を過ごす。
妊娠してしまったイリスは一緒に子供を育てるようとアールネに手紙を送るが、

始末してくれと

小切手だけが送られてきた。最初から一夜限りの遊びと知って、追い返されてしまう。
放心状態となったイリスは、車にはねられ流産した。さらに母に心労をかけたと継父から勘当される。
兄(シル・セッパラ)のアパートにいて、悲嘆にくれていたイリスは復讐を決断した。
ドラッグストアで行き、ねずみ取りの薬を注文し、効き目はどう?と質問すると、「イチコロです」
粉末状の薬を水でとかし、混ぜたものを容器にいれ、自分のかばんに入れた。
アールネのもと行き、酒が欲しいと言いコップが2つ さらに氷が欲しいと言い、アールネが離席したときに、液体を注いだ
母と継父家族のところに行き、料理をふるまうが、水を入れる容器に液体を注いだ。
ほどなくして警察官がきて、イリスは連行されてゆく・・・

フィンランド生まれのアキ・カウリスマキ監督作品
音楽をふんだんに使用し、作品のシーンに合わせた選択で 歌詞が流れるという特徴がございます。

作品の最後には「チャイコフスキー作曲 交響曲第6番悲愴(ひそう)第4楽章」が流れるが、途中でイリスがチャンネルを変えるシーンがあります。

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大岸弦

3.0異色作。

2023年12月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

逡巡し、流れに逆らわず、ささやかながらの幸せを感じさせる作品が多く、一線を超えないところに彼の作品におけるストーリーのユニークさがあると思っていたけど、独特の間合いの中、比較的あっさりと超えてきたことには驚いた。
ふと、「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」を思い出した。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。
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