コマンダンテ : 新作映画評論

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コマンダンテ

劇場公開日 2007年5月26日
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コマンダンテ 5月26日よりユーロスペースほかにてロードショー

言葉に込められた時間と思想とが、激しく火花を散らす

画像1(C) 2003- Mediaproduccion S.L.
2002. All rights reserved.

基本的に喋りが多いドキュメンタリー作品の中でも、「プラトーン」や「JFK」で知られるアメリカ人映画監督オリバー・ストーンが、キューバのカストロ首相にインタビューしたこの映画ほど、言葉が飛び交う映画は少ないだろう。何しろ通訳の言葉も、すべてそこに入り込んでいるのだ。したがって映画を見る私たちは、英語での質問、その通訳、スペイン語での答え、そしてその通訳を聞くことになる。そしてその間にある質問者と通訳、回答者と通訳のやり取りも。単に、知りたいことがあり、そしてその答えがあるだけではない。それがこの映画の最大のポイントである。

たとえば、アメリカとキューバの間でこれまで起こったさまざまな出来事。世界を揺るがし、人々を不安と興奮の嵐の中に巻き込んだ多くの事件。その歴史が、2人の会話の中で穏やかかつ騒がしく再現される。質問とその答えという形式はとっているが、それらの言葉に込められた時間と思想とが、激しく火花を散らす。しかしだからこそ、そこには「通訳」が必要なのだとこの映画は示す。終盤近くになってオリバー・ストーンは、2人の間には愛があると、しつこくカストロと通訳に食い下がる。そのとき突如として浮かび上がる「通訳」としての「愛」。この映画を見る誰もが、2人の表情に目を見張るはずだ。それこそ全世界が今、求めているものだろう。それがここにある。

樋口泰人

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  • 「プラトーン」「7月4日に生まれて」で2度のオスカーを受賞し、最近では「ワールド・トレード・センター」などを世に送り出してきたハリウッド屈指の社会派オリバー・ストーン監督が、アメリカと国交を持たぬ隣国、キューバの最高指導者フィデル・カストロに1対1のインタビューを挑んだドキュメンタリー映画。同志ゲバラとの別離から、62年のキューバ危機、そして謎に包まれた私生活まで、カストロ本人の口から語られる。
  • 監督・製作:
    オリバー・ストーン
    撮影:
    ロドリコ・プリエト、カルロス・マルコビッチ
    音楽:
    アルベルト・イグレシアス
    出演:
    フィデル・カストロ、オリバー・ストーン
    2003年/1時間40分
    配給:
    アルシネテラン
  • 5月26日よりユーロスペースほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C) 2003- Mediaproduccion S.L. 2002. All rights reserved.

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