博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかのレビュー・感想・評価

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5.0人間の愚かさを笑い飛ばす傑作

2012年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

スタンリー・キューブリック監督。
東西冷戦時代を背景に核戦争の恐怖と人間の愚かさを描いた
ブラックコメディー作品です。

一人三役をこなしているピーター・セラーズの怪演が素晴らしいです。

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だいすけ

5.0不世出の傑作

2009年6月15日
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

興奮

本作は、表面を粉砂糖でまぶしたような甘いコメディに一見見えなくもないが、実際は背筋がゾッとしてしまうような皮肉が込められた至上のブラック・コメディーに仕上がっている。個人的には、スタンリー・キューブリックの作品の中で本作が一番好きです。

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ダース平太

5.0ポジティブに人間の愚かさを笑い飛ばす傑作

2007年10月11日

笑える

楽しい

知的

始めて観たのは中学生か高校生の頃。
 今は亡き淀川さんの「日曜洋画劇場」(ひょっとしたら「土曜洋画劇場」だったかも)。ファーストシーンのB-52のアップと飛行姿から入っていくところの美しさにほれぼれしたのは今でも忘れない。
 全編ブラックなユーモアの連続で、特に覚えているのがSAC(戦略空軍)司令官が撃墜できなければ地球が滅びるというのに、自分が飛行機なったように両手を広げながら走り回って、「我が軍の高性能な飛行機がソ連なんかに撃ち落とされるはずは無い!」というシーンと博士が「大統領!」と言うのに間違えて「総統!」と叫んでしまうシーン、左手が自分の意志を無視してヒットラー型敬礼をしようとして右手で懸命に押さえようとするシーン等シニカルで人間の物欲と本能のむなしさを笑い飛ばした作品になっている。
 米ソの冷戦から核戦争になっていくという人類の危機的状況中で、本人達が必死なればなるほど皮相的になっていくのが面白い。
 宇宙的視野から見れば、核戦争も1つのジョークに過ぎないという事を描いた後、それでも人間は競争を止められない愉快な業を持っているということをヨーロッパ映画的に悲壮にならず、日本映画的に絶望感を漂わせず、笑い飛ばしているところに凄さを感じる。
 「2001年:宇宙の旅」に通じる視点を人間社会の外側に置きながらも、クールに観ているところがすばらしい。

 私にとってのある意味で原点になる作品

 同じ題材で同時期に創られた「FAIL SAFE 未知への飛行」と比較は面白い。一方は社会的人間ドラマに主眼を置いているのに対して、本作は人間の愛すべき愚かさに置いている。

 時間あったら見比べるのも一興かと思う。

 硬派のコメディーの代表作だと思う。

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Dr_StrangeLove